誰でもできるわけじゃない!? 真っ黒の正方形を描いただけで評価された画家がいた?

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誰でもできるわけじゃない!? 真っ黒の正方形を描いただけで評価された画家がいた?

2016.03.07

提供元:マイナビ進学編集部

誰でもできるわけじゃない!? 真っ黒の正方形を描いただけで評価された画家がいた?

美術の世界ではかつて、真っ黒の正方形を描いただけで評価された画家がいたのだとか。誰にでもできそうですが、一体なぜ彼の絵は評価されたのでしょうか?

この記事をまとめると

  • 抽象画で絵画の概念を覆した画家、カジミール・マレーヴィチ
  • 対象物ではなく画家の感性だけを描くことこそ真の芸術だと考えていた
  • マレーヴィチの代表作である黒い正方形には、「深層」が隠されている

抽象画を生み出したカジミール・マレーヴィチ

美術の教科書に載っているような「名画」と言われるものは、たくさんの色の絵の具を何重にも塗り重ねていたり、立体感を出していたりととても手が込んでいて、繊細に描かれていますよね。美術館に足を運んで目を凝らしてみると、画家たちが何年もかけて試行錯誤し、技術や感性を磨いて描いたことが分かると思います。

しかし、中には「これって誰でも描けるのでは……?」といったような、抽象的な絵もあります。例えば、ロシアの画家であるカジミール・マレーヴィチの作品は、白いキャンバスに、真っ黒い正方形や円が描かれているだけ。パッと見ただけでは、素人が描いたかのように見えるかもしれません。

しかし、実は彼の作品は「抽象絵画」として高く評価され、その技法が現代まで受け継がれているほど評価されています。ただの四角や丸が並んでいるだけのようなマレーヴィチの作品には、どんな意味があるのでしょうか?

マレーヴィチは絵画から「対象」を排除した

絵を描くときは、対象となるものがあります。例えば、美術の授業で「目の前にある花瓶を描いてみましょう」と言われることがあると思いますが、多くの場合は風景や人物など、実際に存在するモデルをもとにして絵に描きますよね。昔から、「対象物をいかに正確に描くか」ということは、芸術の世界でとても大切なこととされていました。

しかし、マレーヴィチは「対象物に縛られると不自由になる」と考え、実際に目の前にはないもの、つまり無対象で絵を描くことにしたのです。彼はこれを「シュプレマティズム」と名付けました。対象物ではなく、「画家の頭の中にある直感だけを表現する」ことが、マレーヴィチの絵の描き方だったのです。

マレーヴィチは、「対象物を描くということは政治や宗教、科学技術の進歩など、時代の流れに翻弄されていることであり、それでは絵画は進歩しない」と考えていました。そこで彼が描いたのが、代表作でもある黒の正方形「Black Square」です。

ただ塗っただけじゃない、黒い正方形の下にあるものとは!?

これまでのモデルを正確に描く「リアリズム」を否定したマレーヴィチの作品は物議を醸し、否定されることも少なくありませんでした。しかし、「Black Square」は、実はただの黒い正方形ではなかった、ということが、後の研究で分かってきます。

Black Squareの中央には大きなひび割れがあり、ひび割れは中央以外にも何カ所かに見られます。また、正方形の周りはただの白いキャンバスではなく、正方形を描いた後に白く塗り重ねられたものと考えられています。さらに、X線で調べてみたところ、黒の正方形の下は複数の色の絵の具を使って塗られていることも分かり、ただ黒で塗っただけのように思えた作品が、実は非常に複雑に描かれていたことが研究で明らかになったのです。それら全てを黒い四角で隠してしまったこの絵は、人間の「深層意識」を描いている作品なのでは、とも言われています。2015年11月には、3枚ある「Black Square」のうち1枚を所蔵するロシアのトレチャコフ美術館の調査により、黒の絵の具の下に2種類の絵画が描かれていたことを発見し、大きな話題になりました。

マレーヴィチが抽象性を徹底した絵を描いてから、画家は対象物をその通りに描くことだけが全てではなくなりました。当たり前のことに捉われず、感性のままに絵を描くことも画家の仕事の一つで、アートの奥深さに驚いてしまいますね。

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「画家」
はこんな仕事です

絵を描くことを仕事としている人を指す。日本画や洋画を代表に複数のジャンルが存在。現代は平面にこだわらず、デジタルも駆使したミクストメディア作品やインスタレーションを発表するアーティスト的存在の画家も増えた。描いた絵を画廊を介して売る収入だけで生活できる画家は決して多くはない。コンテストへの応募、学校や絵画教室での指導、イラストレーター、似顔絵描きなどで生計を立てる人も多い。展覧会だけでなく、イベントでのライブペインティングや絵本、パッケージなどで作品を発表する人もいる。

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