環境にやさしいプラスチックをつくる 「植物」の力で創造する実用的な複合材料

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環境にやさしいプラスチックをつくる 「植物」の力で創造する実用的な複合材料

2021.03.01

提供:秋田県立大学

環境にやさしいプラスチックをつくる 「植物」の力で創造する実用的な複合材料

大量のゴミとして海に流れ出す海洋プラスチックの問題は深刻です。このまま海洋プラスチックが増え続ければ、2050年には海中の魚よりも多くなってしまうとも言われています。しかし、プラスチックは本来優れた性質を持っていて、私たちの暮らしに欠かせないもの。秋田県立大学システム科学技術学部機械工学科の境英一先生が所属する複合材料研究室にとって、プラスチックに関連した環境問題は避けられないテーマ。環境にやさしい「生分解性バイオマスプラスチック」と「植物」を一体化した複合材料を開発しています。

この記事をまとめると

  • プラスチックの環境問題を打破できる「複合材料」!
  • 目指すのは「海洋環境で分解する100%植物由来の工業製品」
  • 日常で使われる製品を世に送り出す

プラスチックは地球環境問題の「諸悪の根源」なのか!?

秋田県由利本荘市の浜辺「本荘マリーナ」に漂着するマイクロプラスチックの量や種類を研究室のメンバーで調査している様子。

秋田県由利本荘市の浜辺「本荘マリーナ」に漂着するマイクロプラスチックの量や種類を研究室のメンバーで調査している様子。

「プラスチックは“悪”!」。そういうイメージを持っている人、結構いるのではないでしょうか?最近、ニュースではプラスチックによる海洋汚染の問題がたびたび報道されています。ウミガメの鼻の穴からストローが出てきたり、海岸に打ち上げられて死んでいるクジラの胃からレジ袋などが大量に出てきたり…。「廃プラスチックが海洋生物などに恐ろしい影響を与えている」、そんな衝撃的な映像を見たことがあるという人はきっと少なくないでしょう。プラスチックの海洋流出量は年間で少なくとも約800万トンと言われており、北太平洋にはプラスチックごみで汚染された太平洋ごみベルトと呼ばれる海域(“プラスチックスープ”の海とも呼ばれている)が存在すると報告されています。エレン・マッカーサー財団は、世界経済フォーラムと共同で「2050年には海洋プラスチックの量が魚の量を上回る」という驚きの予測を発表しました。さらに心配されるのが、5mm以下の粒子となった「マイクロプラスチック」です。マイクロプラスチックは有毒な化学物質を吸着し、それを取り込んだプランクトンや魚類を通して人体に侵入することが懸念されており、多くのメディアなどが警告を発しています。そもそもプラスチックは石油からできており、大規模な気候変動や自然災害の頻発化でますます深刻になっている地球温暖化問題においても無視できない存在です。2050年までの脱炭素社会の実現には、その高度なリサイクルシステムの構築や代替素材などの開発が必要不可欠と言われています。今や、プラスチックは地球環境問題における「諸悪の根源」のような扱いを受けているといって過言ではないでしょう。

ちょっと待って!プラスチックの悪・即・斬!? 打開の切り札は「複合材料」!

