高齢化を食い止めろ! 長野県にある、子どもが集まる「奇跡の村」って?

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高齢化を食い止めろ! 長野県にある、子どもが集まる「奇跡の村」って?

2016.02.19

提供元:マイナビ進学編集部

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高齢化を食い止めろ! 長野県にある、子どもが集まる「奇跡の村」って?

長野県のとある村では、50代・60代が中心の人口構成から、出生率を向上させた「奇跡の村」があるといいます。一体どのような方法で「奇跡」が起きたのでしょうか?

この記事をまとめると

  • 少子高齢化対策は、国を挙げて取り組みが行われている
  • 村の活性化のための大胆な取り組みは、住民の意識改革につながった
  • 手厚い社会保障が、安心して子育てできる社会を可能にする

民間企業出身の村長による大胆な改革って?

安倍晋三首相が昨年に掲げた、「新3本の矢」というスローガンをみなさんはご存じでしょうか? 日本国民が将来豊かで安心して暮らせるための政策を、大きく3つに集約したものです。

その中の一つに、「夢をつむぐ子育て支援」というものがあります。具体的には2020年初頭までに出生率(人口1,000人あたりの年間の出生児数の割合)を1.8%にアップさせようという目標です。少子高齢化は今の日本が抱える大きな社会問題なのですが、独自のやり方で少子高齢化対策に切り込み、出生率をアップさせた村があるのです。

長野県下伊那郡下條村。県の南部に位置する山々に囲まれた人口わずか約4,000人ほどの村ですが、この村では村長をはじめとした自治体の努力により、出生率を2.03%(2014年度)にまでアップさせたのです。全国でもまれに見る高水準です。

1992年(平成4年)に就任した伊藤喜平村長は、少子高齢化対策として小さい子どもの子育てをしている家族の誘致を始めました。子育て世帯のための村営住宅の建設に着手し、相場よりもはるかに安い家賃で部屋が借りられるというメリットもあって、隣接する市町村からたくさんの世帯が下條村に引っ越してきました。

しかしこういった住宅の建設にも多額の費用がかかるのも事実です。そこで伊藤村長はムダを省く大胆なコスト削減に踏み切りました。その中で、最も大胆かつ斬新だったのが、本来建設業者が行う町の道路などの補修を住民に任せる「資材支給事業」をはじめたことです。「税金を払っているのに何で俺たちが?」という否定的な意見も多く寄せられたそうですが、将来を担う子どもたちのためと、次第に住民たちは理解を示していったそうです。

これはボランティアによる作業なので、当然人件費はゼロ(ただし修繕に必要な資材の購入は村が負担)。年間コストの削減に成功しました。伊藤村長はもともとガソリンスタンドなどを経営する実業家。こういった民間企業の出身らしいコスト意識と大胆な発想や手腕があったからこそ達成できた偉業なのです。

過疎化が進む日本の地方村

下條村だけでなく、日本全国にこういった少子高齢化に悩む地域はたくさんあります。数少ない若者は高校卒業と同時に都心の大学へ通うため村を離れ、また就職のために村を離れていきます。地元で就職しようにも産業が限られているため働き口が見つからないのです。

また、若者が町を去れば残されるのは高齢者たちです。体が自由に動くうちはいいですが、身の回りの世話が必要な年齢になれば誰かの助けが必要になります。社会保障費、医療費などもかさむようになり村の財政を圧迫します。北日本の豪雪地帯では、道路や屋根に積もった雪かきに多くの人手を要します。最近では有志の若者たちによる高齢者世帯での雪おろしボランティアも増えてきていますが、人手が見つからず高齢者自らが屋根に上った結果、足を滑らせケガをしたり亡くなったりという痛ましい事故も多発しています。

しかし、さまざまな事情が絡む地方自治においては、いろいろな問題が起きようとも、すぐに改善に取りかかることができない、動きを取ることができない場合もあります。解題解決や将来のビジョンをなかなか見出せず、「自分たちで、自分たちの村をどうしたいのか」といった具体的な動きにつながるまで時間がかかることもあるでしょう。

そんな中、伊藤村長が打ち出した村営住宅建設や資材支給事業は、財政や人材不足に悩む過疎地域の課題解決に大きなヒントを与える「奇跡の村」として、全国の市町村から高い注目を集めるようになりました。

子育て支援策の数は約30種類以上に

小さい子どものいる家族やこれから子どもが生まれる家族にとって下條村の政策は大きなメリットがあることが分かりました。しかしこれで終わりではありません。下條村では高校生までの医療費が全額免除されているのです。さらには保育料の引き下げ、学校給食費の補助など子育てに関わる支援策はその数およそ30にも及ぶのです。

いくら行政サービスが手厚いとはいえ、都心から遠く交通の便も悪い村で暮らすにことに抵抗のある人もいることでしょう。ところが村の政策は“暮らしやすさ”も考慮されているのです。

ご紹介した村営住宅には、入居条件として「村の消防団に加入する」「村の行事に参加する」といったことが盛り込まれています。これにより大人・子どもとも地域での横のつながりや友達づくりができるのです。また資材支給事業にしても、住民が協力し合って作業するため、仲間意識やコミュニティの輪がどんどん広がっていきます。こうして伊藤村長が掲げた“自分たちの村を自分たちの手でつくる”意識が住民たちへと伝わっていくのです。

景気、雇用、治安などいろいろな面で子どもを育てるのに不安を抱えているのが日本の現状です。国そして住んでいる市町村がどのような対策を打っているのか。今から「福祉学」の基本を学んでおけば、将来、出産・育児に直面したときに大きな手助けになるはずです。

この記事のテーマ
福祉・介護」を解説

大きな戦争の減少、食糧事情の向上、医療技術の発達などにより、おもに先進国では平均余命が伸びています。同時に、生きてはいるけれども健康ではないという、要介護状態の高齢者が増加し、医療費の伸びや介護保険費の膨張など、大きな問題が山積しています。福祉は、子どもから高齢者まで人間の発達段階に応じた社会支援の理想的なあり方を探求します。個人だけでは解決できない問題を、集団・組織として考える視点を学びます。

「福祉・介護」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「福祉学」
はこんな学問です

心身にハンディを背負っていても人として平等に安心して暮らせる社会にするために、公的な支援がどうあるべきかを研究する学問である。地域、年齢、心身の状態も一人ひとり異なる対象者に、どのようにすれば安定した福祉サービスを提供できるのかが重要なテーマ。そのための制度設計や現場の仕組みづくりなど、研究分野は多岐にわたる。福祉の対象者に限っても、児童福祉から高齢者福祉まで幅広い。

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