プロペラがないのに、電気をつくれる風力発電機があるってホント?
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一風変わった見た目の風力発電機がスペインで開発されました。その特徴や仕組みをご紹介します。
この記事をまとめると
- スペインでは、新しい形の風力発電機が開発されて注目されている
- プロペラがないことで鳥にも安全、コストも約半分で済むといわれている
- 電気系研究・技術者は、生活に欠かせない電気の供給について研究する重要な仕事
スペインでは、新たな風力発電機が登場している?
近年、日本では「エネルギー」が注目を集めるようになりました。エネルギーを得ること、つまり、電力をどのように得るのかはとても大きな懸念事項として議論されています。
クリーンエネルギーの一つして、風力発電がありますが、日本では台風が多く、また風力発電施設をつくる平地を確保するのが難しいことなどあり、日本では欧米に比べて普及はしていません。ところが、スペインではプロペラがない風力発電機が開発されているというのです。一体どのようなものなのでしょうか?
風力発電といえば、すぐに思い浮かぶのが巨大な扇風機のような白いプロペラです。そんなイメージを一新するのが、スペインのヴォルテックス・ブレードレス社が開発した新しい風力発電機「プロペラのない風力発電機」です。
一見するとプロペラがなく、ただの巨大な棒のようにしか見えないこの発電機ですが、その仕組みは空気中に発生した渦の力により巨大な棒が揺れて、タービン(風をエネルギーとして動力に変換する原動機)を回すことで、電力を生み出すというものです。
鳥が激突することもなく、コストも約半分に!
この風力発電機は、
3枚羽根式のプロペラがあるタイプのものと比べると、約40%もコストを削減することができ、プロペラを回すことで発生する騒音も少ないのが特長です。また、これまでの風力発電機では、プロペラに鳥が激突して落下する事故も起こりましたが、そうしたことも起こりませんから、周囲を飛んでいる鳥たちにとっても優しい設計になっているといえるでしょう。
さらに、家庭の屋根に取り付けることができる高さ3メートル未満の小さいサイズの開発も進めているとのことで、それが実現すれば家庭への電力供給がこれまでと全く違うものになるかもしれません。これらは現在のところ、まだ実験段階ということで、電力供給を実現するまでには課題が残っているようですが、今後は2018年をめどに運用を開始できるように研究を続けていくそうです。果たして風力発電の新しいスタンダードになれるのかどうか、未来のクリーンエネルギーとしてより一層注目されます。
電力を得るための研究を行う電気系研究・技術者
電気は人間の生活にとって、なくてはならないものです。風力発電をはじめとした、電気の供給に関わる職業として、電気系研究・技術者という仕事があります。電気系研究・技術者は、電気供給のシステム構築の研究・開発などを行います。
スペインの「プロペラのない風力発電機」など、世界には電気を起こすためのさまざまな研究や開発が行われています。世界中の人々が快適に生活するためになくてはならない電気について、よりよい生み出し方や供給の仕組みに興味がある人は、電気系研究・技術者という仕事についてより深く調べてみてはいかがでしょうか。
この記事のテーマ
「機械・電気・化学」を解説
製品を効率よく大量に生産する機械の製造・操作・保守に関わったり、電気、石油やガスなどのエネルギーを安定かつ安全に供給する設備を運営・管理したりするための知識や技術を身につけます。機械や電気、化学物質を取り扱う資格取得を目指すカリキュラムが中心。危険物を扱うことも多いため、仕事への注意力や慎重さも身につける必要があります。
この記事で取り上げた
「電子・電気系研究・技術者」
はこんな仕事です
日常生活をより便利にする電子機器・電気製品は、電気が供給されなければ稼働できないものが多数ある。そんな電子・電気機器を企業や一般家庭などに分配し、供給するシステムを構築するのがこの仕事。研究を続けながら新製品の開発も行う。品質の高さはもちろんのこと、耐久性やエコなど、時代のニーズに合った製品を次々と開発していかなければならない。電子・電機メーカーに所属することが多いが、大学や公的機関で研究をする人もいる。
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