世界には、住民のほとんどが風邪をひかない村があるらしい?
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ロシアには、世界一寒い村といわれている、とある村があります。住民が感染症にかかることもほとんどないという、その極寒の地の様子をご紹介します。
この記事をまとめると
- ロシアのオイミャコン村は、世界で一番寒い村といわれている
- 細菌やウイルスが生きることができないほど寒い
- 生活環境と人間の関係性について学ぶのが「環境学」
日本は暑くて寒い、特殊な地形!
突然ですが、みなさんは夏と冬、どちらのほうが好きですか? 夏派としては、やはり長い夏休みがありますし、花火や海にも行けるという魅力があります。冬派であれば、ウィンタースポーツが好きという人がいるでしょうし、コートやニット、帽子などファッションが楽しめる季節でもありますよね。
日本の地形は縦に長いので、世界にも珍しい特徴があります。それは1年の間に大きく気候が変わるということ。夏はジメジメした蒸し暑さ。逆に、冬は厳しい寒さがやってきます。今年の冬も、まだまだこれからが本番ですから、温かい格好で防寒対策をしっかりしてくださいね。
さて、“冬派”の人にぜひ知ってもらいたいのが、「世界で一番寒い村」として有名な、ロシアにある「オイミャコン村」です。一体どれくらい寒いのでしょうか。詳しくご紹介していきます。
世界で一番寒い村、オイミャコン村は、なんとマイナス50℃
オイミャコン村はロシアのサハ共和国、北東に存在します。ここでは、1年の半分以上が冬。例えば、1月の平均気温は、なんと、マイナス50℃まで下がるのだそうです。過去には、マイナス71.2℃という世界記録も出ているほど……。想像するだけで鳥肌がでてきそうですよね。本当に人が住んでいるのかと疑ってしまいますが、実際に800人ほどの住民がこの村で生活を送っているそうです。
マイナス50℃と言葉では理解できても、イメージがなかなか湧かないと思います。例えば、ビニールやプラスチックは外に出たとたんに凍って割れてしまいます。水もすぐに凍るため、家に水道はなく、業者が各家庭に給水車で配布します。ほとんどの人が暖かい毛皮のコートとブーツを身にまとい、できるだけ肌をさらさぬように歩いています。
1年のほとんどを大雪の中で過ごすオイミャコン村の人々は、何を食べているのでしょうか。主な食事は魚、馬、乳製品で、野菜が採れないので、夏の間に収穫した野いちごを食べているそうです。有名な料理は「ストロガニナ」といって、凍らせた魚をスライスしたものに、塩こしょうをかけていただきます。お刺身好きな日本人には、もしかすると親近感が湧くメニューかもしれませんね。
オイミャコン村の長寿の秘訣は「寒過ぎる」こと!?
そんな寒い土地に暮らすなんて過酷すぎて、いつか村そのものが絶えてしまうのではないかと思いませんか?
しかし、調べてみたところ、その反対の現象が起きています。オイミャコン村は長寿の村としても有名なのだといいます。なぜならば、細菌やウイルスが生きられないほど寒過ぎるため、病気に感染する確率がとても低いのです。
また、オイミャコン村の空気や水、食事など、自然環境や生活スタイルが健康と関係しているともいわれています。なお、病院は1,000㎞も離れた場所にあるそうなので、そういった意味でも、しっかりとした体調管理が行われているのかもしれませんね。
このエピソードから分かるように、人間は、生活する環境によって受ける影響が大きく変わるものです。環境が人間や植物にどのような影響を与えるかを研究するのが「環境学」という学問です。環境学は切り口がさまざまで、環境問題や、社会環境、科学、動植物など、各方面に広がりがある分野です。世界一寒いオイミャコン村の環境に興味を持った人は、環境学について学んでみると新たな発見があるかもしれませんよ。
この記事のテーマ
「地球・環境・エネルギー」を解説
私たちの暮らす地球では、火山噴火、地震、台風、干ばつなど、人類にとっては有害な現象がいまも続いています。こうした現象を研究・解明し、うまく折り合いをつけていくことが必要です。また、豊かな生活を求めるあまり、限りある地球資源を枯渇させてしまったり、自然環境を破壊してしまうことは、人類の絶滅を意味します。こうしたことを防ぐためには、技術系の学問だけではなく、政治や行政などに関する幅広い知識も必要な分野です。
この記事で取り上げた
「環境学」
はこんな学問です
人と地球環境の密接な結び付きを理解し、自然科学と人文・社会科学の知識を合わせ、人が自然と共存し、持続可能な発展を目指すための学問である。個別の研究テーマは多岐に分かれており、人と自然を一連のシステムと捉えて環境問題の解決策を研究する「環境システム学」、主に都市と自然と人の調和を図る建築・インテリアを研究する「環境デザイン学」、複雑化する地球環境に対応するために地理学・環境生態学・情報科学を駆使する「地理学」などがある。