市場環境の実態を知るフィールドワーク

熊本学園大学は、企業や自治体と連携して集客率を高める振興策の企画を行ったり、インターンシップで職業体験したりと、ユニークで実践的な教育で知られています。商学部商学科の吉川ゼミでは、阿蘇の黒川温泉でフィールドワークを行い、観光旅館共同組合の方へのインタビューや、実際に旅館に一泊する体験、周辺の視察などを通して、観光地としてのブランド化のための取り組みや季節ごとの集客戦略、阿蘇の魅力を伝える様々なイベント、インバウンド対策、黒川名物「入湯手形」のしくみなどについて学び、地域に貢献できる人材を育成しています。
この記事をまとめると
- フィールドワークで集客やブランド化のための取り組みを学ぶ
- 地域と連携した観光地としての発展に向けての取り組みを学ぶ
- すべての露天風呂を利用できる「入湯手形」について考察する
温泉街の集客やブランド化について学ぶ
企業のマーケティングや流通戦略を研究する吉川ゼミでは、温泉街の集客やブランド化を学ぶフィールドワークを実施。阿蘇郡南小国町の黒川温泉を訪れ、温泉街の旅館一帯で共栄を図る「黒川温泉一(いち)旅館」の考え方や、ブランド化のための取り組みについて、黒川温泉観光旅館共同組合の方から話を聞きます。また旅館に一泊し、近隣の視察も行います。
持続可能な観光地として発展するには?
季節ごとの集客戦略やインバウンド対策についてなど、学生たちは事前に組合側に質問を伝えておきます。地域と連携し、阿蘇の魅力を伝える様々なイベントの実施をはじめ、温泉地周辺の「食」を強化するフードハブ構想などの回答から、観光地としての今後の発展に向けての取り組みを学びます。
黒川温泉郷から学ぶ「まちづくり」
黒川温泉一旅館にあるすべての露天風呂を利用できる名物「入湯手形」。学生たちは、この手形の収支のしくみについて考察します。また、温泉街を実際に歩き、各スポットの歴史や特長などの案内を受けながら見学。阿蘇神社から広がる門前町商店街では、飲食店や文具店などを視察します。
【広告企画】提供 : 熊本学園大学
この記事のテーマ
「経済・経営・商学」を解説
そもそも「どうすればお互いにとって必要な物資が手に入れられるか」という極めて単純な動機から始まった商取引が、極めて高度に煩雑化してしまいました。だからといって、すでに引き返すことができないのは事実であり、現状を正確に把握して最適な選択をするのが私たちの役割でしょう。しかも、単純に取引価格だけですべてが決まる時代ではありません。国家間の争いや異常気象など、カバーしなければならない要素が目白押しです。
この記事で取り上げた
「経営学」
はこんな学問です
主に企業の経営管理について研究する学問。企業は、働く人、設備や機械、資金などで構成されているが、さらに人に役割を与えて配置した組織、資金をどういう配分で使うかという戦略、顧客ニーズをどうつかむかという情報なども重要である。また、企業活動を方向付ける経営理念の研究は欠かせない。それぞれの企業が設定した理念が、意思決定の基準となるからである。そして、株主や取引先、地域社会との関係をどう管理していくかも研究の対象となる。
この記事のテーマ
「社会学・マスコミ・観光」を解説
あまり共通性のないように思われる3分野ですが、じつは密接な関係があります。観光業界にとってマスコミは「広報」そのものです。マスコミの存在なくして観光業界の発展はないでしょう。もともとマスコミは商品を情報化するために社会学を重視しています。社会が求めている漠然としたニーズを精査し、わかりやすいイメージとして変換して提供するのです。今後、観光業などにおけるマスコミの存在はますます大きくなるはずです。
この記事で取り上げた
「地域社会」
はこんな学問です
国内外の都市部・農村部を問わず、地域社会の問題にアプローチし、実証的な調査・研究を行う学問。大きく分けると、2つに分けられる。一つは、地域行政のあり方を問い直し、地域住民・地元企業との連携を図って問題を解決する方法を探る地域行政学。もう一つは、グローバル化による急激な変化から地域の文化遺産を意識的に守り継承していく方法について研究する地域文化学である。2つは別々の学問ではなく、同じ問題意識を行政と文化という別の視点から考察している。
この記事で取り上げた
「観光学」
はこんな学問です
観光学とは旅行業の実務を学ぶだけではなく、観光を通して地域と観光客の交流を生み、地域の活性化にもつなげるための学問である。その目的を達成するために、新しい観光事業の開発プロジェクトを成功させる手法や、観光企業の経営ノウハウ、事業計画の作成方法を研究する。また、観光客として見てまわるだけの観光から、積極的に参加して体験できる観光へと旅行者のニーズは変化している。ニーズを先取りする商品開発も重要である。