日本最長は新潟県! 山のロープウエーはどうやって作る?
メイン
テーマ

この記事をまとめると
- 新潟県には、全長5,000m以上のロープウエーがある!
- ロープを張るために、最初は人が山の下から頂上まで細いロープを持って登る
- 難しい環境での建築作業を可能にしているのは「建築士」の人々
山の中にあるロープウエーの作り方とは?
山のふもとから高いところまで私たちを運んでくれるロープウエーは、一体どうやって作られるのでしょうか。日本最長のロープウエーを訪れた高校生のマサキくんは、ロープウエーの建設に関わったお兄さんに詳しい話を聞いてみることにしました。
まずは細いロープを人力で運んでいく?
マサキ「これが新潟県で有名な“ドラゴンドラ”か! すごいね、山の上のはるか向こうまで続いているよ!」
兄「ドラゴンドラは全長5481mのロープウエーで、日本最長なんだ。山の景色を上から楽しめるなんて最高だろ? だいたい25分くらいで終点に到着するんだよ」
マサキ「さすが、作っただけあって、兄貴はなんでも知ってるね! だけど、こんなロープウエーどうやって作ったんだ? 5キロ以上の長さのロープがかかっているわけでしょ? この山のなかに」
兄「そうなんだ。ロープといっても、俺たちの乗っているゴンドラを運ぶわけだから、頑丈じゃないと切れてしまう。だから、このロープは太くてすごく重いんだ。マサキ、どうやってロープをかけていくと思う?」
マサキ「どうするんだろう……。分からないよ」
兄「ハッハッハ! じゃあ、兄ちゃんが教えてやろう。ロープを張るやり方はいくつかあるけど、基本的にはシンプルな方法だよ。登山のように山に登って、人がロープを下から上まで引っ張っていくんだ。そして目的地にある滑車につないだら折り返して、また下までロープを引っ張って降りてくる。そうすればロープがふもとと山頂を一周するだろ」
マサキ「え、人が運んでるの? でもさっき言ったように、ロープは重くて、人が運ぶのはたいへんなんじゃない?」
兄「その通り。だから、最初は軽くて細いロープを使うんだよ。それを下から上まで運ぶんだ。もちろん、これはロープウエーに使えるロープじゃないから、今度はそのロープに少し太いロープをつないで、上まで持ち上げるんだよ」
マサキ「どうやって持ち上げるの? また人が行くわけじゃないでしょ?」
兄「うん、最初に運んだロープを滑車につないだだろ? そしたら今度は、滑車を使って、ロープを機械で上まで巻き上げていくんだ。細いロープを滑車で回すと、自然に太いロープが頂上まで移動していくから、重いロープでも運べるようになるんだ。まず細いロープをつなぐことで、太くて重いロープを頂上まで張れるようになるんだよ。その繰り返しで、どんどん太いロープを上に運んでいくんだ」
マサキ「そうか。そういう作業を通して、このロープウエーができているわけだね」
兄「そういうことだ。ロープウエーを作る仕事は、まさに自然との闘い。その中でいかに効率よく、そして安全なものを作れるかが勝負になる。建築士っていうのはいろいろな方法を考えながら、こういう作業工程や装置を作っているわけだよ」
マサキ「たいへんな仕事だけど、それによって喜んでくれる人は多いもんね」
兄「そうだよ。俺たちの乗っているドラゴンドラだって、今や地域の名物だ。これを目当てにくる旅行者もいるだろうしね。旅行者にどう楽しんでもらうか考えるのも重要で、観光という仕事にはそれらを企画する人たちもいるんだよ」
マサキ「ドラゴンドラのようなものを考える人と、それを作る人がいるから成り立つんだね。よく分かったよ」
兄「よし、それじゃあドラゴンドラからの景色を楽しもう!」
巨大な装置には、作る人たちの工夫が込められている
このように、ロープウエーの作り方にはいろいろな工夫がこめられていることが分かりました。通常では難しい環境における建築作業を実現する建築士は、人々の生活を便利にするだけでなく、旅行者にこれまでになかった新しい景色を提供するなど、魅力あふれる仕事だといえるでしょう。
この記事のテーマ
「建築・土木・インテリア」を解説
人が活動し、生活する環境を整備する仕事です。建築や土木に関する分野と、インテリアコーディネイトなどのデザインに関する分野などがあります。資格取得のために学ぶことは、建築やインテリアの設計やプランニング、CADの習得など。依頼主の要望を具体化できる幅広い知識とコミュニケーション能力も求められます。