生徒のエピソードをもとに制作したキズナソング『あなたへ』 BLUE ENCOUNTインタビュー
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TOKYOFM/JFN全国38局ネットで放送されているラジオ番組『SCHOOL OF LOCK! 』の生徒(リスナー)から寄せられた“キズナエピソード”をもとに、BLUE ENCOUNTが作ったキズナソング『あなたへ』。2020年3月22日(日)に「SCHOOL OF LOCK! キズナ感謝祭 supported by 親子のワイモバ学割」の生配信で披露されました。BLUE ENCOUNTにとって「キズナ」とは、どのようなものなのか、また新曲に込めた思いを伺いました。
この記事をまとめると
- キズナエピソードで生徒に励まされ、高校時代を思い出した
- 新曲『あなたへ』は、キズナとは何なのかを考え抜いて制作
- 卒業は、キズナをつないでいく機会と捉えてほしい
生徒たちのエピソードで思い出した自身の高校時代の記憶
―― 『SCHOOL OF LOCK!』は、どのような番組と感じていますか?
田邊:こんなにもみんなが一つの番組というか、居場所を作ろうとしている番組はないと思っています。なかなか稀有な存在です。主人公は生徒のみんな。中高生の味方になっている、素晴らしい番組だと思います。
高村:今回、父親がいきなりいなくなったという生徒からのエピソードが寄せられました。僕が思っていたよりも、その子は落ち込みすぎていなくて、前を向いていました。人間って強いんだなと10歳以上下の生徒から教えてもらいました。ああいうエピソードを聞くと僕らも励みになりますね。
―― 自身の高校時代を思い出すことはありましたか?
田邊:約2カ月、キズナエピソードを募集してきましたが、送られてきたエピソードを見てみると、全部が「分かる! 分かる!」と思いました。記憶の片隅に追いやられていた高校時代を生徒たちの声によって「こんなこと、あったわ」と思い出させてもらいました。
江口:今回、弁当のエピソードがめっちゃ多かったんです。自分も親に弁当を作ってもらっていたので、当時のことを思い出しました。学生だった時は、学食で食べている人たちを若干うらやましく思ったこともあったんです。でも、卒業して、そして上京して、親の料理を食べられなくなると、実感することがめっちゃあって。「すげー分かる、分かる」と思いながら、エピソードを読んだり、生徒と話したりしていました。
辻村:ある生徒から、受験のときにお兄ちゃんに勉強を教えてほしいから頼ったというエピソードが届きました。そうやってお互いに寄り添うからこそキズナができた、何かをきっかけに家族が一致団結したという話を聞いて、僕もそういうことがあったし、怒られてから親と二人で泣いて逆にキズナが深まったことを思い出させてもらいました。
誰かと積み重ねてきた思い出をキズナソングに
―― キズナソング『あなたへ』にはどんな思いを込めましたか?
田邊:BLUE ENCOUNTは、テーマに対して答えを出しながら曲を作っていくバンドです。今回キズナソングを作るために「キズナ」について辞書で調べてみたんですが、もともとは「馬をつなぐ綱」という意味なんだそうです。「キズナ」と言われてイメージするものと違って、「キズナ」について本当に分からないまま、1回目・2回目の収録を終えました。分からないまま、自分が思った初期衝動をそのまま曲にしてみたんです。
弁当を作ってもらったエピソードや、友達と普通にLINEしているだけで楽しく感じたという生徒のエピソードから「キズナ」について見えてきた気がしました。結局「キズナ」というのは、「思い出」なのかなと。「キズナ」って言ったときにパッと浮かぶ誰か、そしてその人と積み重ねてきた「思い出」を「キズナ」と呼んでいて、今につながっているのかなと。それを曲にしようと思いました。
―― 演奏を通して、どのような思いを伝えたいですか?
江口:みんな、優しい顔でいようね(笑)。
高村:にっこりしてほしいというのは、大前提としてあります。例えば、涙が出たとしても、曲が終わったときに笑っていられるような、最終的にポジティブに前を向けるような気持ちになってもらいたいなと思います。この楽曲はそういう力を持っていると思います。
田邊:この曲は最後の最後まで歌詞がぎっしり詰まっているんですが、最後は聞いている人に委ねる形になっていて、完全に答えが出ていないんです。最終的に聞き手に委ねている曲です。だからこそ、楽な気持ちで聞いてほしいです。
いろいろあった今年の卒業だからこそ、今後もキズナをつないでいける
―― 卒業を迎えた生徒たちへのメッセージをお願いします。
辻村:今年はたぶん、「卒業おめでとう」って素直に喜べる人と喜べない人がいると思います。例年より、人それぞれの価値観が出てくるのではないかと。いろいろなことに対して賛否両論あると思うので、自分の力で本当にそれがいいのか悪いのか、判断するのが今後のためになると思います。それをしっかり覚えておいてもらいたいですね。
田邊:今年は卒業式に保護者が参加できないことも多いので、家に帰ったら、父ちゃん・母ちゃんに「こんな卒業式だったよ」ってしっかり伝えてほしいです。思春期ってなかなか親と話すのは難しいけど、何かきっかけがあれば話せると思うので。照れながらでも話してほしいなと思っています。僕はそれができなかった時期があって。高校を中退して、卒業式を父ちゃんと母ちゃんに見せられなかった。その頃から音楽をやっていて、周りにも反対されていたので、成人式も出てないんです。きっかけがあったら、もっといい話ができたかなと思うことがあります。
江口:この前ファミレスで、隣の高校生が「卒業式やれなかった」という話をしていたんです。その高校生たちは「卒業式ができなかったからこそ、この先、より集まるきっかけが作れるよな」って話していて、すごくいいなと思いました。自分が卒業式をやった後、会うきっかけがなかなかなかったので。卒業式がなかったとしても、学生のときのキズナをこれから先もつないでいけると、ポジティブに考えていってほしいと思います。
高村:僕、卒業して会わなくなった人が圧倒的に多いんです。自分としては卒業っていうタイミングで、「一旦終わったから次」って感覚でした。そこでキズナが途切れるじゃないけれど、自分で終わらせた感があったんですね。だから、卒業する人には、現在周りにいる人たちを見て、自分が今までどう過ごしてきたのかということを思い返して、自分が何を受け取ったかをしっかり記憶して、次に進んでほしいと思います。
「SCHOOL OF LOCK! キズナ感謝祭 supported by 親子のワイモバ学割」は、当初、幕張メッセで生徒を目の前にしてイベントが行われる予定でした。しかし、新型コロナウイルスに対する来場者や関係者の安全を考慮し、無観客の中動画配信が行われました。こうした状況の中、さまざまなことを前向きに捉えたBLUE ENCOUNTが披露したキズナソング『あなたへ』から、勇気をもらった人も多かったことでしょう。いつもとは違う状況だからこそ、周りの人たちとのキズナをさらにつなげていきたいものです。
【イベント・アーカイブ配信】
キズナ感謝祭の動画授業パートはLINE MUSICアプリで【3月31日まで】期間限定アーカイブ配信中!
https://music.line.me/top/
【番組情報】
SCHOOL OF LOCK!
TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネットで放送中
授業時間
月曜日~金曜日 22時~23時55分
https://www.tfm.co.jp/lock/