世界でも有数のスケール? 5万人が住む、熊本にある噴火でできた巨大なくぼみって?

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
  • 保護者・先生の方へ
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

世界でも有数のスケール? 5万人が住む、熊本にある噴火でできた巨大なくぼみって?

2016.03.03

提供元:マイナビ進学編集部

世界でも有数のスケール? 5万人が住む、熊本にある噴火でできた巨大なくぼみって?

熊本県には、火山の噴火でできた巨大なくぼみに、5万人もの人々が住んでいる場所があるのだとか。一体どんな場所なのでしょうか?

この記事をまとめると

  • 山は生きていて、富士山だって噴火の可能性がある
  • とてつもない規模の「カルデラ噴火」は平均6,000年間隔で起こる
  • 火山の噴火には地球の生態系すら変える力がある

美しい山が並ぶ一方で、「火山大国」の日本

無数の山々に囲まれた国・日本。四季の移り変わりを肌で感じることができ、アウトドアやスポーツなど、いろいろな方法で山の魅力を味わうことができます。その豊かな自然は常に私たちの好奇心を刺激し、一緒に毎日の疲れを癒してくれます。しかし山がたくさんあるということは同時に、常に自然災害の脅威にさらされている状態、ともいえるのです。

活火山である桜島(鹿児島県)は、これまでに大小数々の噴火を繰り返してきました。噴火の規模によって気象庁から警戒レベルが発表され、入山規制、避難準備、避難といった具合に指示が出されます。火山灰が街中に降り注ぐことは日常茶飯事で、各家庭には市から灰を集める袋が提供されているほどなのです。

また、以前は死火山(※1)や休火山(※2)であると思われていた、長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山(おんたけさん)は、1979年と2014年に噴火し、2014年の噴火では火砕流によって山の頂上付近にいた58名の登山客が犠牲になったことがありました。

このとき火口から飛び出した噴石が登山客めがけて降り注いだのです。御嶽山は1979年以降、小規模な噴気活動が見られ、大きな噴火の予兆ではないか、と警戒されており、休火山ですら安心できない、ということを強く印象付けた出来事でした。

日本一の山である富士山だって例外ではありません。富士山が最後に噴火したのは江戸時代の1707年で、このとき火山灰は江戸の町にまで降り注ぎました。この噴火は宝永大噴火と呼ばれています。それ以降300年以上、今まで噴火が起きていないことから、学者たちの間でも「そろそろ噴火が近いのでは……」と案じられているようです。実際に河口湖の水位が下がるなど、噴火の前触れと思われる出来事の報告例もあります。

まるで空中に浮いているかのような「ラピュタの道」

自然が生み出した幻想的な地理が話題を呼び、いま観光スポットとして注目を集めている場所があります。それが熊本県阿蘇市にある「ラピュタの道」です。「ラピュタの道」とは、正式な名称を「阿蘇市道狩尾幹線」と呼ばれる道で、熊本県の阿蘇谷から北外輪山までの道路です。このルートから見渡す大草原の景色があまりに美しいことから、いまでは全国から観光客やツーリングのライダーたちが訪れる人気スポットになりました。

「ラピュタ」とは、もちろん宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』のことです。公開から実に30年もたつ作品ですが、描写の美しさなどから不朽の名作として知られ、世代を問わず依然人気が高い作品です。

作品のクライマックスに登場する緑に覆われた城が空高く浮かぶ姿が印象的で、道から見える景色が、まるで浮かび上がったラピュタから下界を見下ろしているように見えることからこの名前が付けられました。さらに気温の変化が大きく風のない早朝に行けば、雲海があたり一面に広がるため、まさしく空中に浮かんでいるように錯覚してしまうほどです。

「カルデラ」とは、地下にあったマグマが噴火により大量に吹き出し、空洞となった地下の部分に地表が陥没してできた「くぼみ」のことです。ラピュタの道がある阿蘇カルデラは東西18km、南北25kmと、世界でも有数のスケールのもの。阿蘇カルデラ内は、阿蘇ジオパークの中心として、鉄道や国道が走り、約5万人もの人々が生活しています。

阿蘇山の噴火は過去4回起きており、最も古いものが約27万年前、最近のものでも約9万年前と気が遠くなりそうなほど長い歴史があります。4回目の噴火の規模は特に大きく、九州のほぼ全域が火砕流の被害を受け、一部は海を越え、山口県でも確認されたほどです。また火山灰は、はるか北海道でもこの噴火によって火山灰が積もったほどです。

今後起こり得る火山の大災害とどのように向き合うか

この阿蘇山も、2015年9月に水蒸気噴火が確認されました。大規模なカルデラ噴火は、過去の歴史から平均して6,000年間隔で起きています。しかし直近7,300年ほど、大規模なカルデラ噴火が起きていないことが研究・調査から分かっており、人類の存続に関わる大災害がいつ起きてもおかしくない状態であるのです。

カルデラ噴火が起きると、火砕流や土石流によって周辺地帯は焼き尽くされ、全ての生物は生きていくことができなくなってしまいます。仮に火山から離れた場所に住んでいたとしても、天高く舞い上がった火山灰は長期にわたり日光をさえぎり、植物は光合成ができなくなってしまいます。地球表面の温度は一気に下がり、農作物だって育たなくなり、私たち人間のように1日3食食べるような生物にとっては死活問題です。

東日本大震災の後、地震や津波へのさまざまな対策がなされるようになりましたが、同じ自然災害でも火山の噴火への対策はまだ不十分だとも言われています。地球科学の第一人者で東京大学名誉教授の藤井敏嗣氏は「日本ではカルデラ噴火の研究は一向に進んでいないどころか、カルデラ噴火の切迫度を確認する手法の開発すら行われていない」カルデラ噴火について注意を促しています。

国土の70%が山林であり、休火山・活火山が無数存在する日本。地球の持つダイナミックなエネルギーを目の当たりにできる「火山学者」は、国民の安全と財産を守るために今後ますます需要な役割を担っていくことになるでしょう。

※1 有史以来、活動の記録がない火山を指す、旧来の呼び方。
※2 有史以来、火山活動の記録があるが、現在は噴気などの目立った活動のない火山を指す、旧来の呼び方。

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「火山学者」
はこんな仕事です

火山の噴火による災害を減らすために、あらかじめ予測できるよう調査研究する仕事。大学や観測所、研究センターなどに勤務して日々観測と予測に取り組む。研究には火山地質学・火山地形学・火山岩石学などさまざまな分野があり、それぞれ専門的なアプローチで研究を行う。基本的には過去の噴火を調査し、発生メカニズムを解明しようと試みる。実際に現地に足を運んで岩石などを採取することもあり、活火山の調査には危険を伴う場合がある。災害を防ぎたいという強い信念と責任感を要する仕事といえる。

「火山学者」について詳しく見る