台風や地震の被災地でも大活躍…人命を第一に考える救急救命士が、社会でますます必要とされる時代に
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救急車に乗って現場に駆け付け、急病人やけが人を助ける救急救命士。みなさんは、その1秒を争う緊張の現場と仕事ぶりを見たことがありますか?最近放送されたドラマの中でも、人気の若手俳優が救急救命士を演じており、人の命を救う職業として身近に感じている人がいるかもしれません。著しい高齢化と自然災害が絶えない今日、救急救命士の数も年々増えており、活躍の場と仕事の範囲も広がってきています。
この記事をまとめると
- 救急救命士の資格を持つ消防職員が全国で3万人を超えている
- 救急救命士は医師や看護師の負担を軽減する役割も担う
- あらゆる現場を想定した実習が豊富な専門学校で救急救命士を目指そう
救急救命士の資格を持つ消防職員の数が増え続けている
日本のこれまでの救命救急体制は、家庭や学校、職場での急病人やけが人を救い、病院へとつなぐことが主な役割でした。
しかし近年、台風や地震による大きな自然災害が全国的に発生し、洪水や土砂崩れで命の危険にさらされた住民を救うというケースが増えています。加えて、高齢者の著しい増加や猛暑による熱中症患者、人口が減り続ける複数の自治体が連携した消防体制づくりなど、救急救命の状況が変わってきており、救急の現場が多様化してきています。
それにともない、救急救命士の資格を持つ消防職員は増え続け、2018年度には全国で3万743人、前年より1,368人も増えました。このうち2万6,581人が実際に救急救命士として活躍し、多くの人命を救っています*。いまや救急救命士の資格は、消防職員として活躍するためには欠かせない重要な資格といっても過言ではありません。
*平成30年度「消防白書」より
救急救命士は医師や看護師と協力し合って医療を行う大事な役割も担う
症状の重い病人やけが人を一刻も早く救うためには、適切な救命処置と医療的な行為が必要です。しかし、患者の身体への医療的な行為を救急救命士が独断で進めることは法律で禁止されています。
ただし、救急の現場から病院の医師と連絡を取り合い、許可を受けることで可能な医療的な行為があります。それを「特定行為」といい、現在、心肺機能が停止した患者への薬剤の輸液や医療器具を使った気道の確保など、5種類が法律で認められています。そのうちの2種類は、2015年に救急救命士が特定の講習を受けることによって認められるようになりました。
さらに2019年になり、厚生労働省は、救急救命士の活躍の場を従来の救急救命の現場と救急車内に限らず、病院の中へと広げる案をまとめました。この新しい提案は、医師や看護師の業務の負担を軽くすることも期待されています。
このように、救急救命士の医療的な行為や活躍の場が少しずつ広がり、より多くの人々の命を救えるようになってきています。同時に、医師や看護師など医療職との確かなコミュニケーション力がますます求められています。
医師や看護師との連携をしっかり学べる救急救命士を目指そう
多様化する救急救命の現場に対応できる救急救命士になるためには、国家資格を取るための勉強だけではなく、どのような現場でも活躍できるようになるための実践的な学びが不可欠です。
湘南医療福祉専門学校の救急救命科では、救急救命士に必要な専門的な技術を豊富な実習を通して、基礎から着実に学ぶことができます。
校内で実施する「シミュレーション実習」では、救急処置の専門知識と技術を一から学び、救急救命の現場を想定した場面で実践します。入浴中などの家庭内の事故や乗用車による交通事故など、普段の生活において多く発生するであろう現場を中心に実習を行います。
3年次には、病院での「臨床実習」が6週間にわたって行われ、救急搬送された患者への処置やその家族と実際に接し、救命士としての自覚と責任感を高め、医師や看護師とのコミュニケーションも学ぶことができます。地域の消防本部で実施する救急車への「同乗実習」もあり、急病人やけが人に対応する現場の経験に加え、消防署の組織や消防官の仕事を実際に体験することができ、就職後の自分の働き方をイメージすることができます。
3年間で確かな専門性と実践力を身につけた卒業生たちは、現在、消防(救急隊)や、病院などの医療機関の救急救命士として活躍しています。
【広告企画】提供 : 湘南医療福祉専門学校
この記事のテーマ
「医療・歯科・看護・リハビリ」を解説
医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。
この記事で取り上げた
「救急救命士」
はこんな仕事です
救急救命士は、救急車の中で、命に危険がある人の緊急処置をする仕事である。働くには、各自治体の消防署に所属する必要がある。救急車内での医療行為は、電話などで医師の指示を受けながら、器具を用いた気道確保、薬剤投与、電気器具による心臓の拍動を正常に戻す処置などさまざま。病院に到着したら、患者を引き渡して医師に応急処置の内容などを報告する。普段は各自治体の消防署の救急隊員として働き、緊急の場合に救急救命士として出動する。勤務時間は不規則だが、人の命を預かる責任ある仕事である。