初めての料理でも安心! 火が出ないコンロでお湯が速く湧くのはどうして?

台所にある、熱する調理器具といえば、ガスコンロ。その一方で、火を使わずに加熱ができる、ある器具も普及しています。火を使わずに加熱するとは、どういうことなのでしょうか。
この記事をまとめると
- “IH”とは、磁力で調理器具を温める仕組みのこと
- 料理初心者の人にもうれしいメリットがある
- 熱の力にまつわるさまざまな現象を解明するのが「物理学」や「熱力学」
初めての自炊、ガスと“IH”、どっちがおすすめ?
まだまだ寒い日が続きますが、暦ではもうすぐ春。入試シーズンまっさかりですね。
これを読んでいる人の中には、4月から一人暮らしがスタートするという人もいるかもしれません。一人暮らしといえば、欠かせないのが自炊。お金を節約するためにも、自炊は学生の味方です。今までほとんど料理をしてこなかったという人も、少しずつマスターしていきたいものですね。
ところで、料理をする調理台には、ガスコンロだけでなく“IH”という種類があると知っていましたか? これを知っておくと、いつか一人暮らしをしたいと考えている人にとっても、お部屋を探すときの参考になるかもしれません。今回は、IHの特徴について学んでみましょう。
IHで、ご飯もおいしく炊ける?
そもそもIHとは、何のことなのでしょうか。IHとは、“induction heating" 、誘導加熱という意味を持つ言葉です。どんなふうに加熱するのか、最近人気のIH炊飯器を例に説明したいと思います。
今までの炊飯器は、お釜の底にあるヒーターが電気の力で熱くなり、その熱で内釜を温めご飯を炊くという仕組みでした。それに対し、IH炊飯器は、コイルから発生する磁力で内釜全体が熱くなって、ご飯を炊くという仕組み。コイルとは、電気を通す金属の電線をぐるぐるに巻いたものです。全体が熱くなるIH炊飯器は熱が逃げにくく、ご飯もおいしく炊けるそうです。
台所でも、ガスコンロの代わりにIHを採用する家が増えており、それにはさまざまな理由があります。まずは安全面。火を使わないので、火事の心配が減ります。また、ガスコンロとは違い、平たい台なので、サッと拭くだけで掃除が済むため、掃除が苦手な人には大きなメリットですよね。
さらに、温度を自動調整できるため、高温でつくりたい炒め物や、揚げ物などをつくるときにも役立ちます。料理好きの人も、料理ビギナーの人にも、どちらにもうれしいのがIHの魅力です。
しかし、注意しておく点も。IHでは、全ての調理器具が使えるわけではありません。フライパンなどIH対応のものが必要です。もちろん、IHは製品により性能が異なるので、一人暮らしを考えている人は、事前にお部屋の台所を確認しておきたいですね。
暮らしにまつわる現象を解明するのが「物理学」
台所のIHのように、身の回りを観察すると、さまざまな物に“熱力”が応用されているのに気づきます。エアコン、冷蔵庫、車に飛行機。昔でいうと蒸気機関車も、熱によって発生させた蒸気のパワーで動かす、熱力の大発明でした。
熱の力に興味のある人は、「物理学」を学ぶ道へ進んでみるのはいかがでしょうか。自然界には不思議なことがたくさんありますよね。物理学では、熱にまつわるさまざまな現象や仕組みに対し、「熱力学」という学問を用いて研究・解明していこうというものです。物理学の力で、より快適な暮らしや、エコロジーな消費につながる発明を生み出すことできるはずです。IHのように、たくさんの家庭で使われるものを発明することができれば、もしかすると未来のノーベル化学賞をあなたが受賞、なんてこともあるかもしれませんよ。
この記事のテーマ
「数学・物理・化学」を解説
私たちの生活基盤である自然界で生じるさまざまな事象や物質、それらが織りなす理論が研究対象です。宇宙や生物がどのようにして誕生し、どのような構造になっているのかという、究極的な知的探究心は人類ならでは。森羅万象の構造や性質、法則と変化を探求する物理や化学、その習得に必要な数学というように、これらの学問は互いに深く関連しています。未知の領域への研究を進めながら、さまざまな原理解明をしていく分野です。
この記事で取り上げた
「物理学」
はこんな学問です
自然界の物質や現象を理論で裏付ける学問。理論を習得するだけでなく、たくさんの実験や演習が必要になる。「理論物理学」は数学や量子力学を用いてこれを解明する分野で、ほかに素粒子の性質などを研究する「素粒子物理学」、宇宙の構造などを調べる「宇宙物理学」など、世の中のあらゆる物質、現象が研究の対象になる。専門性の高い分野で、情報通信業界や製造業界などに進むケースが多いが、大学や研究機関で、研究職を選ぶ人もいる。
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