聖徳太子から始まった? 日本の“助け合い”の歴史とは

皆が安心して暮らせる社会を作るには、困った人を助ける仕組みを作ることが大切です。現代の社会では「社会福祉」という形で実現されていますが、その始まりを皆さんはご存じでしょうか? 日本における社会福祉施設の元祖は、実は約1,400年前に聖徳太子が作った「悲田院(ひでんいん)」だともいわれています。社会福祉は時代を経ていくごとにその仕組みも発達してきました。現在の日本ではどのようになっているのでしょうか?
この記事をまとめると
- 日本で最初の社会福祉施設は、聖徳太子が作った「悲田院」ともいわれている
- 社会福祉制度を利用したい人をサポートするのが「ソーシャルワーカー」という仕事
- 星槎道都大学に設置されている社会福祉学部社会福祉学科のソーシャルワーク専攻では、地域に学びながら社会福祉のあり方や実践を学ぶことができ、ソーシャルワーカーを目指すための国家試験対策や就職サポートも充実している
約1,400年前の社会福祉施設ってどんなところだったの?
日本国憲法では、基本的人権として「健康で文化的な生活」が保障されています。しかし、実際には病気や障がい、生活環境の問題などで安心した生活ができない人がたくさんいます。社会福祉制度はそのような人々の生活を守るために不可欠なもの。特別養護老人ホームや児童養護施設といった施設は、そうした困難を抱える人たちの生活をサポートするためのものです。
日本で最初の社会福祉施設は、今から約1,400年前に聖徳太子が四天王寺に作った「悲田院」ともいわれており、施設では病人や孤児、身寄りのない老人が受け入れられました。この悲田院の設立には、唐から伝来した「弱者救済」の思想が影響しているという説もあります。
やがて時代が進み、人口が増え、文化が発展を見せる江戸時代になると、農村では村人同士が病気の人や身寄りのない老人などを自発的に助け合おうとするようになります。さらに明治時代になり近代化が進むと、政府主導での社会福祉制度が作られるようになりました。貧困状態にある人たちにお米代を支給するなどのこの制度は1874年から57年間続き、現代の生活保護制度など、社会福祉の基礎となりました。
生活の悩みを抱えている人々に寄り添うソーシャルワーカーという仕事
現代において具体的にどのような社会福祉制度があるか、皆さんはご存じでしょうか?
日本国憲法に基づき制定された社会福祉六法を考えてみると、貧困者や障がい者、高齢者、児童、ひとり親家庭への福祉施策があります。
例えば、定年などで仕事を退職した人がその後も生活できるように金銭を給付する「公的年金制度」もその一つです。その他にも、働きたい人が仕事を探すのをサポートする「公共職業安定所(ハローワーク)」、家庭環境などが原因で教育を受けられないなど、さまざまな困難を抱えた子どもたちを支援するための「児童相談所」などの運営もその例に挙げられます。
これらはすべて「健康で文化的な生活」を送るという、日本国憲法で定められた国民の権利を守るためにあります。しかし、実際にはそういった制度が活用できることを知らない人や、援助を受けたいけれど申請の仕方が分からないという人も少なくありません。
そうした生活の悩みを抱えている人々に寄り添って、適切な社会福祉制度を提案する職業が「ソーシャルワーカー」です。特に近年では少子高齢化が著しいこともあり、特別養護老人ホームなど介護・福祉の現場で活躍するソーシャルワーカーが多く必要とされています。
福祉環境を取り巻く様々な問題を学びながら、支えを必要とする人々を支援するソーシャルワーカーを養成します。
星槎道都大学の社会福祉学科では、障がい者をはじめ、あらゆる人々が幸福を追求できる社会を目指し、福祉援助の方法を実践的に学びます。星槎道都大学は学内の学びのみではなく、学生と教員が積極的に地域を活用しソーシャルワークを学んでいます。その一つとして、大学のサテライトでは、学生が認知症カフェという場を運営し、高齢者の実情などを把握するための場を運営したりしています。
また、社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格の取得に向けた対策はもちろん、社会を取り巻く様々な福祉の問題を学びながら、ソーシャルワーカーとして活躍する卒業生との交流により、現場の生の声にも多く触れることができます。卒業年の2月に国家試験を受験し、3月に合格し、福祉や医療の現場で専門職として社会生活を支える人材として、活躍しています。
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【広告企画】提供 : 星槎道都大学
この記事のテーマ
「福祉・介護」を解説
大きな戦争の減少、食糧事情の向上、医療技術の発達などにより、おもに先進国では平均余命が伸びています。同時に、生きてはいるけれども健康ではないという、要介護状態の高齢者が増加し、医療費の伸びや介護保険費の膨張など、大きな問題が山積しています。福祉は、子どもから高齢者まで人間の発達段階に応じた社会支援の理想的なあり方を探求します。個人だけでは解決できない問題を、集団・組織として考える視点を学びます。
この記事で取り上げた
「社会福祉」
はこんな学問です
社会的に手助けが必要とされるお年寄りや子ども、障がいを持つ人々への支援方法を身に付け、その仕組み、国が行う政策なども研究する学問。学校によって、支援の専門知識と技能を持った専門職を育てるための授業もある。めざすことのできる資格には、社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格などがある。
この記事で取り上げた
「福祉学」
はこんな学問です
心身にハンディを背負っていても安心して暮らせる社会にするために、公的な支援がどうあるべきかを研究する学問である。地域、年齢、心身の状態も一人ひとり異なる対象者に、どのようにすれば安定した福祉サービスを提供できるのかが重要なテーマ。そのための制度設計や現場の仕組みづくりなど、研究分野は多岐にわたる。福祉の対象者に限っても、児童福祉から高齢者福祉まで幅広い。