中高生の憧れ! 雑誌やメディアで活躍するファッションスタイリストに聞く仕事内容とは

雑誌やメディアを裏で支えるファッションスタイリスト。モデルが着用する服を選んで着せ、作品として世の中に露出していく魅力的なお仕事ですが、詳しい内容はみなさんご存じでしょうか。今回はRanzukiをはじめ、さまざまな雑誌やメディアでスタイリングを担当する小髙さんに仕事内容ややりがいをお伺いしました。みんなが大好きなオシャレの時間をそのまま職業にしてしまえるお仕事。気になるスタイリストになるためのアドバイスもいただいたので、目指している高校生は必見です!
この記事をまとめると
- 小髙さんがスタイリストを目指したきっかけ
- 長い準備期間を経て1つの作品になる達成感
- スタイリストへの道は1つじゃない。いろんな現場を見ることが大事
スタイリストとしてデビューするには、まずアシスタントとして経験を積む
――まず初めに、スタイリストを目指したきっかけを教えてください。
高校時代からファッションは好きだったんですが、テレビでスタイリストっていう仕事があることを知り、やってみたいなと思ったのが最初のきっかけです。
人の服をスタイリングしてみたいという興味がそのころにすごく湧いてきました。高校出たらすぐにでもスタイリストになりたかったんですが、どうやってなるのかも分からず、卒業後は3~4年間ほど留学をしていました。アシスタントになったのが帰国後22歳のときなんですが、最初は40代の女性がターゲットの雑誌のスタイリストをしている方に縁あって弟子入りさせてもらいました。すごくすてきな方で、いろいろ現場でスタイリストについて学ばせてもらい、約4年間働いて26歳のときに独立しました。
――独立してから何年目になりますか?
約3年ですね。最初の1年は仕事が全然なくて、自分で営業をしつつアシスタントをしていた師匠が忙しいときなどに撮影のお手伝いをしていました。あとは、他のスタイリストの代理で現場に行ったりすることも多かったです。
――高校生のころはどんな学生でしたか?
通っていた学校がけっこう厳しかったので、長期の休みとかがない限り遊びに行ったりはしなかったですね。ファッションは好きだったので、そのころはPopteenやCawaiiなどの雑誌を見てファッションの勉強していました。
準備期間はたいへんだけど作品になったものを見てもらえるうれしさ
――スタイリストの仕事とはどのような内容ですか?
私は事務所とかに所属していないので、まずは自分で雑誌の編集部などに営業に行ってお仕事をもらうのが基本です。次に、依頼されたお仕事のテーマに沿って編集部やライターの方々と打ち合わせをして、どういう方向でスタイリングをするかを決めます。そこから、決めたテーマに合う服の店舗やブランドプレスに衣装リースを3日間ぐらいかけて行い、リースした衣装を編集部の方に見てもらいながらコーディネートを決めて撮影。というのが一連の流れですね。最後に返却作業もあるのですが、大体企画が決まって返却までは2週間ぐらいの期間で行います。
――スタイリストという仕事をしていてうれしいときを教えてください。
撮影するまでの準備ってすごく多くて、撮影中ももちろんなんですが、自分のコーディネートした服をモデルさんが着てすごくかわいい作品に仕上がったときは「頑張って良かった!」って純粋に思えますね。達成感はすごいです。あと、読者の方からかわいいって言ってもらえたり、雑誌の企画で「好きなコーディネートランキング」とかにランクインしているとすごくうれしいですね!
――逆に苦労することはありますか?
華やかな印象のスタイリストですが、体力勝負な部分もあるので、2日間寝ないでコーディネートを組み続けたりとか、そういったところはたいへんだなと思いますね。服は好きなので組むのは楽しいんですが、やっぱり何十体とやっていると行き詰まることも多いです。コーデを多く組みすぎて「あれ、これさっきも同じの見たような……」とかデジャブはありますね(笑)。
――最もやりがいを感じる瞬間はなんですか?
