消防隊員とレスキュー隊員、火事になったらやることが違うって本当?

消防隊員とレスキュー隊員には違いがあります。「消防隊員」と「レスキュー隊員」の仕事をご紹介します。
この記事をまとめると
- 消防隊員のうち、人命救助を専門に行うのが「レスキュー隊」
- 消防士の経験を積んだ後に選抜試験にチャレンジできる
- 体力・知力・技術、すべてにおいて高いレベルが必要
火災の現場じゃなくても人助けに活躍するレスキュー隊員
火事や台風など、一刻を争うシチュエーションで、まるでヒーローのように人助けをするレスキュー隊員。ニュースでオレンジ色のユニフォームに身をつつんだ隊員の姿を見て、その仕事ぶりに感動した人もいることでしょう。
「レスキュー隊」は、本来「特別救助隊」と呼ばれるもので、消防官のうち、人名救助を専門に行う部隊のことを指します。消防官と一緒に活動することはありますが、火災だけでなく、災害時や交通事故などでも活躍するのがレスキュー隊員なのです。
今も昔も、人気のある職業であるレスキュー隊員。しかし、憧れの仕事に就くには、やはり特別な試験があるようです。具体的にはどのような道順で目指せばよいのでしょうか。
体力だけでなくたくさんの資格や知識も必要
高校卒業、もしくは大学卒業後、消防官の試験に合格することが最初のステップです。消防官として経験を積んで、人命救助のための知識を身につけてから、レスキュー隊の選抜試験に挑戦することができます。自分の意思でレスキュー隊になりたいと試験を受ける人もいれば、消防隊からの辞令(所属する自治体からの命令)で試験を受けることもあります。
試験の内容は地域によってさまざま。特に東京は全国でも試験が厳しいことで知られ、合格は難関だといわれています。
レスキュー隊員は、どんな出動先でも対応できるように、さまざまな免許も取得します。水難事故で必要な「潜水士」の資格や、小型船舶の免許、工場など科学災害の現場で必要な「毒物劇物取扱責任者」「酸素欠乏危険作業責任者」の資格や、大きな岩や障害物を動かすクレーン車、大型車両の免許も必要です。
レスキュー隊になりたいからといって簡単になれるわけではありません。何年もかけて練習を積む人、厳しい選考をくぐり抜けて合格する人、努力あってこそ進むことができる道といえるでしょう。
何よりも人の命を助ける、という想いを大事に
では、どんな人がレスキュー隊に向いているのでしょうか。もちろん真っ先に大事にしたいのは、何とかして困っている人を助けたいという思いを持っていること。そして過酷な状況下で働くことが多いので体力も必要です。一人ではなく、チームで働くため仲間との協調性も求められることでしょう。さらに、隊員自身の身が危険にさらされることもあるため、どんなときでも冷静に考えることができる判断力も必要です。
「レスキュー隊」の仕事は景気に関わらず、常に必要とされる安定性の高い職業でもあるでしょう。島国で山も多く、地震大国とも言われ自然災害が起こりやすい日本では、高度な技術を持ったレスキュー隊員の存在はとても大きいといえます。
体力・知力・技術と、全てにおいて高いレベルが求められるレスキュー隊員。試験では、英数国などの一般教養のほか、推理力など知力も試されます。身体だけを鍛えるのではなく、在学中にしっかり勉強しておくこともレスキュー隊への道につながるのです。レスキュー隊を目指したい人は、新聞やテレビなどで、国内外の事故や災害に目を向けていくことも必要でしょう。
この記事のテーマ
「公務員・政治・法律」を解説
公務員は、国や地方自治体の行政に携わり、よりよい地域、町づくりを支える仕事です。政治に関しては政党の活動を支える政党職員、法律では弁護士や検察官などの仕事もあります。これらの仕事に就くには、公務員採用試験、司法試験など関連する資格を取得し、官公庁や行政機関の採用試験を通過することが必要です。
この記事で取り上げた
「レスキュー隊員」
はこんな仕事です
正式名称は特別救助隊。火災や自然災害、交通事故などに対応する、人命救助の専門部隊。消防官の中でも、とりわけ優れた技能と体力を持った者が選出され、特別な専門トレーニングを受けて配属される。全国の消防本部、消防署に配置され、地域によっては水難救助隊、山岳救助隊などもあり、まさしく人命救助のエキスパート。大規模災害時はもちろん、NBC(核兵器・生物兵器・化学兵器)やテロ発生時にも、高度な人命救助活動を行う。人の命を尊ぶ精神を持ち、体力のある人にこそふさわしい職種だといえる。
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