クマさんも登場!? 人形劇で治療方法を説明する病院が増えている?
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子どもの患者に対して注射や治療法を分かりやすく説明するために、ある方法が取る病院が増えているそうです。その概要やメリットなどをご紹介します。
この記事をまとめると
- 子どもは治療を受けることはもちろん、病院に行くことすら恐いこともある
- その恐怖心を和らげてあげるために、人形や絵本を使って治療を説明することがある
- プレパレーションは、これからの小児医療でさらに注目されていくかもしれない
子どもにとって、病院は未知の怖い世界!
風邪をひいたりして病院に行ったとき、小児科の前を通ると子どもたちが「ぎゃー!」と泣きわめいていることってありますよね。大人になってしまえば「注射が怖い」とか「薬を飲むのはつらい」といくら思ったとしても泣きわめくことはないと思いますが、子どもにとっては全てが未知の世界。注射が痛いというのはもちろん、「何をされるか分からない」ということはとても恐いのです。
そこで、医師や看護師は子どもたちの「恐い」という気持ちをできるだけ和らげてあげられるように工夫しているそうです。そのうちの一つが、「プレパレーション」という方法。あまりなじみがない言葉だと思いますが、どういった方法なのでしょうか?
子どもに心の準備をさせてあげる「プレパレーション」
「プレパレーション」とは、日本語でいうと「心の準備」という意味です。子どもは自分の具合が悪いのは分かりますが、病院でどんなことをされるのか、なぜ痛い思いをしなければいけないのか、ということまでは分かりません。そこで、子どもにも分かりやすいよう、どうして検査をする必要があるのか、ということやこれから行う治療の内容を説明し、「これからやることは恐いことじゃないんだ」「病気を治すために必要なことなんだ」と思えるように、心の準備をさせてあげるのです。
プレパレーションの方法は、子どもの成長段階によって違います。まだ言葉を覚えたばかりの小さな子どもなら、人形やぬいぐるみを使ってプレパレーションを行います。クマさんの先生がうさぎさんの患者さんの病気を治してあげている様子を人形を使って説明してあげることで、「自分もがんばろう!」と思えるのだそうです。
また、言葉がある程度理解できる子どもには、絵本やDVDを使ってプレパレーションを行います。これから自分にどんなことが起こるのかを絵本やDVDで先に見ておくことで、子どもなりに病気と治療を理解することができます。プレパレーションを行っても注射が痛いことには変わりありませんが、しっかりした説明により、治療を受けることがトラウマになることは少なくなるはずです。
プレパレーションは治療を理解してもらう以外にも意味がある
プレパレーションは、ただ治療でやることを子どもたちに理解してもらうことだけが目的ではありません。「注射は痛いけど、こういう役割があって、病気を治すためには必要なこと」と治療の理由をきちんと説明することにより、それが終わった後の子どもたちは、「大変な治療を自分はがんばって乗り越えたんだ」という達成感を得ることができます。これが、子どもたちの自信につながっていくのだそうです。
最近の小児医療ではプレパレーションが特に注目されていて、導入している病院も増えてきています。今後、小児医療には欠かせないものになってくると思いますから、将来医師や看護師を目指している人は知っておくといいかもしれませんね。
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「サービス・インフラ」を解説
多くの人に便利、快適、感動などをもたらす業界です。人が何を望んでいるかというニーズを先取りし、サービスとして提供します。サービス業は「飲食、宿泊」「医療・福祉」「教育」「情報」や、それらを組み合わせた「複合サービス」があります。インフラはインフラストラクチャーの略で、電気やガスを供給する「エネルギー」、ヒトやモノを移動させる「交通・物流」など生活基盤を支える産業です。
この記事で取り上げた
「医療機関・調剤薬局・介護・福祉サービス」
はこんな業界です
医療業界は、病院や診療所だけでなく医薬品メーカー、医療機器・器具メーカーなど医療に関わる企業や団体全般を指す。また、一般医薬品や処方箋(せん)医薬品を扱う調剤薬局やドラッグストアも含む。介護・福祉業界では、加齢・病気・障がいなどにより日常生活を送ることが難しい人たちや、その家族に支援サービスを提供。これらの業界では、医師、看護師、MR(医薬情報担当者)、薬剤師、介護福祉士といった専門職に就く人が連携し、業務を行うことが多い。