発酵の強い味方!? かつては人の口に入れたモノからお酒をつくっていたってホント?

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発酵の強い味方!? かつては人の口に入れたモノからお酒をつくっていたってホント?

2016.03.08

提供元:マイナビ進学編集部

発酵の強い味方!? かつては人の口に入れたモノからお酒をつくっていたってホント?

お酒づくりといえば発酵ですが、かつては人の口に入れたモノからつくるお酒があったのとか。今ではちょっと想像しづらい、驚きのつくり方をご紹介します。

この記事をまとめると

  • 昔は、人が口に入れたものから日本酒が造られることがあった
  • 若い女性が噛んだお米をもとに造られていたという
  • 杜氏は日本が世界に誇れる素晴らしい仕事

それって汚くないの!? 昔の日本酒は人が口に入れたお米からできていた?

近年、グルメ漫画がブームになっていますが、食べ物だけでなくお酒の漫画もヒットしています。東京のOLが実家の酒造を継いで生きていく姿を描いた『夏子の酒』は漫画だけでなく実写ドラマ化されましたし、同じくドラマ化もされた漫画『もやしもん』では日本酒をテーマにした回があるだけでなく、山梨県の萬屋醸造店とコラボした日本酒を発売して好評を得るなど、お酒を飲むことができない高校生にも気になった人が多かったのではないでしょうか?

それだけ日本酒は、日本人にとって身近なものです。日本酒はお米が原料になっていますが、実は昔は、いったん人が口に入れたお米からつくるお酒もあったのだとか!?

日本酒は、お米と水、米麹から作られる醸造酒で、お米の糖分がアルコールに分解されることによってお酒になります。ただし、お米にはもともと糖分が含まれていません。そのため、お米に含まれるデンプンを糖分に変えてからアルコールへに変えるという手順を踏むことになります。

デンプンから糖分に変えるために必要なのが「麹」です。麹とは、蒸したお米に麹菌をふりかけることでできるものです。麹菌の力を借りて、米のデンプンを糖化してその糖が酵母によってアルコールに変化するのが、日本酒ができる工程で、世界でも類を見ないほど複雑なのだそうです。しかし、最初からこんな複雑な工程で日本酒が造られていたのかというと、そうではありません。

お米を噛んでいると甘くなるのは、日本酒造りの工程と一緒?

実は、この「お米をデンプンにして糖化する」工程は、お米を口に入れて噛んだときと同じなのです。みなさんがご飯を食べたとき、お米をモグモグ噛んでいるとだんだん甘くなってくるように感じがしませんか? これは、口から出てくる唾液中にある物質「アミラーゼ」で分解されることにより、糖分に変わることで、甘く感じているのです。つまり、唾液の働きと日本酒を造るときに使う麹の働きは同じということなんです。

日本でのお酒造りの起源は、この「お米を噛むと甘くなる(糖化する)」ことにはじまるという説があります。日本に稲作が伝来した紀元前の時代に、お米などの穀類を噛んで造られていた「口噛み酒」がそのはじまりとされているのです。

「口噛み酒」とは、お米を口に入れて噛んだものをいったん容器に移し、そのお米を発酵させることで、造る日本酒です。なんだかこうして聞くと、ちょっと汚いイメージを持ってしまいますが、「口噛み酒」は若い未婚女性が担当していたという説もあります。なぜ若い女性なのかというと、お米を口に入れて噛むと、唾液中のアミラーゼが出て働きますが、それと同時に口に中にある雑菌をお米に練り込むことになるため、年齢が若く最も健康な細菌を口内に持つ女性が造るのが一番上手にお酒が造れたのではないかといわれています。

おいしいお酒を造る女性を重宝したことから、巫女が誕生した可能性もある

おいしいお酒は「雑味がなく癖がない」といわれることがあります。雑味とは、お酒の成分に不必要にアミノ酸の種類が多いことが影響します。そして、アミノ酸は微生物によって造られることから、細菌の種類が多いと不必要なアミノ酸が増えて雑味が増し、味が不味くなります。細菌の種類が少ないであろう若い女性が酒造りを行っていたのにはこういう理由もあったようです。

沖縄の西表島では大正時代末期まで「口噛み酒」が造られていたそうで、炊いたお米を女性が噛んだものを石臼で挽き、かめに入れて3日ほどすると日本酒が出来上がっていたんだとか。また、台湾では原住民が造る「口噛み酒」が3000年以上の歴史を持っているといわれており、1957年の酒造り禁止令により、その歴史は途絶えてしまいましたが、当時の資料で製作工程が写真に残されています。残念ながらそこに写っていた「口噛み酒」を造る人物は若い女性ではなかったようです。

こうした酒造りの歴史は、現代の日本にも残る「巫女」の誕生にも関係しているのではないかといわれています。おいしい口噛み酒を造り、歌や踊りが上手な若い女性は集落の中心に据えられたことで、やがて神に仕える巫女が誕生して行くきっかけになって行ったと考えられています。諸説はありますが、歴史とは不思議なものですね。

酒造りの最高責任者である“杜氏”は日本が世界に誇れる仕事

このように、日本人の歴史とも深い関係がある日本酒造りを受け継いでいる仕事が「杜氏(とうじ)」です。杜氏とは、酒蔵を代表する酒造責任者のことです。酒造に携わる職人さんたち・蔵人をまとめる最高責任者でもあり、酒造りだけではなく組織のリーダーとしての資質も問われます。

また、酒造りは同じ材料で造っても全く同じ味にはならないと言われるほど繊細な仕事です。その分、日本の伝統的な文化の担い手として、国内だけでなく世界に誇れる仕事です。お酒造りに興味が湧いた人は、まずはみなさんが住む地域にある酒蔵のことや、有名な杜氏のことを調べてみることで、きっと杜氏の仕事ぶりを詳しく知ることができるはずですよ。

この記事のテーマ
食・栄養・調理・製菓」を解説

料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。

「食・栄養・調理・製菓」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「杜氏(とうじ)」
はこんな仕事です

日本酒の蔵元で、蔵人たちとの共同作業による酒づくりを取り仕切る仕事。日本酒は複雑な過程を経てつくられるが、その醸造技術は全国各地に散在する杜氏・蔵人集団によって継承されてきた。現在では、蔵元の従業員として働くのが一般的。大手メーカーでは機械化が進んでいるが、各地の蔵元では今も昔ながらの酒づくりが行われている。杜氏になるためには資格は必要ないが、大学の醸造科などで学んでから就職したり、働き出してから酒造組合などが主催する講習や研修などで知識を深めたりすることが多い。

「杜氏(とうじ)」について詳しく見る