想像が現実に!?快適な社会を創る「ユビキタスコンピューティング」とは?

外出先から冷蔵庫の中身をチェックできる。スマートフォンひとつであらゆる施設に入場できる...そんな未来を、誰しも一度は想像したことがあるのではないでしょうか。それらを実現するのが「ユビキタスコンピューティング」。建物、電化製品、自動車、医療機器など生活環境のあらゆる場所に情報通信技術が埋め込まれ、それを意識せずに利用することで便利で快適な生活が送れる環境を意味します。ユビキタスコンピューティングがどんな未来を叶えるのか、学んでいきましょう。
この記事をまとめると
- スマートフォンや交通系ICカード、在庫管理に使われるRFIDなど、ユビキタスは既に私たちの日常に溶け込んでいます。
- ユビキタス社会は人々の生活をさらに豊かにし、超高齢社会である日本が抱える課題の解決を手助けすることも期待できます。
- 法政大学情報科学部 情報システム分野の「ユビキタスコンピューティング研究室」では、先進的な未来を創るユビキタス技術とアプリケーションの開発について学べます。
日常に溶け込み、生活を豊かにするユビキタスコンピューティング
普段私たちは、意識することなくユビキタスコンピューティングに触れています。例えば、スマートフォンでのネットショッピングやモバイルバンキングサービス。これらはスマートフォンひとつで買い物や振込ができる、ユビキタス技術の代表的な例です。乗車駅と降車駅が記録され、運賃を自動的に計算して引き落としてくれる交通系ICカードもそのひとつ。また、荷物や洋服のタグに電子タグを埋め込んで在庫管理等を行うRFIDや、電子タグがついた荷物の追跡ができることもユビキタス社会の一部と言えるでしょう。
このように特に意識することなくいつでもどこでも情報にアクセスできる環境がユビキタスコンピューティング。パソコンの得意不得意や、年齢に関係なく、誰もが手軽に使えることが理想的なユビキタス社会の姿です。
ユビキタス社会が叶える未来とは?
ユビキタス技術の特徴として、日常空間に散りばめられたセンサーから取得した情報を、人々の仕事や生活の質を向上させる知的アプリケーションに活用できる点が挙げられます。
例えば、農場に設置されたセンサーは天気や湿度などの情報を把握することで効率的な生産に役立ちます。スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスは、センサーと連動して利用者の状態や行動パターンを把握・分析することで、介護分野で役立つことが期待されています。
現在日本は、65歳以上の人口の割合が全人口の21%以上にのぼる超高齢社会でありながら、介護業界の人材不足という深刻な課題を抱えています。もし、被介護者がウェアラブルデバイスを装着することで、健康状態を考慮した食事・運動メニューが自動で提案されたり、行動パターンから疾患を見つけられる技術が開発されれば介護者の負担が減り、業務の激化を緩和できるというメリットも生まれます。
より良い社会の実現を目指して
時代をけん引するともいえるユビキタス技術を専門的に学べるのが、法政大学情報科学部情報システム分野の馬教授による「ユビキタスコンピューティング研究室」です。
ユビキタスコンピューティング研究室では、3つの側面からユビキタス技術とアプリケーションの研究を行っています。1つ目は、利用者自身とその周りの環境の情報取得に用いられるスマートフォンやウェアラブルデバイス、RFIDやセンサー、ロボットといったユビキタスコンピュータについて。2つ目はユビキタスコンピューティングやデバイス、これらを繋ぐユビキタスネットワークについて。そして3つ目は取得した情報の処理とユビキタスサービスを提供する知能アプリケーションについてです。
専門性が高く設備の充実した環境で、ユビキタス技術の研究だけでなく、より良い社会の実現のためにどのように技術を応用していくべきかについても幅広く学びます。
【広告企画】提供 : 法政大学
この記事のテーマ
「情報学・通信」を解説
情報通信産業には、通信業、放送業、情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の5分野があります。近年は各分野の垣根が取り払われつつありますが、なかでも注目されているのが、インターネットに代表されるコンピュータを介した情報通信工学でしょう。高度に情報化が進んだ現代において、安全保障や経済政策はもちろんのこと、日常生活に至るあらゆるシーンで必要とされる、活躍の場の広い学問です。
この記事で取り上げた
「情報工学」
はこんな学問です
情報工学の研究対象は、コンピュータ端末のハードとソフトに始まり、情報通信を数学的に考察する情報理論、さらにさまざまな通信技術、マルチメディア技術に及ぶ。研究する分野も幅広く、コンピュータを設計してコンピュータシステムを構築する「計算機工学」、情報システムの設計・プログラミング・データベースなどを扱う「ソフトウェア」、現実の問題をコンピュータと数学を用いて解決する「数理情報工学」などがある。