触った動物が石になってしまう!? アフリカにある「死の湖」を知ってる?
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海外には、「死の湖」として知られる湖があるのだとか。一体どうして「死」といわれるのでしょうか。
この記事をまとめると
- 触れると動物が石になる湖「ナトロン湖」って?
- 海水より濃い塩分濃度。特殊な環境は古代のミイラづくりの状況と一緒だった
- 別名は「炎の湖」。フラミンゴの色の元ともなっている
触れた者を石に変える「死の湖」。実在するって知ってた?
「その水に触れた者は、石と化す……」と書くと、何やら恐ろしく、まるでホラー映画のキャッチコピーのようですね。しかし、ホラー映画だったら良いのですが、この「石と化す」湖は実際にあると知っていましたか?
そんなホラーな湖が、「死の湖」とも呼ばれているタンザニアにあるナトロン湖。なぜなら、湖で死を迎えた動物は、その遺体が石になってしまうのです。石化した動物の様子は、まるで彫像、自然の芸術品のようです。どうして動物の遺体が石化してしまうかというと、ナトロン湖の特別な環境が影響しています。
ナトロン湖は2つの河川から水流が流れ込んでいます。しかし、水が出て行く先がありません。つまり、2つの河川からの水が湖に溜まり続けるのです。ナトロン湖の水温は40度近くあり、水がどんどん蒸発していくため、湖から水が溢れてしまうことはありません。しかし、水分は蒸発しても水に含まれている成分は地上に残るので、塩分やミネラルは濃くなる一方。さらにあちこちでソーダ水が湧き出るため、他に類を見ない特殊な環境となっているのです。
塩分濃度は海より高い! 特殊な環境が作り出す「天然の彫像」
ナトロン湖の塩分濃度は8%と言われています。通常の海水が3%ですので、いかに濃いかが分かりますね。そして水に含まれているイオンの量を示すph値はアンモニアと同程度の9~10.5と言われていて、強いアルカリ性を示しています。
高温かつ強いアルカリ性のこの湖、実は、古代エジプトにおけるミイラ制作の環境と非常によく似ているのです。微生物等に分解される前に石灰化していくという仕組みです。
ナトロン湖は「死の湖」のほかに「炎の湖」とも呼ばれています。異常なほど高濃度になった不純物のせいで、湖の色は赤くなっています。この湖に生息する一種類の魚を食べて生きているのが、フラミンゴです。ナトロン湖で餌を食べたフラミンゴの身体は赤くなり、そして餌を食べない時期には白くなるのです。
世界に現存する未知を、地球規模で分析する「地球学」
このように地球上には他に類を見ない特殊な環境が数多くあります。その環境が生まれた要因、生物などあらゆる角度から考察するのが地球学です。一つの場所に限らず、地球全体の物質、構造、歴史、環境を学べる学問です。ナトロン湖や世界の不思議を学問という角度から追求したい人は、地球学を学んでみるのもいいかもしれません。
この記事のテーマ
「地球・環境・エネルギー」を解説
私たちの暮らす地球では、火山噴火、地震、台風、干ばつなど、人類にとっては有害な現象がいまも続いています。こうした現象を研究・解明し、うまく折り合いをつけていくことが必要です。また、豊かな生活を求めるあまり、限りある地球資源を枯渇させてしまったり、自然環境を破壊してしまうことは、人類の絶滅を意味します。こうしたことを防ぐためには、技術系の学問だけではなく、政治や行政などに関する幅広い知識も必要な分野です。
この記事で取り上げた
「宇宙・地球学」
はこんな学問です
地球の構造から入り、太陽系の惑星、太陽、その先の宇宙へと広がる世界を研究する学問である。あらゆる観察技術を使い、地球誕生までさかのぼり、さらに宇宙の始まりと進化まで探る。研究する分野も広大であり、宇宙から降り注ぐさまざまな光線や電波をキャッチし、分析している。また、観測技術においても常に新しい技術を取り入れながら前進を続けている。
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