まるでエリマキトカゲ!? 犬や猫が首につける筒って、どんな意味があるの?
メイン
テーマ

首の周りに円錐状の筒を付けている犬や猫をよく見かけますが、あのアイテムどんな意味があるのでしょうか。その気になる効果や仕組みをご紹介します。
この記事をまとめると
- イヌやネコがつける「えりまき」のようなものはエリザベスカラーと呼ばれている
- ペットが、けがや手術の跡を舐めないようにつけられる
- 一方で、エリザベスカラーがペットのストレスになることもある
ペットがつけている筒のようなものの正体は?
最近、かわいい洋服を着た犬をよく見かけます。黄色のレインコートを来た柴犬や、セーターを来たチワワなど、かわいいワンちゃんが、おしゃれな洋服を着ている姿はたまりません。
また、みなさんもハロウィンのときには、仮装をしたネコちゃんやワンちゃんの写真をSNS上でたくさん見かけたかもしれません。ペットショップにもペット服のコーナーがあり、たくさんの洋服や装飾品が並んでいます。今や、ペットもおしゃれをする時代になってきているのかもしれません。
そんな中、ペットショップで、色や素材がさまざまな、円錐の形をした筒のようなものが売られているのを見たことはありませんか? これはどうやらペットの首元に巻くもののようです。もしかしたら、この大きな筒のようなものを首につけている犬や猫を見たことがあるかもしれませんね。その姿はまるで、エリマキトカゲか、宇宙人もとい宇宙犬のような見た目が印象的です。あの「えりまき」は飾りでつけられているのでしょうか?
「えりまき」の正体はペットの傷を早く治すために欠かせないアイテムだった
「えりまき」の正体はエリザベスカラーと呼ばれるペットの医療用品です。このエリザベスカラー、何のためにつけられるのかというと、ペットが、手術でできた傷や、皮膚病の炎症部分を、自分で舐めてしまうのを防ぐためです。手術の傷を舐めると治りが悪くなり、場合によっては傷口が開いてしまうこともあります。皮膚病の場合は皮膚炎を悪化させてしまいます。顔の部分をエリザベスカラーで覆うことで、舌が傷口に届かない仕組みになっています。このエリザベスカラーは、手術をしたペットや、皮膚病を持つペットが、傷を回復させるために、なくてはならないアイテムなのです。
ペットの怪我や皮膚炎を治すためにつけられるエリザベスカラーですが、一方で、ペットによっては、これをつけることがストレスになってしまうこともあるようです。
首に大きなエリザベスカラーを巻くと、頭のほとんどがエリザベスカラーに覆われてしまう形になり、視界が悪くなります。そのためワンちゃんやネコちゃんは不安になってしまうことがあります。また、単に、普段つけないものをつけられると身動きが取りづらいということで、エリザベスカラーを嫌うワンちゃんやネコちゃんも多いようです。このように使い方には注意が必要です。
ペットにやさしい新しい形のエリザベスカラーもたくさんある
一般的にはプラスチックでできているエリザベスカラー。形は上向きのラッパの口のような形をしています。ペットの視界を遮らないということで、透明のものが主流です。
しかし、最近では、ペットが動きやすいように柔らかい素材でつくられたものや、視界を遮らないように、形に工夫のあるエリザベスカラーがあります。
例えば、ナイロン素材の軽くて柔らかいエリザベスカラー。首に当たる部分にはクッション性があり、つけてもペットが苦しくない設計になっています。また、全体が柔らかい素材でつくられているため、机の足や壁にカラーがぶつかっても、痛い思いをすることもありません。
さらに、ラッパの口が下向きになるように付ける、逆さまの形のエリザベスカラーもあります。これなら頭が筒に覆われることで、ペットが、きゅうくつに感じることもなさそうですね。赤ちゃんのよだれかけのような形です。水色に白の水玉が爽やかで、ワンちゃんやネコちゃんの心も落ち着きそうですね。
また、ラッパ型ではなく、水平なドーナッツ型のエリザベスカラーもあります。これも視界が遮られることがなさそうですね。こちらは中綿入りの素材で、装着したまま、枕のようにも使うこともできます。ワンちゃんやネコちゃんもリラックスできそうですよね。こちらはポップな黄色です。
このように、ペットのストレスになりにくい工夫がされた商品がたくさん出ているので、その子にあったものを探してあげるとよいかもしれません。
ペットがエリザベスカラーをつけるのを嫌がるときは獣医さんに相談
みなさんのペットが、もし、病気にかかってしまい、エリザベスカラーが必要になったときは、エリザベスカラーの選び方に注意してみてください。保護者の方にも、ペットに合ったエリザベスカラーの選び方を教えてあげるといいかもしれません。また、ペットがエリザベスカラーをつけるのを嫌がるときは、無理につけさせず、獣医さんに相談しましょう。
動物病院によってはオリジナルのエリザベスカラーを扱っているところもあるようです。また、過去に診察を受けたペットの例や、今まで診察してきたペットの飼い主さんの話から、ペットにエリザベスカラーに慣れさせる方法を教えてくれたり、服やマフラーのようなものを着せるなどしてエリザベスカラーをつけずに傷を舐めさせない方法を教えてくれることもあります。
ペットの気持ちに寄り添い、ペットにストレスを与えない新しいエリザベスカラーを考えたり、ペットにエリザベスカラーに慣れさせる方法に興味を感じた人は、獣医さんに向いているかもしれませんね。
この記事のテーマ
「動物・植物」を解説
生き物を取り扱う仕事には、動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野や、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。また盲導犬や警察犬などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。この仕事をめざすには、動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、希望する職種に必要な技術修得が必要です。