絵の具をばらまいちゃう!? 絵を描くときの動きもアートになるって知ってた?
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絵の具をぶちまけるなどして、絵を描くパフォーマンス自体がアートになることがあるのだとか。その一風変わったアートと、ある代表的な作家についてご紹介します。
この記事をまとめると
- 絵の具をぶちまけたりするパフォーマンス自体をアートとするものがある
- アクションペインティングの代表的な画家は、ジャクソン・ポロック
- ジャクソンは創作過程そのものをアートと考え、美術の歴史に影響を与えた
パフォーマンスもアートの一部? アクション・ペインティングって?
みなさんが美術の授業や街の美術館などで触れることがある「アート」。アートとは自由な表現を指すことが多く、さまざまな道具や方法を用いて、自由にものづくりを行えることが大きな魅力です。鉛筆や筆を使ってじっくりと描くものだけがアートというわけではありません。描いた人が表現したいことが絵に込められていれば、きっとそれは立派なアートになります。
さらには、絵を描くときのパフォーマンスもアートの一つとされています。絵の具をキャンバスにぶちまけたり、筆からしたたるインクで色をつけたりと、そのパフォーマンス自体をアートとしてしまう「アクション・ペインティング」というものがあることをご存じですか?
このアクション・ペインティング自体は最近誕生したものではなく、20世紀からあるもの。その代表的な画家と言われているのが、ジャクソン・ポロックという人物です。
ドリップ・ペインティングを生み出したジャクソン・ポロック
ジャクソン・ポロックは、1912年生まれのアメリカの画家です。彼の作品のつくり方は抽象表現主義と呼ばれて世界的に注目され、現代美術のはじまりともいわれています。
抽象表現主義とは、1940年代にニューヨークを中心に広まった美術の動向。イーゼルには収まらない巨大なキャンバスを使っている、画面上に中心がないオールオーバー(均一)な平面である、描くことこと自体をアートと考え、創作過程を重視しているなど特徴的な点がいくつもあります。
ジャクソンの作品は、一見するとただ絵の具をドバっとキャンバスに出しただけのようにも見えます。絵の具を垂らしたり、流したり、投げつけたりするドリップ・ペインティングという手法を使って作品を制作します。
ジャクソンがこの作品を作ったころは、ちょうどカメラや映画が発達し、大衆の注目を集めるようになっていた時代。それまで画家は、見たままの風景や人物をリアルに描こうとしていましたが、写真や映画でそれが表現できるとなってしまうと、「では、自分たちは何を描いたらいいのだ?」と悩むようになってしまいました。
ジャクソンのすごさはアートの概念を打ち破ったこと
こうした背景の中、ジャクソンは対象物やイメージを描くことをやめ、「描く」という行為そのものをアートにすることを考えます。その考え方は美術評論家に高く評価され、アートの中心をパリからニューヨークに移してしまうほどの功績を残す画家となっていきました。
今では、画家はもっと自由な表現を、自由に行えるようになりました。アートとして認められるものの幅も広くなってきています。しかし、ジャクソンが生きていた時代は、「画家といえばリアルな絵を描く人」と考えられていて、それを打ち破ったからこそ素晴らしい芸術家として語り継がれているんですね。
画家になるためには、美術系の大学や専門学校で絵画の基礎から学び、自分のスタイルを確立していくというのが一般的な方法。芸術家としての画家や商業的な画家など、進む道はさまざまですが、昔の画家たちが生み出してきた画法や技術を学ぶことで、オリジナリティを生み出せるようになってくるはずですよ。
この記事のテーマ
「デザイン・芸術・写真」を解説
デザインは、雑誌や広告など印刷物を制作する「グラフィックデザイン」、雑貨やパッケージなどの「プロダクトデザイン」、工芸や日用品などの「装飾デザイン」といった職業分野に分かれます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。
この記事で取り上げた
「アートディレクター」
はこんな仕事です
総監修的立場で、グラフィック広告のビジュアルに関する指示をスタッフに出すことが仕事。略称はART DIRECTORの頭文字を取ってAD。グラフィック広告とは、ポスターや中づり、新聞、雑誌、カタログなど、主に紙媒体を使ったコマーシャルのこと。アートディレクターは広告プランの企画段階から関わり、フォトグラファーやコピーライターなどとモデルの人選、写真やイラスト、キャッチコピーの方向性を固めて指揮を取る。いわば、デザインに関する決定権を持ってプロジェクトを牽引するリーダーだ。
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