【シゴトを知ろう】ショップスタッフ 編

洋服やシューズ・アクセサリーなどを販売するアパレルショップの店頭に立ち、接客サービスを行うのがショップスタッフの仕事です。自社ブランドのファッションを上手に着こなすことで、リアルな“マネキン”になる役割も果たすため、日々のおしゃれや身だしなみも欠かせません。今回はジーユーの銀座店でショップスタッフとして働く、本多理香子さんにお話を伺いました。
この記事をまとめると
- 接客だけでなく、在庫管理や売場づくり・清掃も大切な仕事
- 最新のファッションに触れることができる
- 接客能力とコミュニケーション能力が欠かせない
フロアレイアウトや清掃まで、全てをショップスタッフの手で行う
Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
学生時代からジーユーでアルバイトしており、以前は新宿や渋谷の店舗でも働いていた経験がありますが、現在は正社員としてジーユーの銀座店で業務に携わっています。スタッフは店頭で接客をするだけでなく、バックヤードの在庫管理や品出しに加え、業務の習得が進むにつれて商品知識やCS(顧客満足)向上のためのミーティングにも参加します。またフロアレイアウトや店内の清掃もスタッフが行います。毎朝店舗のオープン時間まで丁寧にフロアをチェックし、「お客様が手に取りやすい位置に商品があるか」「新商品にすぐ気づいてもらえるレイアウトになっているか」など丁寧にチェックし、気になる点はその場で修正します。同時に清掃忘れがないかも厳しく点検し、いつでもお客様に気持ちよくお買い物していただけるよう目を配っています。
勤務は早番・中番・遅番のシフト制で、働きやすい時間帯を選ぶことができます。私は早番か遅番が中心ですが、主婦の方は昼間の時間帯である「中番」での勤務も可能なので、お子さんがいらっしゃる主婦の方も大勢活躍しています。
<一日のスケジュール> ※早番の場合
07:30 出社。スタッフ全員分の前日の勤務確定作業
08:00 メールチェックと引き継ぎ作業
08:30 担当フロア(1階)チェック・清掃
10:30 全体朝礼・フロア朝礼
11:00 店舗オープン。接客業務
12:00 ランチ休憩
13:30 担当フロア(1階)チェック、翌日の人員配置計画
15:00 社員ミーティング
15:30 接客業務
17:00 退社
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
ファッションが大好きなので、毎日最新のファッションに触れられることや、お客様のコーディネートのご相談に乗ることが、楽しくて仕方がないです。とくにお客様から「服のアドバイスをしてもらいたい」とお声がけいただくと、とてもうれしいですね。
ご来店されるお客様は、すでに買う商品が決まっている方ばかりではなく、「服が欲しいけれど、何を買えばいいかわからない」という方もたくさんいらっしゃいます。先日いらっしゃったお客様は「夫婦で久しぶりにコンサートに行くが、どのような服がいいのかわからない」とお困りでしたので、コンサートのジャンルや、お好みのファッションなどじっくりお話を伺い、商品をご提案しました。次のご来店時に、購入した服を着てお出かけになった感想を聞いたときは、非常にうれしくて、やりがいを感じました。
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
基本的にポジティブ思考なので、つらいことはあまりありませんが、ショップスタッフは体力勝負という点は否めません。フロアレイアウトの変更や品出しなどで、重い物を移動する作業がよく発生します。筋肉痛になるのは職業病のようなものです。銀座店では圧倒的に女性スタッフの割合が高いので、男女問わず肉体労働は必須です。そのせいか、職場には元気な女性が多い気がします(笑)。
「幅広くファッションを学びたい」と、アルバイトをきっかけに入社を決意
Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
大学1年生のときから4年間、ビックロ新宿東口店でアルバイトをしていたことがきっかけで、そのままジーユーに就職することを決めました。大学が近くにあったこともあり、ほぼ毎日働いていました。ジーユーはアルバイトをする前からよく通っていたお店で親しみがあったので、好きなファッションに囲まれて仕事ができる、まさに理想のアルバイト先でした。大学卒業後、半年間の準社員期間を経て、正社員に登用されました。
実は、卒業したら別のアパレルショップで働くことも考えていて、何社か採用面接を受けていました。しかし当時の店長に「ジーユーは年齢・性別問わず、さまざまなファッションアイテムを取り扱っているから、幅広くファッションを勉強したいなら、ジーユーもいいよ」といわれ、心を動かされました。現在はその言葉通り、毎日いろいろなファッションから刺激を受け、大いに学ばせてもらっています。
Q5. 大学では何を学びましたか?