自分の担当したファッションページが雑誌になって、本屋さんに並んでいるところを見たときが一番やりがいを感じる瞬間ですね。本屋さんで雑誌を見ている女子中高生が、自分のページを読んでいたりするとさらにうれしくなります!
体力勝負な一面も? スタイリストへの道はさまざまなので自分に合った道を選ぼう!
――スタイリストとしての将来的な目標はありますか?
まだまだ模索中なんですが、将来的には雑誌だけじゃなくて幅広く仕事をしたいっていう目標はあります。今は中高生向けのレディース雑誌のスタイリングをメインでやっているんですが、広告だったりテレビ番組のスタイリングにもいずれ挑戦してみたいですね。あとは、原宿系ファッションが海外で広まっているように、自分の作った流行を海外に広められるようになりたいです! やりたいことはたくさんあるので、全部叶えられるように今は頑張っています!
――スタイリスト業界を目指す高校生が今のうちからしておいたほうがいいことはありますか?
スタイリストは必須の資格などがない職業なので、体力と忍耐力、どの職業でも必要になる礼儀やマナーをしっかり身につけておくといいと思います。苦労することでも言ったんですが、やっぱり体力勝負な部分がある仕事なので。あとは、トレンドに敏感になることが大事になってくるので、日本の雑誌はもちろん海外のスナップ雑誌なんかも見ておくとすごく勉強になりますね。街を歩いているだけでもファッションの情報ってたくさん入ってくるので、街行く人をしっかり見て観察力を養うことも大事です!
――スタイリストに向いている人とはどんな人でしょうか?
撮影現場でいろんな人とお会いすることが多いので、さまざまな場面で気を使えたりコミュニケーション能力に長けている人は向いていると思います。現場も急な撮影変更などがあるので、臨機応変に動ける対応力がある人もいいですね。
――スタイリスト業界を目指している高校生に、応援の一言とアドバイスをお願いします。
スタイリストって聞くと華やかな現場を想像する人も多いと思いますが、7割くらいはリースやコーデ組みの時間だったり、裏方の作業が多い仕事です。だけど、その分自分の組んだコーデが作品になった時はうれしいし、服に触れられる時間も多いので、ファッションが好きな人はぜひやってみてほしい仕事ですね。スタイリストへの第一歩として「アシスタント事務所」という派遣事務所があって、そこにアシスタントとして入るといろんな撮影現場を見れるのでオススメです。ファッションに限らず、フードコーディネーターだったりいろいろあるので。あとは、服飾専門学校の「スタイリスト学科」などもあるので、まずは学校でスタイリストについてしっかり勉強して、自分の就きたい仕事を見つけていくのも一つの手ですね。入り口はたくさんあるので、自分に合った道で頑張っていってほしいです!
Profile
小髙マキ(こだかまき)/スタイリスト
6月14日生、神奈川県出身。3年半のアシスタントを経て、2013年にフリーのスタイリストとして独立。ティーン誌を中心に活動。年代、ジャンルにとらわれず、いろいろなことに挑戦中。
この記事のテーマ
「ファッション」を解説
ファッションの専門知識や業界のビジネスノウハウ、感性やセンス、そして技術を駆使し、世の中に新たな流行を生み出すビジネスです。主に、素材づくりや縫製など「つくる仕事」と、PRや販売促進などファッションビジネスに関わる仕事に分かれます。この仕事をめざすには、作品の発表会や学外での職業実習などを通して職業人としての実践力を身につける他、資格取得をめざす場合もあります。
この記事で取り上げた
「スタイリスト」
はこんな仕事です
モデルやタレントが身に着ける衣装を選び、手配、コーディネートなどを行う。活躍の場は雑誌や広告のスチール撮影、テレビ番組やCMの制作など。テーマや訴求対象に沿ったアイテムを数多く集め、現場でアートディレクターやカメラマン、ヘアメイクと相談しながら演出スタイルをつくり上げる。実務としては事前の打ち合わせ、ブランドのプレス(広報担当)からのアイテムのリース(借り受け)・返却、商品情報の管理などがある。独立して働く人も多いが、事務所に所属して特定のタレント専属のスタイリストになる人もいる。
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