機械じゃなくて手で淹れるコーヒーがブーム! コーヒーは淹れ方で味が変わるらしい!?
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おいしいコーヒーを飲むことができるカフェ。最近では、専用の機械を使わずに、手で淹れるコーヒーがブームとなっているようです。味に影響する、コーヒーの淹れ方についてご紹介します。
この記事をまとめると
- 「サードウェーブコーヒー」の流行
- コーヒー豆のブレンドや、淹れ方にもさまざまな方法がある
- おいしいコーヒーを淹れる技術と知識を持っている専門家、「バリスタ」
サードウェーブコーヒーって、いったい何!?
小さいころはただ苦いだけだったコーヒーのおいしさも少しずつが分かるようになって、今は毎朝のコーヒーが欠かせない、という人はいませんか? スタバで甘くておしゃれなフレーバーコーヒーを飲んでいた人も、コーヒーの味がはっきり分かるブレンドコーヒーをあちこちのお店で飲みくらべている人も多いかもしれません。スタバやエクセルシオールなどの人気チェーン店もいいですが、もしも、今コーヒーデビューするならハンドドリップにこだわった「サードウェーブコーヒー」がおすすめです。
コーヒーはこれまでに、3回のブーム、3つの波(ウェーブ)がやってきています。
ファーストウェーブは、19世紀後半のこと。コーヒーの大量生産が可能になったことで、家庭や職場でコーヒーが多く飲まれるようになり、たくさんの浅煎りのアメリカンコーヒーが生産・消費されました。
続くセカンドウェーブは、1960年代から90年代。スタバやタリーズなどのシアトル系コーヒーショップの登場です。専門店のコーヒーは、インスタントに比べて香りや風味が豊か。しかも専用の機械で淹れた「淹れ立てのコーヒー」を飲めるということで、質の高い味を求める人たちに強く支持されました。カフェラテやエスプレッソなどコーヒーの飲み方にバリエーションが増えたのもこのころです。
そして、今まさに注目されているのが「サードウェーブ」。豆の産地にこだわり、豆が持つ個性を最大限に引き出す淹れ方を追求したのがサードウェーブコーヒーの特徴です。いろいろな豆をブレンドするのではなく、こだわりの豆一種類を使って淹れているのがポイントです。
コーヒーの中でも、ブレンドとストレートの違いって?
カフェに行くと、たいていの場合メニューの一番上に書かれているのが「ブレンドコーヒー」。ブレンドという名前の通り、さまざまな産地でとれた豆を数種類ミックスしているのがブレンドコーヒーです。ブレンドすることで無限の種類を作り出すことができます。
ブレンドの仕方には2つの方法があります。一つは、豆をブレンドしてから焙煎(加熱して水分を飛ばすこと)する「プレミックス」という方法。もう一つは、焙煎してから混ぜる「アフターミックス」という方法です。
プレミックスはブレンドされたコーヒー豆の焙煎した日やその度合いが同じなので、扱いやすさはありますが、味は単調になりがち。対してアフターミックスは焙煎した日や度合いが違ってしまうことがあるので、扱いづらいですが、味に奥行きが出ます。
ブレンドに対して、一種類の豆だけを使ったコーヒーは「ストレート」といいます。サードウェーブコーヒーでは、ある農園の一種類の苗木から収穫するというところまでこだわっていて、「生産地や処理方法が明確になっている」、「一切ブレンドされていない」という条件を満たした豆を「シングルオリジン」と呼んでいます。
淹れ方次第で、コーヒーはもっと美味しくなる!
しかし、どんなにいい豆を使っていても、淹れ方によってはコーヒーの風味が損なわれてしまいます。サードウェーブコーヒーでは、豆の風味や味を最大限に活かすために、「ハンドドリップ」という方法が用いられています。
ハンドドリップとは、コーヒー豆の上から熱湯をゆっくりと注ぎ、蒸らしながら抽出する方法のこと。1杯ずつドリップしなければならないため手間がかかりますが、豆の種類によってお湯の温度やお湯をかける速度などを調節できるので、豆の個性を活かすことができます。
ちなみに、スターバックスでは、エスプレッソマシーンを使ってコーヒーを淹れています。エスプレッソマシーンとは、深煎りした豆を極細の粗挽きにして、高圧蒸気で一気に抽出する機械のこと。豆をセットしてボタンを押すだけなので、誰でも簡単においしいコーヒーを淹れることができます。
あまり見かけることはないかもしれませんが、コーヒーにこだわっている店ではフラスコとロート、アルコールランプを使った「サイフォン式」を取り入れていることもあります。水を入れたフラスコの上にコーヒー豆を入れたロートを置いて、下からアルコールランプで温めると、蒸発したフラスコの水がロートに溜まっていきます。そしてフラスコ内の水がなくなってきたところでアルコールランプを外すと、抽出されたコーヒーの液体だけがフラスコの中に戻ってくる、という仕組みです。
ほかにもコーヒーの淹れ方には「フレンチプレス」や「ウォータードリップ」などいろいろな方法があり、中でもハンドドリップの場合は、コーヒーを淹れるバリスタの腕によってその風味や味わいがかなり変わってきます。
きちんと豆の特徴を把握し、豆にあった淹れ方ができなければ本当においしいコーヒーを提供することはできません。知識と技術が求められる職業ですが、確かな腕を持ったバリスタにはファンがつくこともあります。
コーヒー愛好家の多い日本では、今後おいしいコーヒーを淹れられるバリスタの需要はますます増えていくことでしょう。ぜひ一度、こだわりのサードウェーブコーヒーを飲んでみてくださいね。
この記事のテーマ
「食・栄養・調理・製菓」を解説
料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。
この記事で取り上げた
「バリスタ」
はこんな仕事です
エスプレッソ、カプチーノ、カフェラテなどのコーヒーを入れる仕事。イタリア語のバリスタは「バールでサービスをする人」を意味し、コーヒーに関する豊富な知識と確かな技術を備え、心地よい接客とともにおいしいコーヒーを提供する人を指す。スクールや講座でエスプレッソマシンの操作・抽出法などの技術や接客サービスを学べるが、調理師・製菓専門学校で料理やお菓子についても同時に学ぶと、働き方の選択肢を増やすことができる。カフェやレストランで働くほか、技術や接客術を磨いて自分の店を持つ人もいる。
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