俺って天才だからさ! と言い続けたスペインの画家って?

この記事をまとめると
- スペインの画家であるダリは、自分のことを“天才”と言い続けた人だった
- 彼の作品は非現実的なものが多く、また彼自身も、奇抜なパフォーマンスをやり続けた
- ダリの奇抜な作品はどのように生まれたのか。人柄と合わせて研究してみる価値がある
自分から“天才”アピールをした「ダリ」ってダレ?
スポーツや学問の世界において、「天才」と呼ばれる人がいます。生まれ持った才能がズバ抜けた人たちのことです。野球のイチロー選手などが、よく「天才」といわれます。
芸術家のなかにも「天才」といわれてきた人がいます。画家のピカソや音楽家のモーツァルトなどが、その代表でしょう。
そんななか、自分から「俺は天才だ」と言い続けた、個性的な画家もいました。その人の名は、サルバドール・ダリといいます。
天才になるために、奇抜なパフォーマンスを披露していた?
1904年にスペインで生まれたダリは、小さい頃から絵画の才能を見せます。大人になると、彼は画家の道に進み、独特の作風で人気を高めていきます。
ダリが描いたのは、「シュールレアリズム(超現実主義)」といわれる不思議な絵。「現実を超える」という意味で、普通ではありえないような風景が絵になっています。たとえば、代表作の「記憶の固執」で描かれているのは、グニャグニャになった柔らかい時計の数々。どうやってイメージしたのか分からない、印象的な作品になっています。
個性的な作品で知られるダリですが、彼のキャラクターも同じくらいに個性的でした。彼はたびたび自分のことを「天才だ」といい、「私は天才を自覚している」とコメントしたこともあるようです。
さらに、ダリは「天才になるには天才のふりをすればいい」とも言っています。それと関係あるかは分かりませんが、彼は奇抜なパフォーマンスを数多く行いました。有名なのは、潜水服を着て行った講演会。密閉された潜水服に酸素を送り込んで講演をするプランでしたが、機械からうまく酸素を送り込めず、あやうく死にかけたというエピソードがあります。
また、ダリといえば、上にピンとはねた口ひげが特徴的で、これも彼が自分を天才に見せるための工夫だったのかもしれません。
過去の名作にはどんな想いが込められているのか
ダリの奇抜なパフォーマンスや人柄は、人によって好き嫌いが分かれたと言います。ただ、彼の描いた作品についてはとにかく人気で、美術館でのイベントなどには多くの人が集まります。
自らのことを天才と称したダリの作品は、なぜそこまで人気があるのでしょうか。「夢に出てくるような風景」といわれる彼の絵を、きちんと見て学ぶことで、その理由が分かるかもしれません。あるいは、彼の描いた絵を参考に、自分が絵を描いてみるのもいいでしょう。
ダリの作品に触れるように、「美術」を学ぶということは、自分が描くだけでなく、過去の作品を見て研究することも重要です。その絵にどんな意味があり、作者のどんな想いが込められているのか。それを学ぶと、より深く芸術作品を理解できるようになるはずです。美術について研究を重ねていけば、いつかダリが「俺は天才だ!」と名乗っていた理由が分かる日がやってくるかもしれませんよ。
この記事のテーマ
「芸術・表現・音楽」を解説
絵画や造形、声楽や楽器演奏、演劇や芝居、マンガやアニメーションなど、さまざまな芸術分野で、表現者としての感性や技術を磨きます。近年では、活躍の場を広く海外に求め、高い評価を受けている人たちも多くいるようです。作品の制作や演習などの実技はもちろんのこと、それを裏打ちするために専門分野の歴史や理論の授業も行われます。そのため、アーティストとして作品を発表する以外に、指導者や研究者としての道もあります。
この記事で取り上げた
「美術」
はこんな学問です
芸術の創作者または評論者としての知識と技能を学ぶ。領域としては、平面、立体といった区分けに加えて、現在ではデジタルメディアも含まれる。平面では油彩画、水彩画、日本画、立体では彫刻、彫塑が主なジャンルとして挙げられるが、伝統的な手法によらず、素材を混合した作品や、観客参加型のパフォーマンスを作品とする場合もあり、表現は広範囲に及ぶ。学校では技能だけでなく、画材の専門知識、美術史も学び、理論と実践の両面で専門性を高める。
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