話題の新元素はもともと自然界になかった? 元素を新たにつくる理由って?

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話題の新元素はもともと自然界になかった? 元素を新たにつくる理由って?

2016.02.18

提供元:マイナビ進学編集部

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話題の新元素はもともと自然界になかった? 元素を新たにつくる理由って?

昨年末に日本に命名権が認められた新しい元素「ニホニウム」は、実はもともとは自然界には存在しない元素なのだとか。なぜそのような元素が生まれたのでしょうか?

この記事をまとめると

  • 元素には、自然界に存在するものと、人工でつくり出されるものがある
  • 発見や発明において、最初に名乗りを上げた「1番」以外は認められない
  • 子どもの理科離れが進んでいることを科学者たちは心配している

大みそかに世間を賑わせた大発見

理化学研究所が人工合成した「113番元素」が国際学術機関に認められ、2016年11月30日に「ニホニウム」と正式決定されました。この「新元素」の話題はみなさんの記憶に新しいことだと思います。

でも、「命名権が与えられた」ってどれだけすごいことなのか、どれほど重要なことなのかピンとこない人もいると思います。今回は元素について改めておさらいするとともに、科学者たちによる、科学の世界で繰り広げられる第一発見へ向けた競争や私たち一般の人々へ込めた思いをご紹介したいと思います。

この113番元素は、理化学研究所の森田浩介さんを中心とする研究グループ(以下、森田グループ)が人工合成に成功したもので、亜鉛(Zn)を加速器と呼ばれる装置に入れ、ビスマス(Bi)という元素と衝突させて合成した元素になります。

元素にはもともと自然界に存在する元素と、今回のように科学者たちによって人工合成の末に発見された元素があります。現在世界の科学者たちは、我先にと人工合成による新元素の発見を目指し、日々研究を続けているのです。

今回国際機関に認められたことにより、森田グループが発見した新元素「ニホニウム」は元素周期表にその名前が刻まれることになるのです! 理科の授業で暗号のように覚えた「スイヘイ、リーベ、ボクノフネ……」の続きが書き加えられるのです。

ナンバーワンになるための仁義なき争い?

実はこの113番元素については、2003年(平成15年)にロシアとアメリカによる合同研究チームが発見したと主張していました。しかしデータの信ぴょう性などあらゆる理由で命名権が認められず、理研も続く2004年、2005年と連続して申請したものの立証できるデータが少ないという理由で却下されていたのです。

新発見を目指し、世界の科学者たちがしのぎを削るのは決してめずらしいことではありません。もし第一発見者として認められれば、科学の世界で永遠にその名前が刻まれるのです。ここまで科学者たちを突き動かす一番のモチベーションは、やはり“名誉”のためなのでしょう。

また新発見により特許を取得できるというのも大きな理由です。発見した内容が、その後しばらくしてモノづくりなどに応用できる技術が確立された場合、特許を取得した第一発見者には多額のお金が舞い込むわけです。また特許によって得た利益を別の研究に費やすこともできるのです。

寿命わずか1,000分の2秒の113番元素

ただし、せっかくの新発見でも、その後の私たちの暮らしに役立つような応用ができるとはかぎりません。今回の113番元素も、合成後わずか1,000分の2秒で消滅してしまうことからその可能性はゼロと見られています。しかし未知の世界の探求は、今後続いていく科学技術と社会の発展のための基礎となり、やがて人類のために大きな足跡を残すでしょう。

記者会見で森田さんは、今回の発見について「これから科学を勉強しようという若い人が心の高まりを覚えるのではないか。理科嫌いが減れば、日本の国力にとっても意義は大きい」とコメントしています。日本の将来を心配しながらも、一人の科学者として次の世代へバトンをしっかり受け渡したいという熱い思いが感じられます。

こういったニュースをきっかけに、若い人たちが「化学」の面白さに魅せられて科学者への道を志してくれるのならば、日本の将来は、少しは明るいものになるでしょう。

この記事のテーマ
数学・物理・化学」を解説

私たちの生活基盤である自然界で生じるさまざまな事象や物質、それらが織りなす理論が研究対象です。宇宙や生物がどのようにして誕生し、どのような構造になっているのかという、究極的な知的探究心は人類ならでは。森羅万象の構造や性質、法則と変化を探求する物理や化学、その習得に必要な数学というように、これらの学問は互いに深く関連しています。未知の領域への研究を進めながら、さまざまな原理解明をしていく分野です。

「数学・物理・化学」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「化学」
はこんな学問です

身のまわりにある物質の原子・分子構造を解明して理解し、新しい物質をつくることにもつながる学問。無機化合物の構造を解明する「無機化学」、エネルギーなどの熱力学量の観点から物質を解明する「物理化学」、新たな化合物をつくる「応用化学」など、研究範囲は広い。クリーンエネルギーや医療への活用など、人の未来にとって大切な役割を担う学問といえる。化学製品や食品、薬などの製造業へ進む人が多いが、研究職を選ぶ人もいる。

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