クラス替え前に注目! 勉強も部活もできる人は、実は自分を操るのがうまいらしい!?

新学期を前に、勉強も部活も頑張りたいと考えている人は多いはず。そんなときに役立ちそうな、2つの心理現象をご紹介します。
この記事をまとめると
- 期待されればされるほど、期待に応え、成果を出す傾向が強くなることを「ピグマリオン効果」という
- 原因が何だとしても、目的さえしっかり持っていれば結果は変わってくるという考えを「アドラー心理学」という
- 理想の自分に近づくためには、「頑張れば自分はできる!」と思い込むことも有効かも
期待されると結果が出る? 「ピグマリオン効果」って?
新しい学年になってクラスも変わり、新しい環境になると「成績もアップして、部活でも活躍して、友達にも人気の自分になりたい!」と新しい自分に生まれ変わりたい願望が出てきませんか? そんな願望を叶えるためには、ある心理学を知っておくといいかもしれません。
例えば、「ピグマリオン効果」という心理的行動があります。これは、人は期待されればされるほど、その期待に応え、成果を出す傾向が強くなることをいいます。
アメリカの教育心理学者のローゼンタールは、ある小学校でテストを受けた生徒の中から無作為に数人を選びました。そしてその数人を「この子は伸びますよ」と教師に伝えたところ、教師たちは期待をこめて一生懸命指導するようになりました。すると、実際に子どもたちはどんどん成績がアップしていったのだそうです。教師の期待によって学習者の成績が向上する、というピグマリオン効果の実験例です。みなさんの中にも「ほめられて伸びるタイプ」という人もいると思いますが、このピグマリオン効果になぞらえることができるかもしれませんね。
原因には意味がない!? 「アドラー心理学」とは?
理想の自分に近づくために努力をしようと思っても、「一生懸命勉強をしたところで結果が出ないかもしれない」「部活の練習をしてもレギュラーになれなかったらどうしよう」という気持ちが先にきてしまい、やる気が出ないという人もいるでしょう。このように、「原因」が「目的」になってしまっていることを「アドラー心理学」といいます。
例えば、「テストの結果が悪かったらがっかりするから、勉強したくない」という場合、「勉強したくない」が目的、「テストの結果が悪かったらがっかりする」が原因です。つまり、勉強したくないという目的のために、テストの結果が悪いことでがっかりしたくないという原因をつくって、自らを納得させるようにしてしまっているということ。ここで、目的を「勉強したくない」から「結果を出すためはどうすればいいのか」に変えれば、原因である「テストの結果が悪かったらがっかりする」はあまり意味のないものになります。
原因のせいにせず、目的のためにどうすればいいかを考えることで、自ずと結果はついてくるはず、という考え方がアドラー心理学です。
失敗を恐れずに、「目的」に向かってデキる自分を想像しよう!
ピグマリオン効果とアドラー心理学の共通点は、「結果をよくするためには気持ちが大切」ということ。「自分はもっと成績がアップするはず!」「友達がたくさんできて人気者になるはず!」と自己暗示をかければ、思い描いたいい結果を出すことができるでしょう。また、「もしかしたら失敗してしまうかもしれない」と恐れず、「もし失敗してしまっても失敗は次に生かせるはず」と思い込めば、また頑張ろうと思えるはず。
みなさんの周りに、勉強もできるし部活でも活躍している人はいませんか? そういう人は、きっと自分の気持ちをうまく操るのがうまいのかもしれません。最初から何でもできる人はいません。器用になんでもこなしているように見える人は、失敗を失敗と思わず、自分自身を「さあ頑張れ! 次はできるぞ!」と励ますことができ、理想の自分に近づけるように努力をしている場合もあるでしょう。
心理学をはじめとした人間の心の動きに興味が湧いた人は、毎日の勉強や部活に対する考え方を心理学の視点で分析してみると、人間の複雑な心というものについて、もっとよく知ることができるかもしれませんよ。
この記事のテーマ
「人間・心理」を解説
人間科学は、人間の存在や関係性を研究し、学習範囲は広範囲にわたります。心理学は、人間の心や行動の特徴を分析・解明します。中でも臨床心理学は、ストレスの多い現代社会において注目される分野。いずれも、人間の存在意義をひもとく基礎となる学問です。
この記事で取り上げた
「心理学」
はこんな学問です
人間の心理や行動がどのような原理で動いているのかを研究する学問である。それにはさまざまなアプローチがある。たとえば、認知心理学では対象を知覚してから言語化するまでの作用を情報処理のプロセスとして理解する。発達心理学は人間が誕生してから死ぬまでの心の変化が何によるのかを探究する。臨床心理学は心のバランスを崩してしまった人の状態の改善をめざす。志望校に自分の本当に学びたい心理学があるかどうかを必ず確認することが大切だ。
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