子どもに熱があったら、保育園に預けられないの?

もし子どもに熱が出た場合、保育所はどのような対応になるのでしょうか。看病しながら保育を行う「病児保育」と合わせてご紹介します。
この記事をまとめると
- 一般の保育所は37.5℃以上の熱がある子どもは預かることができない
- 保育所に代わって病気の子どものお世話をしてくれるのが病児保育士
- 病児保育には施設型と訪問型がある
働くお母さんたちに立ちふさがる「37.5℃の壁」って?
一般の保育所では、子どもの体温が「ある温度」になると預かることができません。この体温とは何度か知っていますか?
正解は、微熱とされる37.5℃以上。
ただ、子どもが発熱していても急にお仕事を休めないお母さんだっていますよね。
そこで、代わりに子どもの面倒を見てくれるのが、病児保育士というお仕事の方です。
なぜ37.5℃以上の発熱で、子どもを預かれない保育所が多いのでしょうか? 一つめの理由は、他の子どもへの感染防止です。発熱の原因が、感染性の病気かもしれないからです。二つめは、リスクを避けるためです。病気で発熱している子どもは、体調が急変することがあります。保育所では、対応しきれないこともあり得るのです。
朝は熱もなく、元気に登園した子どもでも、保育所で熱が上がってしまうことがあります。やはり37.5℃を超えると、保育所からお母さんに、お迎えに来てほしいと連絡が来ます。たとえ重要な会議が控えていても、その日のうちに作成しなければいけない資料があっても、お母さんは急いでお迎えに行きます。近くにおじいちゃんやおばあちゃんのような、育児の協力者が住んでいる人はいいですが、夫婦二人や、シングルマザーとして、子育てにがんばっている人には、「37.5℃の壁」が大きな問題になるのです。
働くお母さんたちの強い味方が「病児保育士」
子どもの急な病気で困っている働くお母さんたちを助けてくれるのが、病児保育です。病児保育専門のシッターさんが、病気の子どものお世話をしてくれます。施設型と訪問型があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
施設型は、病児保育専門の施設のほかに、病院や保育園に併設されている施設もあります。利用料が安いというメリットがありますが、定員が少ないため、希望しても預けられないことがあります。訪問型は、自宅で病児保育士が看病してくれます。急な依頼でも受けてもらいやすく、中には同日朝でも、100%対応してくれるところもあります。デメリットは、料金が高めになる点です。お母さんたちは、両方とも利用できるように、準備や登録している人が多いようです。
病児保育や待機児童など、働くお母さんにとっての問題は山積み
みなさんの中には、働くお母さんを持つ人も多いことでしょう。お母さんが子育てと仕事を両立するために、苦労している姿を見たことがあるのでは? もちろん、お母さんが仕事を続けられるように、みなさんもいろいろと協力したり我慢したり、一緒にがんばってきたに違いありません。病児保育の問題だけでなく、保育所の待機児童や保育士不足の問題など、日本の働くお母さんたちを取り巻く環境は、必ずしも恵まれたものではありません。国や民間企業、そのほか多くの人々が、さまざまな子育て問題の解消に取り組んでいます。
保育士を目指している人はもちろん、将来、みなさんが子どもを産み、育てる立場になったとき、もっと育児しやすい世の中にできるように、保育の話題にも注目してみるのもいいかもしれませんね。
この記事のテーマ
「保育・こども」を解説
乳幼児から小学生までの子どもの生活を見守り、成長を促す仕事です。子どもの心身の発達や行動、保健・衛生、基本的な読み書きや情操教育、体操といった体力向上教育など、学ぶべき分野は多岐にわたります。保育士の資格取得者の職場は保育園だけでなく、企業内の保育施設などにも広がりつつあります。
この記事で取り上げた
「保育士」
はこんな仕事です
仕事などで保育ができない保護者に代わって、乳児から小学校就学前の子どもを預かる仕事。食事、排せつ、睡眠の世話や健康管理の他、遊びや集団生活を通して心身の成長を援助する。保育所や乳児院、児童養護施設に加え、企業内の保育所やベビーシッター業を行う企業でも、大きな役割を果たすなど就職先は多様化。子どもの数は減っているものの共働きの保護者が多くなったため、今後ますますニーズは高まっていくだろう。また、パート勤務など、勤務時間の調整ができる場合も多い。
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