二種以上の材料を一体化してできる「複合材料」を作製する様子。研究室学生の多大な協力が必要不可欠だったりする。

二種以上の材料を一体化してできる「複合材料」を作製する様子。研究室学生の多大な協力が必要不可欠だったりする。

でもちょっと待ってください!あなたの周りをよく見てください!あなたが今使っているPC、あるいはスマホやタブレットのボディは何でできていますか!?電化製品だけでなく、家を見渡せば、文房具や家庭・台所用品にも使われているし、外を見れば自動車部品や医療用品にだって使われています。なぜプラスチックはこんなに身の回りにあふれているのでしょう?それは、プラスチックが「軽い」「安い」「成形しやすい」などの優れた特徴を持っていて産業界でとても取り入れやすい素材だからです。自動車や航空機に使えば軽量化、住宅で使えば断熱材として、省エネルギーにだってつながります。「プラスチックを無くせば環境が良くなる」は、やや軽率だと思いませんか?
私たちは、プラスチックの優れた特徴を維持しながらも、地球環境に調和がとれる「バイオプラスチック」に着目してきました。バイオプラスチックとは、石油ではなく植物などの再生可能資源から合成された「バイオマスプラスチック」と、使用後に自然界に存在する微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物にまで分解される「生分解性プラスチック」の総称です。私たちは特に、上記の両者の性質を併せ持つ「生分解性バイオマスプラスチック」の利用拡大を目標に日々、研究に励んでいます。この新しいプラスチックは、性質として従来のものに及ばない点が多く、特に海洋でも分解してくれるものはまだわずかしかありません。私たちは、その不足している性質を補うための「複合材料」の開発に挑んでいます。「複合材料」は、二種以上の材料を混ぜて一つの材料にしたものであり、理想的には両者の中間の性質を示すものです。つまり、このプラスチックに足りない性質を、逆にその性質を持つ材料と一体化することで補ってやればいいのです。

目指すのは「海洋環境で分解する100%植物由来の工業製品」 日常で使われる製品を世に送り出す

開発した生分解性バイオマスプラスチック複合材料で作製した試作品。共同研究をしている企業の協力のもと、既存の実製品に応用させてもらった。

開発した生分解性バイオマスプラスチック複合材料で作製した試作品。共同研究をしている企業の協力のもと、既存の実製品に応用させてもらった。

生分解性バイオマスプラスチックの複合材料の相手材として、私たちが注目したのが「植物」です。特に、農業廃棄物となる稲わらなどの利用を検討しています。秋田県は、ご存じの通り米農業の盛んな地域。せっかくならその土地特有のものを利用できないかと考えました。稲わらを含む植物はセルロースと呼ばれる成分を持っており、それは鉄鋼に勝るほどの強靭さと土壌や海洋環境で分解しやすいという性質を兼ね揃えています。つまり、生分解性バイオマスプラスチックに足りない性質を持つ、まさに打ってつけの相手材なのです。しかもこれであれば、100%植物から作られた材料を実現できます。
しかし、植物とプラスチックは水と油、実はとても相性が悪いのです。植物とプラスチックをどう融合させていくか、それが私たちの課題です。
研究室ではこれまでに開発した複合材料で容器などを試作しました。将来的には、プラスチック製品の多くを占める容器包装材などの工業製品への応用を目指しています。製品として世の中に出せる未来が少しでも早く来るよう、学生たちと一緒に頑張っています。

【広告企画】提供 : 秋田県立大学

この記事のテーマ
工学・建築」を解説

工業技術や建築技術の発達は、私たちの生活を快適で安全なものに変えてきました。先人たちが生み出した知恵に新しい技術をプラスすることで、技術はいまも進歩し続けています。インフラの整備や災害に強い街作り、エネルギー効率の高い動力機械やロボット開発など、暮らしを豊かにする先端技術を学びます。

「工学・建築」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「機械工学」
はこんな学問です

生活と産業に使われる機械類の仕組みを研究し、新しい機械を創造するための学問。目的に適した原理を力学的に研究する「設計工学」のほか、機械の安全・安定性を研究する「計測・制御工学」、空気や水の中で働く力について研究する「流体力学」、材料加工をテーマに研究する「加工工学」「材料工学」など研究分野はさまざま。このほかにも「精密工学」「熱力学」など、機械工学といっても、その研究範囲は多岐にわたっている。

「機械工学」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「材料工学」
はこんな学問です

材料の性質や機能を解明することと、新しい材料をつくり出すことを目的とする学問。金属、ガラス、高分子、セラミックなどの材料について、医療用や半導体用、宇宙航空用、コンピュータ用などさまざまな用途のために、よりよい使い方を研究・開発する。また、先端材料と呼ばれる液晶や光ファイバーなどの「有機材料分野」と、次世代型の材料である「無機材料分野」も開発研究の対象。工学の基礎となることから、現代社会には欠かせない学問といえる。

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