授業を受けたら目標が見えてくる!? 多様な人生を歩む先輩と話せる「カタリ場」とは
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高校生になると、将来について考える機会も増えてくるもの。しかし「将来やりたいことが分からない」と感じている人も少なくないかもしれません。そんな高校生に向けて、進路意欲を高めることを目的とした「カタリ場」という授業プログラムがあります。カタリ場は2001年の設立から累計で、約1,000校で実施。これまでに約18万人の生徒に授業を行ってきました。カタリ場の運営を行うNPO法人カタリバの横山和毅さんに授業の内容を伺いました。
この記事をまとめると
- 「カタリ場」は高校生が進路を考えるきっかけを与えるために行われる授業
- 「授業をする学生・社会人のスタッフにとってもいい経験になる」とも
- 対話の時間を作ることを大切にしているプログラム
授業では人生の経験談を聞く「先輩の話」や座談会を行う
――カタリ場の授業内容を教えてください。
カタリ場では進路やキャリアを考えることを狙いとした課外授業を行っています。授業は大学生や専門学校生、社会人を中心としたボランティアスタッフが担当。複数の生徒に対して1人のスタッフが付き、紙芝居形式で行うプレゼンテーション、「先輩の話」や座談会を行います。年の近い先輩たちの話を聞くことや、自分の進路やキャリアについてスタッフとの対話を通して考えてもらいます。
――スタッフの方は「先輩の話」でどのような話をするのですか?
それは一人ひとり違いますね。学生生活で打ち込んでいることを話す人もいれば、「高校生には自分と同じ思いをしてほしくない!」と自分の失敗談やコンプレックスを打ち明ける人もいます。「自分の経験を伝えることが何かのきっかけになれば」という気持ちで、それぞれが思い思いに自分の考えを高校生に伝えています。
大学生のスタッフにとってもかけがえのない経験になる
――これまで多くの学校でカタリ場の授業を行ってきているそうですが、学校ごとに違いはあるのでしょうか?
卒業生の進路も学校によって大きく違いますし、地域によっても雰囲気は変わってきますね。基本的には「ここの生徒は大学に進学する人が多いから受験の話をするようにしよう」など、学校ごとにプログラムを決めています。
――ボランティアになるスタッフはどんな人が多いのでしょうか。
教員志望の大学生ももちろん多いですが、中にはSNSで見て「やってみたい」と応募してきたという人も。最近では、「高校生のときにカタリ場の授業を受けて、自分もやってみたいと思った」という人も増えてきているのはうれしいですね。
対話の時間を作ることが大切
――授業を受けた高校生には、どのような気づきを得て欲しいですか?
カタリ場で大切にしていることは「対話の時間を作ること」です。短い時間ですが、スタッフも本気で高校生とぶつかって話します。真剣に語り合うことで今まで見えてこなかった自分の目標が見えてきて、明日からの行動が少しずつ変わってくれたらうれしいです。
カタリ場の授業は、学校から依頼を受けて行っているそう。進路に関してはなかなか自分で考えているだけでは分からないことも多いですよね。「誰かに相談したい」とモヤモヤしている人は一度外部の学習プログラムを受けてみるといいかもしれませんね。