ピアノの前に座ってるだけ? 音を鳴らさない、無音の曲があるらしい!?

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ピアノの前に座ってるだけ? 音を鳴らさない、無音の曲があるらしい!?

2016.02.23

提供元:マイナビ進学編集部

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ピアノの前に座ってるだけ? 音を鳴らさない、無音の曲があるらしい!?

音楽といえば「音を鳴らすもの」ですが、なんと、世界には「無音の音楽」があるのだとか。一体どういうことなのでしょうか。

この記事をまとめると

  • 「4分33秒」という無音の楽曲がある
  • 演奏をしない間、自然に聞こえるものすべてが音楽になり得る、という考えのもと生まれた
  • この曲をクリスマスチャートの1位にしようとするキャンペーンがあった

「4分33秒」の間、ひたすら無音! でも、れっきとした曲!?

もしも、あなたがライブを見に行ったときに、演奏者がステージ上で楽器を前に、音も出さずにじっとしていたら、どう思いますか? きっと、「えっ? どうしたんだろう!?」「何かトラブルがあったのかな!?」と思ってしまいますよね。しかも、それが5分近くも続いたら、どうでしょう。

しかし、そんな無音の時間が、音楽になり得ると考える人がいるのです。それは、「無音の音楽」を代表曲の一つとしている、音楽家、その名はジョン・ケージといいます。そして、その代表曲は「4分33秒」という無音の楽曲です。

以前、深夜バラエティ番組でも紹介されたことがあるこの曲について、詳しくご紹介します。

ジョン・ケージは、20世紀に活動したアメリカ出身の現代音楽家です。常識や固定概念に囚われない、実験的な音楽作品を多数発表しており、世界中の音楽家に多大な影響を与えた「実験音楽の父」とも呼ばれる存在です。そんなケージの作品の中でも、特に有名な「4分33秒」は1952年に発表されました。第1楽章から第3楽章まで、楽譜には「TACET(休止)」と記されており、4分33秒の間、演奏者は全く楽器を弾くことなく、じっとしています。まさか演奏をしない音楽があるだなんて、驚きですよね。

「4分33秒」をクリスマスチャートの1位にしようとするキャンペーンがあった

「4分33秒」が初めて演奏されたのは、1952年8月29日、アメリカのウッドストックのコンサートホールでのことでした。ピアニストのデイヴィッド・チューダーは曲のはじまりを鍵盤のふたを閉めることで知らせ、曲の終わりをふたを開けることに表しました。会場に集まったお客さんからは怒号が飛んだそうですが、「4分33秒」の曲中には、むしろそうした音すらも音楽である、という考えのもとに演奏されました。ジョン・ケージは「生きている人間にとって完全な無音は存在せず、人間が耳を澄ましたとき、自然に聞こえるもの全てが音楽になり得る」という哲学を表現しようとしていたのです。

「4分33秒」が冒頭の深夜バラエティ番組で放送、紹介されると、後日iTunesのクラシック国内チャートで「4分33秒」が急上昇しました。それにしても、コンサートに行って、目の前でピアニストが4分33秒じっとしているならまだ視覚的にも楽しめる可能性がありますし、観客が出音や空間ノイズをその瞬間だけの音楽と捉えればいいかもしれませんが、あくまでも「無音」の曲を購入し、ダウンロードしている人がいるというのも不思議な現象です。

また、2010年にはイギリスで、Facebookのチャリティキャンペーンとして、「4分33秒」をクリスマス・シーズンのチャート1位にしようとするキャンペーン「Cage Against The Machine」(ケージ・アゲインスト・ザ・マシーン)が行われました。このタイトルは、人気ロックバンド「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」のもじりです。これは、クリスマス商戦としてテレビ番組やレコード会社主導で音楽チャートが支配されている現状に対抗する目的で行われました。結果はUKチャートの21位に終わりましたが、無音の曲をチャート1位にしようというのは、現代の音楽シーンへの痛烈なメッセージとして話題となりました。

ジョン・ケージは、自分の神経系が働いている音を聞いた?

ジョン・ケージのように、人にどう思われようとも自分の哲学に基づいて「音楽」を表現しようというのは、素晴らしいことではないでしょうか。信念もなく無音の音楽を表現していると言い張っても、単なるヘリクツでしからありませんが、ジョン・ケージは無音の音を聴くためにハーバード大学の無響室(音の反射をほとんどなくし、室内での音の反響を小さく設計した部屋のこと)に入り、「自分の神経系が働いている音と血液が流れている音を聴いた」と語っていたそうです。このような考えを踏まえると、「4分33秒」の聞こえ方も変わってくるのではないでしょうか。

日ごろ、激しい曲調の音楽を聞いている人も、ぜひこの機会に、無音の状態に耳を澄ませて感性を研ぎ澄ませてみてはいかがでしょうか。音楽について学ぶ上でも、音楽の楽しみ方や、音楽の聞こえ方が変わるかもしれませんよ。

この記事のテーマ
芸術・表現・音楽」を解説

絵画や造形、声楽や楽器演奏、演劇や芝居、マンガやアニメーションなど、さまざまな芸術分野で、表現者としての感性や技術を磨きます。近年では、活躍の場を広く海外に求め、高い評価を受けている人たちも多くいるようです。作品の制作や演習などの実技はもちろんのこと、それを裏打ちするために専門分野の歴史や理論の授業も行われます。そのため、アーティストとして作品を発表する以外に、指導者や研究者としての道もあります。

「芸術・表現・音楽」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「音楽」
はこんな学問です

器楽、声楽、作曲、指揮など音楽についての深い専門知識と高い技能を身に付ける学問。専攻する分野ごとにコースや学科が分かれている場合が多く、理論を学びつつも実技を主体としたカリキュラムが中心となる。学校によって音楽理論と音楽史を専門に学べるコースもある。器楽であれば鍵盤楽器、弦楽器、管楽器、打楽器などから一つの楽器を選んで専門的に学び、声楽であればオペラ、独唱、合唱などを専攻して学ぶ。

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