地域や企業と深く関わり合う学びが、AIと共存する社会を生き抜く力を育てる

膨大なデータ処理と高度な学習能力をそなえた人工知能は、多くの人間が必要だった仕事を効率化させ、データに基づいた予測を提供し、私たちの暮らしをより豊かにしています。その一方、「人間の仕事を人工知能が奪うのでは?」という不安も広がっており、実際、現在の職業の約半数が人工知能によって代替されるという調査研究も発表されています。人工知能が発達する時代を生きていくために、私たちはどんな能力やスキルを身につければよいのでしょうか。その答えのヒントが、地域や企業に目を向けて学ぶところにあります。
この記事をまとめると
- 人工知能技術が著しく発展する今日。人間はその新技術を利用し、さまざまな視点をもって新たな課題に取り組み解決する能力によって生き抜くことができる
- 関東学院大学の経営学科ゼミは、「シウマイ」で有名な崎陽軒と共同して新商品づくりを実施。課題発見・解決能力を高める機会となった
- 関東学院大学では、学生と地域、企業が協力し合い、課題解決に取り組む社会連携教育を進めている
人工知能時代になっても、人間の課題解決能力は不可欠である
「人間の仕事が新しい技術によって奪われてしまう」という問題は、今に始まったことではありません。例えば、私たちが利用する自動車が開発される前は馬車が利用されていた時代がありました。つまり車の技術は、それまで馬を扱っていた人から仕事を奪ったともいえます。
しかし、車が開発されたからこそ、交通網が発達し、人の移動やモノの輸送の範囲が各段に広がり、新たな雇用も創出されました。つまり人間は長い歴史の中で、新たに開発された技術を生かすことで、新しい仕事が生まれ、社会を豊かにしてきたのです。
人工知能の発達した現代も、新技術に対する姿勢は同じです。例えば、情報通信の著しい発達にともない、私たちはスマホやパソコンで気軽にモノを買えるようになりました。モノを売る側にとっては、より高度な販売戦略が求められ、人間による課題発見・解決能力が必要です。その能力こそ、人工知能には代替できない、未来を生き抜くための大きな原動力なのです。
経営学部が地元食品メーカーとの新商品づくりを実現
関東学院大学が進める、学生の課題発見・解決能力を高めるための社会連携教育の一例を紹介しましょう。経営学科ゼミが横浜の企業に提案し、商品化を実現した『コラボ手みやげプロジェクト』です。
これは、「シウマイ」で有名な崎陽軒とエリア雑誌「横浜ウォーカー」との共同企画で、KADOKAWAが発行した崎陽軒創業110周年・シウマイ誕生90周年を記念した「崎陽軒ウォーカー」を機に、経営学科の3ゼミが商品企画案を作成。数々の書類選考とプレゼンテーションを経て、経営学科 真保ゼミの学生チーム企画が選ばれ、新しいお菓子「横濱の灯り」が約1年半をかけて生み出されました。
学生チームは若年層の女性をターゲットに設定し、具体的な商品企画を提案。崎陽軒から、若年層やミドル層にアプローチしたいという思いを叶えていることや、商品のテーマを「ガス灯」としたのも横浜の新名物にふさわしいなど、評価ポイントを複数得ることができました。
「社会連携教育」を通して、課題の発見と解決の能力を育てる
このゼミ活動のように、関東学院大学では企業人や自治体、地域の人々、また他学部の学生など、社会や地域、企業と連携し、多くの人と出会う機会を持ちながらチャレンジする教育「社会連携教育」を整えています。例えば、文系学部では地域振興や商品開発の取り組みを進めており、理工学部では企業との共同研究や受託研究を推進しています。この教育を通して、主体性をもって他者と協働する力、さらには国際的に貢献するための能力や資質を養うことができます。
また、11学部の専門性を活かした学部横断プロジェクトも盛んで、『横浜市朝食プロジェクト』では、管理栄養学科の学生がメニューを考案し、経済学科と共生デザイン学科の学生が協力し、校内にカフェをオープンしました。
大学で得た知識や技能を生かし、地域や社会に役立つ経験を重ねながら、さまざまな考え方や課題に気付く力、解決に導く力を、関東学院大学で身につけてみませんか?
【広告企画】提供 : 関東学院大学
この記事のテーマ
「経済・経営・商学」を解説
そもそも「どうすればお互いにとって必要な物資が手に入れられるか」という極めて単純な動機から始まった商取引が、極めて高度に煩雑化してしまいました。だからといって、すでに引き返すことができないのは事実であり、現状を正確に把握して最適な選択をするのが私たちの役割でしょう。しかも、単純に取引価格だけですべてが決まる時代ではありません。国家間の争いや異常気象など、カバーしなければならない要素が目白押しです。
この記事で取り上げた
「経済学」
はこんな学問です
人間の生活に必要なものを生産して流通させる経済活動を研究対象とし、その歴史や仕組み、法則性などを明らかにする学問である。まず、経済にはマクロとミクロの視点があり、マクロ経済学では国レベルでの景気動向や経済成長について研究し、ミクロ経済学では、個人消費や企業活動の分析が中心となる。また、市場経済に焦点を当てるマクロ・ミクロの経済学だけでは経済のすべてを学ぶことはできない。たとえば、環境や福祉といった公共性の強い分野を研究する環境経済学、公共経済学などの科目もある。
この記事で取り上げた
「経営学」
はこんな学問です
主に企業の経営管理について研究する学問。企業は、働く人、設備や機械、資金などで構成されているが、さらに人に役割を与えて配置した組織、資金をどういう配分で使うかという戦略、顧客ニーズをどうつかむかという情報なども重要である。また、企業活動を方向付ける経営理念の研究は欠かせない。それぞれの企業が設定した理念が、意思決定の基準となるからである。そして、株主や取引先、地域社会との関係をどう管理していくかも研究の対象となる。
この記事で取り上げた
「商学」
はこんな学問です
企業と消費者を結び付けるビジネスそのものを学ぶ学問。経済学が企業を取り巻く経済活動を研究し、経営学が企業内の経営管理を主な研究テーマとするのに比べて、商学は、商業という個別の企業と消費者の関係に注目する。たとえば、マーケティングでは、消費者との持続的な関係をいかに築くかがテーマとなり、ターゲットである消費者の特性に応じたアプローチが研究される。また、商取引に関わる分野としては、ほかに貿易、金融などが挙げられる。