【シゴトを知ろう】アロマテラピスト 編
メイン
テーマ

植物の香りなどを使って、リラグゼーション効果を高めるアロマセラピー。このアロマセラピーを用いて人々に癒しを与えるのが、アロマテラピストの仕事です。
アロマセラピーは、体の癒しはもとより、スキンケアなどの美容や心のリラックスにも効果があるといわれ、女性を中心に人気が高まっています。今回は、アロマテラピストとしてサロンを経営しながら、講師としても活躍している「Office Lei」の長瀬奈央さんに、アロマテラピストのお仕事について、詳しくお話を伺いました!
この記事をまとめると
- アロマセラピーを使って、マッサージやスキンケアを通して人々に癒しを与えるのが、アロマセラピスト
- スポーツ選手の心と体のケアを行うこともある
- アロマセラピーはヨーロッパが発祥のため、語学が必要になることも
アロマセラピー普及のため、栄養学や心理学、経営学などについても学んだ
Q1. 普段のお仕事について教えてください。
「私は普段、企業に務める社員さんに向けたアロマセラピーの講座(福利厚生活用)を開いたり、アロマセラピストの育成を行ったりしています。アロマセラピーとは、植物の香りなどの力によって、心や体の回復、健康増進や美容に役立てていく自然療法です。講座以外でも、アロマセラピーを通じて、スポーツ選手の心と体のケアも行っています。ほかには、アロマセラピーを使用したコスメの商品企画も行っています」
Q2. アロマテラピストになるまで、どのような勉強をしてきたのでしょうか?
「大学では工学部を専攻しており、卒業後は技術職として働いていましたが、その後、アロマセラピーの学校で専門的な知識や技術を身につけ、資格を取得し、アロマテラピストとして仕事をはじめようになりました。ほかにも、アロマセラピーの普及のために、栄養学や心理学を学んだり、サロンを開業するにあたり経営学やプレゼンテーションスキルを学んだり、またサロンの運営にあたり法律や保険を学んだりもしました。私はサロンを運営しているので、技術的なアロマセラピーのスキルはもちろん、経営についてのスキルなど、学ぶことはたくさんあります」
Q3. お仕事の中で、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?
「講座が終わった後や施術の後に、いろいろな人に『ありがとう』と言ってもらえることです。『講座を受けてよかった』『もっと早く奈央さんの講座を受けたかった』といった言葉をもらえると、やはりとてもうれしくなります。『ほかのアロマセラピストとは活動範囲が全然違いますね!』と言われると、もっとお客さまのためになるものを考えられるようになりたいといった、新たな目標がどんどんできます。そういったところに、やりがいや魅力を感じています」
常に目標を掲げ、なりたい自分を思い描いて行動し続ける
Q4. お仕事に取り組む中で、大切にしていることは何でしょうか?
「いくつかありますが……。『常に目標を持ち、それに向けて行動すること』
『失敗したことは教訓として、二度としないように心がけること』『なりたい自分を常に思い描いて紙に書くこと』『お客さま目線を忘れないこと』『学んだことはすぐに実践する環境を常につくること』といったことを大切に仕事に取り組んでいます」
Q5. お仕事の中で、一番の達成感のあったエピソードはなんですか?
「初めて来店されたお客さまが、自分の家族にもすすめたいと家族の方を紹介していただき、そこからその家族の方がスポーツをしている方を紹介していただき、またさらにその方が新しいお客さまを紹介していただき……と、口コミの輪が続いたときです。そんなときは自分が認められているように感じ、とても達成感がありました」
アロマセラピーが日常生活に溶け込むような日を目指して
Q6. アロマテラピストとして、「いつかこういう仕事がしたい」という目標はありますか?
「アロマセラピーの施術で健康保険の適用ができるようになって、より多くの方の生活に役立てていけたらなと思っています。また、生活必需品としてアロマセラピーを取り入れてもらうためにも、コスメの企画を充実させたいです」
Q7. アロマテラピストは人の心に関わる仕事だと思うのですが、普段から本を読んだり、勉強をしたりしているのでしょうか?
