モンスターをおいしく食べる!? 斬新な発想のグルメ漫画が増えている!
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最近は、少年・青年向け漫画誌を中心に、グルメにまつわる漫画が多く注目されています。それぞれの漫画の特徴について解説します。
この記事をまとめると
- 最近のグルメ漫画には、かなり個性的なものが増えている
- ドラマ化され、実際にお店に行くファンを生んだ作品もある
- 日常の中にある当たり前のものについて、違う角度で見てみよう
最近のグルメ漫画は「一味」違う!?
若い人だけでなく、日本人ならみんなが好きな「漫画」。今や国内のみならず、世界でも日本から生まれた漫画が人気を集めているのはご存じかと思います。
そんな漫画の世界で今、ブームになっているのが「グルメ漫画」です。これまでも多くのグルメ漫画がヒットを飛ばしてきましたが、最近のグルメ漫画にはそれとは一味違う、斬新は発想から生まれた作品があるようです。
グルメ漫画の人気は昔から高く、『包丁人味平』や『ミスター味っ子』など、おいしそうな料理を紹介しながら子どもが大人の料理人と対決するような非現実的なエンターテインメント作品から、食を通してさまざまな問題提起を行うことで社会的な注目も集めた『美味しんぼ』などが有名です。こうしたグルメ漫画の系譜からすると、ちょっと王道を外れたグルメ漫画が今話題になっています。
ドラマ化され、実際にお店に足を運ぶファンを生んだ作品もある
従来のグルメ漫画だと、主人公は食いしん坊の男性、というイメージがありましたが、現在は女性が主人公になる作品もたくさんあります。例えば、普段は学校で大人しそうなのに食いしん坊の女子校生を描いた『もぐささん』や、いかに手抜きをしておいしい料理を食べるかに熱心に取り組む女性の姿を描き、ドラマ化もされた『花のズボラ飯』、無口でとっつきにくそうなのにラーメンのことになると人一倍執念を燃やす女子高生が主人公の『ラーメン大好き小泉さん』もドラマ化されて人気を集めました。
また、『いつかティファニーで朝食を』や『あさめしまえ』といった朝食にフォーカスをしたものや、一つの食ジャンルに特化した『ラーメン発見伝』や『そばもん』なども食欲と知識欲を刺激してヒットしています。
そんな中でも、『花のズボラ飯』の原作者としても知られている久住昌之さんの代表作『孤独のグルメ』は、1回の食事になみなみならぬこだわりを持つ主人公を描いた漫画のヒットをきっかけにテレビドラマとしても人気を集め、主人公が訪れた店に実際に足を運ぶ人もいるなど、多くのファンを生んでいます。2015年には久しぶりに漫画の最新巻が発売され、2016年元日には特別版のドラマも放送されるなど、その人気は衰えることがありません。
そんなグルメ漫画でも、一際尖っているのが『ダンジョン飯』です。「え? ダンジョンってあのドラクエとかに出てくる迷路とかの?」と思った人も多いと思いますが、そうです、RPGゲームに出てくるあのダンジョンです。『ダンジョン飯』は、ダンジョンに潜入した登場人物たちが、スライムやミミック、大サソリなど、倒した魔物を調理するという異色のグルメ漫画です。
一見、「出オチ」的なギャグ漫画にも思えますが、その調理の工程やモンスターごとの生態、「どうしたらおいしく調理できるか?」というディティールの細かさ、現実的な調理のアイデアとレシピ、ファンタジーの融合具体が絶妙。人気漫画となり「このマンガがすごい!2016」の「オトコ編」で見事1位を獲得しました。
日常の中にあるものをちょっとだけ違う視点で見てみよう
きっとみなさんも気に入るようなグルメ漫画がこの中にもあるのではないでしょうか? こうしたヒットグルメ漫画の共通しているのは、日常から切り離すことができない「食」を、今まで取り上げられていなかった切り口で描いているということです。
これまでごく当たり前で、注目されていなかった食への細かいこだわりを深く描くことで、新しい好奇心をそそりつつ、同時に共感を生み出すのが、ヒットの秘密なのではないでしょうか。漫画家にとって大切なのは、画をうまく描くことはもちろんですが、今までに読んだことがないような漫画のアイデアを思いつくことが大切です。漫画家を目指して頑張っている人は、普段の生活の中にあるものを少しだけ違う視点で見てみると、面白い作品のアイデアが浮かんでくるかもしれませんよ。
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「広告・出版・マスコミ」を解説
情報を収集・編集し、おもにマスメディアを通じて発信する業界です。放送や新聞は情報を伝達する仕組みの管理・運営も行います。権力を監視したり、社会の不正を明らかにしたりするジャーナリズムとしての機能を担ったり、エンターテインメントを広く提供したりするなど、メディアにより役割はさまざま。一般の人が触れられない情報に接し、社会への影響力も大きいため、高い倫理観が求められます。
この記事で取り上げた
「芸能・エンタテインメント」
はこんな業界です
テレビ・映画・演劇・音楽業界などで多種多様なパフォーマンスを提供し、娯楽を与える芸能・エンタテインメント。一般的にはメディアなど、表舞台で活躍する人たちを総称し、芸能人と呼ばれることが多いが、その裏方でそれらの人たちを支える大勢のスタッフも芸能・エンタテインメント業界の一員だ。また、コンピュータグラフィックス(CG)で描かれ、ネット上で活動するバーチャルアイドルなど、エンタテインメントは人とデジタルとの競合も見逃せない。