お母さんとの買い物でも使える? 甘い果物の見分け方を農家の人に聞いてみた!

大好きな果物を買って食べてみたものの、「うわっ、すっぱ〜い! これ、熟れてないよ!」……、こんなふうに感じた経験はありませんか? 実は、甘い果物を見分けるのにはコツがあるんです。また、私たちが何気なく食べている果物ですが、工夫をしながら育てないと甘く実らないものも多いそうです。
そこで今回、47年間、果樹園を営んでいるベテラン農家さんに、甘い果物のとっておきの見分け方をお聞きしました!
この記事をまとめると
- 甘いりんごは「お尻が黄色い」、甘いぶどうは「粒の数が少ない・粉をふいている」
- たくさんの人と出会えるのが農業の魅力
- 農家の人々は、栽培や生産方法を工夫したり、改善したりしている
甘いりんごは○○を見れば分かる! 甘いぶどうは○○の数が違う!
インタビューをしたのは、北海道有珠郡で「くだもの農家 浜田園」を運営している浜田英彰さん(67歳)。育てている果物は、りんご、さくらんぼ、ぶどう、いちご、ももなど全12種類です。浜田さんは20歳のときから、果物づくり一筋。果物に関しての知識も豊富です。
まずは、甘い「りんご」の見分け方について聞いてみました。
浜田さん「甘いりんごというのは、熟しているか・熟していないかで判断できるんですよ。熟れているりんごを見分けるポイントは、“お尻(底の部分)”を見ることです。『尻が青い』という慣用句がありますよね。あれは、『未熟』という意味の言葉です。つまり、熟していないりんごはお尻が青いんです。
では、熟れたらどうなるかというと、お尻が黄色くなってきます。そうなれば食べごろですよ」
あの有名な言葉は、果物の熟れ具合と結びついているんですね! 次に、甘い「ぶどう」の見分け方を教えてもらいました。
浜田さん「ぶどうは、一つの房(ふさ)についている粒(つぶ)が少なくなるほど、甘くなるという特徴があります。1房に100粒ついているぶどうと、50粒ついているぶどうだったら、後者のほうが甘いことが多いはずです。ですので、スーパーで甘いぶどうが買いたいときは、粒の数が少ないものを選んでみてください。また、ぶどうは熟れると表面に粉をふきます。その点をチェックするのもいいですよ」
確かに、粒の少ない「巨峰」という品種は甘いです。でも、巨峰をはじめとして、ぶどうは放っておいても甘くなることはないのだとか。農家さんが糖度を高くするためにある作業を行っているのです。
たくさんの人と出会えるのが農業の魅力
一般のお客さんを対象とした「果物狩り」も行っている浜田さんの農園。洞爺湖、昭和新山といった観光名所から近いこともあり、毎年6月~11月の果物狩りシーズンにはたくさんの人でにぎわっています。来客した方に楽しんでもらうためにどんな工夫をされているのでしょうか。
浜田さん「お客さまには、甘くておいしい果物を食べてもらいたいので、『房落とし』(ぶどうの枝についた房をいくつか切り落とし、残った房の糖度を調節する作業)を行っています。あとは、1種類だけではなく、複数種の果物狩りを楽しんでもらえるように考えて木を植えています」
お客さんに満足してもらう果物づくりのために、日々努力をしている浜田さん。農業を続ける中で、苦労したこともたくさんあったそうです。それでも、約半世紀の間、がんばってきたのには理由がありました。
浜田さん「私は、農業を通した『人との出会い』に価値を感じているんです。果物狩りに来てくださったお客さまから『おいしかった』と感想の手紙をもらうときはうれしいですよ。お客さまと仲よくなって、住んでいるところに遊びに行ったこともあります。今までに行ったのは、九州、ハワイ、台湾などです。人とのつながりが広がったとき、農業をやっていてよかったと思いますね」
栽培や生産方法
私たちが何気なく食べている果物。しかし、その陰ではおいしいものを出荷するために、農家のみなさんがさまざまな努力しているということが分かりました。その栽培や生産方法の工夫・改善が、私たちの食卓にあがるおいしい果物につながっているのです。
農家の仕事に興味が湧いた人は、おいしい果物の栽培の仕方や、おいしく育つ理由を調べてみることで、より農業の仕事を身近に感じることができるかもしれませんよ。
この記事のテーマ
「動物・植物」を解説
ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。
この記事で取り上げた
「農業」
はこんな仕事です
米や野菜、果物などを生産するのが仕事。土作りに始まり、田植え、収穫までを一貫して行う。植え付けから収穫までの期間は作物によって異なるが、数カ月のものから数年かかるものまでさまざまだ。専業農家は以前に比べて減少し、兼業農家と呼ばれる農業以外の仕事でも収入を得るケースが増えている。育てた作物は地域の市場や農業協同組合に出荷する他、インターネットを活用した販売や、小売店と直接契約して作物を販売するなど、ビジネスとしては多様化してきている。