「アロマテラピストとして仕事に関わる中で、本はたくさん読むようになりましたね。施術や講座などに役立つマナー本、サロンの経営に役立つ経営本、またお客さまのお仕事が分かるような専門書、経済の流れが分かるような経済の本など、たくさんの本を読んでいます。いろいろなジャンルの本を読み、たくさんの人々に対応できる知識を身につけることで、お客さまが満足していただけるサービスにつながると考えています。本を読んでいろいろな人の考え方や仕事の特性などを知ると施術もしやすくなります」
「また、本を読む以外にも、勉強は常にしています。今でも、高校の化学の本、生物の本を見て講座の参考にしたりしています。専門書よりも高校の教科書や小学校の理科の教科書のほうが分かりやすかったりしますからね」
アロマセラピーはヨーロッパが発祥のため、語学が必要になることも
Q8. 高校時代はどのように過ごしていましたか?
「高校時代は生徒会長をしており、『自分は経営者になる』と、そのときから考えていました。中学のころは、理数系科目が苦手で避けていましたが、苦手な勉強も、頑張れば結果が着いてくると学びました。また、目標を持つことで、何を勉強したら良いのか、今何をするべきかが見えてきて、とても勉強の効率が上がりました。『目標を持って努力する』ということを学生時代にやってきたことが、今の仕事にも生かされていると思っています」
Q9. 高校時代にもっと勉強しておきたかったことがあれば教えてください。
「語学はもっと勉強しておけばよかったと思いますね。アロマセラピーはヨーロッパが発祥で、使う材料もヨーロッパから輸入取引をしているので、取扱説明書などを読むときには、英語やドイツ語、フランス語などの語学が必要になってきます。また、講座を開く企業の中には、社内公用語が英語になってきているところもあります。企業での講座や資料づくりも英語で頼まれることがあるので、語学の必要性をより感じるようになりました」
Q10. アロマテラピストを目指している高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。
「セラピストの原点は、誰かの心身ともに健康であってほしいという思いやりの心だと思います。心やさしく前向きな気持ちを持って、アロマセラピーをはじめ、周りに幸せを与えるセラピストになってほしいです」
人を癒すという仕事である「アロマテラピスト」ですが、資格取得後もたくさんの勉強を続けていくのですね。アロマの香りに囲まれて華やかなイメージがある一方で、個人で技術職を続けていくということは、それと同時に技術を磨き続ける必要があるということなのかもしれません。植物の香りなどを使ってリラックスを生み出す、アロマテラピストという仕事が気になった方は、アロマセラピーについての本を読んでみたり、身近にあるアロマセラピーのサロンについてぜひ調べてみてはいかがでしょうか。
【取材協力]
「セラピーライフ~セラピーのある生活~」
http://www.therapylife.jp
アロマテラピスト:長瀬奈央
http://www.officelei.com/
この記事のテーマ
「エステ・ネイル・リラクゼーション」を解説
ネイリストやエステティシャンといった美容のスペシャリスト、アロマテラピストなどリラクゼーションのスペシャリストとして活躍する仕事です。いずれも高いホスピタリティや接客能力が求められるだけでなく、自ら学び続け、新しい技術やトレンドを取り込む好奇心やセンスが必要となります。
この記事で取り上げた
「アロマテラピスト」
はこんな仕事です
アロマテラピーとは、植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)を肌に塗り、その香りで心や身体のストレスを取り除く自然療法を指す(『アロマセラピー』ともいう)。専門的知識を持ってアロマテラピーを行う技術者が、アロマテラピストである。アロマサロンで施術を行う他、ショップやカルチャー教室で個人の愛好者への指導を行うなど、活躍の場は幅広い。身体に優しい療法として一般の愛好家も増えているが、精油を取り扱う上で専門的な知識を要する場面もあり、アロマテラピストの需要は高まってきている。
-
PICK UP! 「アロマテラピスト」について学べる学校
-
エステ・ネイル・リラクゼーションについて学べる学校
