ビジネスで必ず役立つ創造的な考え方、「デザイン思考」とは?
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デザインソフトを扱うスキルさえあれば、誰もが写真やイラストなどの素材を利用して簡単に美しくデザインすることができる現代。デザインと聞くと芸術的なイメージを持つかもしれませんが、実は、これからのビジネスの世界にはデザイン的な思考がとても重要になると考えられています。では、どうすればそのような思考力が身につくのでしょうか。将来に生かせるデザイン思考力について考えてみましょう。
この記事をまとめると
- 今、ビジネスの世界でデザイン思考が求められている
- 思考のプロセスを重視している日本のデザイン教育
- デザイン思考は、社会のどんな場面でも応用できる
パソコンによる作業や美しい仕上りだけがデザインではない
私たちの身の回りには、たくさんのデザインがあふれています。競争の激しいグローバルなビジネスシーンにおいても、イノベーションには「デザイン思考」が欠かせないとして、多くの企業で導入が試みられてきました。しかし、その浸透はさほど進んでいません。デザイン思考という言葉の捉え方が実にさまざまで、人によって解釈が異なることが要因のようです。
「日本のデザイン教育では、パソコンでレイアウトする作業や美しい仕上りだけでなく、デザインの根幹となる思考のプロセスこそが重要であると考えられています」と語るのは、静岡産業大学の経営学部でデザイン教育のあり方を研究する小林克司先生。 “伝えたいメッセージを表現する”というデザイン本来の目的を果たすには、鋭い視点で対象を切り取り、斬新な発想や問題意識をテーマに掲げる必要があります。小林先生は、その過程に必要な考え方のプロセスがデザイン思考であると考えています。
韓国の大学生とデザインを通して交流する「海外デザイン研修」
小林先生が指導において重視しているのは、制作の過程で学生個人がデザインを通して伝えたいテーマをどのように見つけ、どのように掘り下げていくかというプロセス。なかでも、短期集中講義の「海外デザイン研修」は、日本のデザイン教育がいかに思考のプロセスを大切にしているかについて、学生が気づける機会となっています。
研修先は、2017年に協定校契約を結んだ韓国の慶南大学校。主な内容は、キャンパスを訪ねて共同制作に取り組んだり、作品を展示したりする共同作業です。同じデザインを学ぶ大学生でありながら、言葉も文化も違う外国の学生と交流する機会はとても貴重。交流を通じた学び合いによって、二国のデザイン教育の違いを実感することができます。特に、韓国の学生の作品は、すぐに市場に出せそうな美しい仕上りが特徴。しかし、すでにある枠からはみ出るような作品表現はあまり見られないというのが、小林先生の分析です。
経営学部で学ぶからこそ、社会で広く応用できる力に
一方で、小林先生の講義で取り組む課題は、既存のコミュニケーションツールをデザインするだけにとどまりません。たとえば、伝えたいメッセージをいくつかのビジュアルに分解して表現し、見る人が全体で一つの意味を感じることができるような実験的な作品づくりにも挑戦しています。なぜならば、ビジネスではパソコン等を使った作業はデザイナーなどの専門家に依頼することができますが、そのために必要なテーマ設定や切り口は、自分自身で見つけ出さなくてはならないからです。思考の段階で伝えたいテーマを明確にしていくデザイン思考のプロセスは、どんな地域のどんな産業界でも、企画や開発に取り組む際に必ず役立ちます。
このように、社会のあらゆる場面で応用がきくデザイン思考力を育むことを目指しているのが、経営学部のデザイン教育。作品づくりを通じて、物事に粘り強く取り組む力も伸ばす、静岡産業大学ならではの実学教育です。
【広告企画】提供 : 静岡産業大学
この記事のテーマ
「社会学・マスコミ・観光」を解説
あまり共通性のないように思われる3分野ですが、じつは密接な関係があります。観光業界にとってマスコミは「広報」そのものです。マスコミの存在なくして観光業界の発展はないでしょう。もともとマスコミは商品を情報化するために社会学を重視しています。社会が求めている漠然としたニーズを精査し、わかりやすいイメージとして変換して提供するのです。今後、観光業などにおけるマスコミの存在はますます大きくなるはずです。
この記事で取り上げた
「ビジネス学」
はこんな学問です
経営学、商学、経済学などの講座で開講されていたビジネスに関連する技術を身に付けることを目的とした科目や、関連する学際的な研究科目を集約したビジネス特化型の学問である。たとえば、経営に携わるために必要な科目を集めた起業家・経営者コースや、スペシャリストをめざす企業会計・税務コース、ビジネスリーダーをめざす組織マネジメントコースなどに分かれていることが多い。