中国の広東省で土砂崩れ! 大きな災害はどうして起こったの?
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2015年12月20日、中国・広東省の深セン市で大規模な土砂崩れが起こりました。これは、山に積み重ねられた残土や廃棄物が原因の「人災」だといわれます。広東省の土砂崩れから、私たちは学べることがあるのではないでしょうか?
この記事をまとめると
- 中国・深セン市で大規模な土砂崩れが発生
- 土砂は、山に運び込まれた建設残土だった
- 災害が起こったとき、どのような行動が大切か
東京ドーム8個分を超える大規模な被害
2015年12月20日午前11時40分(日本時間午後0時40分)ごろ、中国・広東省の深セン市で大規模な土砂崩れが起こりました。
被害の規模は、東京ドーム8個分を超える約38万平方メートル。工業団地33棟の建物が倒壊しました。行方不明者は21日の時点で85人と発表されています。
現場では、災害発生から3日目の22日も、約3,000人の消防隊や警察官が救助活動にあたっています。約900人の方は倒壊前に避難して助かったようですが、行方不明になっている方の救助はなかなか進んでいないようです。
土砂崩れはどうして起こったの?
土砂崩れを起こした山は、山自体の斜面は崩れていませんでした。では、工業団地に流れた土砂は何だったのでしょうか?
災害の原因となった土砂は、山に運び込まれた建設残土でした。土砂崩れを起こしたのは、もともとは採石場だった山。その跡地が去年から残土置き場として使われていました。一日に何百台ものダンプが残土や廃棄物を運び込んでいたそうです。積み上げられた残土は、何と100メートル! しかも、複数業者による不法投棄だったといいます。
そのため、中国の国土資源省は、広東省の土砂崩れを「人災」と断定しました。
人災を防ぐために
人災とは、人間に原因があって引き起こされた災害です。自然災害が起こった後、人間によってその被害が拡大した場合も「人災」とされます。
広東省の土砂崩れのように、危険性を軽視したために起こる人災があります。一方で、災害発生時の私たちの行動が被害を大きくすることもあります。
大規模災害が発生した際、避難経路を間違うと多くの人たちが犠牲になります。そうならないように、現在、国や地方公共団体がハザードマップを作成しています。ハザードマップには、災害規模の予想や避難に関する情報などが記されています。
こうした取り組みに関心を持つことが人災防止につながります。万が一、災害が起こった場合に混乱を最小限に抑えるためにも必要なことといえます。私たちも日ごろから、自分たちの周りにある危険には注意していきたいところです。
日本は、自然災害の多い国です。広東省の土砂崩れから、私たちはたくさんのことを学べるはずです。
※画像は本文と関係ありません
◆参考
毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20151222/k00/00e/030/216000c
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H2U_R21C15A2EAF000/
この記事のテーマ
「地球・環境・エネルギー」を解説
私たちの暮らす地球では、火山噴火、地震、台風、干ばつなど、人類にとっては有害な現象がいまも続いています。こうした現象を研究・解明し、うまく折り合いをつけていくことが必要です。また、豊かな生活を求めるあまり、限りある地球資源を枯渇させてしまったり、自然環境を破壊してしまうことは、人類の絶滅を意味します。こうしたことを防ぐためには、技術系の学問だけではなく、政治や行政などに関する幅広い知識も必要な分野です。
この記事で取り上げた
「宇宙・地球学」
はこんな学問です
地球の構造から入り、太陽系の惑星、太陽、その先の宇宙へと広がる世界を研究する学問である。あらゆる観察技術を使い、地球誕生までさかのぼり、さらに宇宙の始まりと進化まで探る。研究する分野も広大であり、宇宙から降り注ぐさまざまな光線や電波をキャッチし、分析している。また、観測技術においても常に新しい技術を取り入れながら前進を続けている。
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