学生時代は体育教師になりたいという夢があったため、体育大に進学して教職員免許を取るための勉強をしていました。ファッションはあくまで趣味であり、入学当初はアパレルの仕事に就くとは思っていませんでした。
思い描いた職業とは違うものの、今は自分が望んでいた道を歩んでいる
Q6. 高校生のときに抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
高校時代は勉強や部活をしたり、放課後は友達と遊びに行ったりと、ごく普通の高校生活を送っていました。当時は「この仕事がしたい」という強い想いがあったわけではなく、3年生になって進路を決める時点で、体育教師を目指そうと考えました。それは幼いころからクラシックバレエを習っていて体を動かすのが好きだったのと、人に何かを教えることが好きだったため、単純に両方の要素がある体育教師が最適であると考えたからです。当時は深く考えずに進路を決めてしまいましたが、社会人になった今思うと「体を使う仕事」に就いていますし、社員としてアルバイトスタッフへの教育や指導を任されている立場です。偶然かもしれませんが、いつの間にか自分が望んでいた道を歩んでいるようで不思議です。
Q7. どういう人がその仕事に向いていると思いますか?
ファッションが好きで、人と関わることが好きな方が向いていると思います。いくらファッションに興味があっても、商品知識や言葉遣いはもちろんのこと、限られた時間の中でお客様のニーズをつかむなどショップスタッフには接客能力が必要です。また、チームワークが必要な仕事ですので、同僚とのコミュニケーションも必要不可欠です。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
私自身もそうですが、大人になってみると、高校生のときに考えていたものとはまったく違う仕事に就いているのは珍しいことではありません。だから、夢や目標がまだ見つかっていなくても、あせる必要はないと思います。まずは、目の前にある好きなことや興味があることに、全力で取り組んでみてください。道はおのずと開けてくるはずです!
体育大学出身という、ショップスタッフとしては異例の経歴をお持ちの本多さん。クラシックバレエで鍛えた美しい立ち姿で、ジーユー銀座店のスタッフとして、毎日お客様を明るく出迎えてくれます。ショップスタッフの仕事に興味がある方は、ぜひジーユーへ足を運んでみてはいかがでしょうか?
【profile】ジーユー 銀座店 店舗スタッフ 本多理香子
この記事のテーマ
「ファッション」を解説
ファッションの専門知識や業界のビジネスノウハウ、感性やセンス、そして技術を駆使し、世の中に新たな流行を生み出すビジネスです。主に、素材づくりや縫製など「つくる仕事」と、PRや販売促進などファッションビジネスに関わる仕事に分かれます。この仕事をめざすには、作品の発表会や学外での職業実習などを通して職業人としての実践力を身につける他、資格取得をめざす場合もあります。
この記事で取り上げた
「ショップスタッフ」
はこんな仕事です
ファッションブティックの店頭で、取り扱うアイテムを、ときには自ら身にまとい販売を行うスタッフ。購買者と直に接することができ、アパレル業務の基本となる仕事。「カリスマ店員」という言葉が流行して以来、ショップスタッフの持つ売上高への影響力が注目されている。勤務場所は路面店など単独の店舗か、百貨店や駅ビルなど施設内の店舗。接客以外に店舗の清掃やバックルームでの在庫管理、陳列、棚卸しといった裏方業務も行う。立場によっては売り上げ管理、ディスプレーなど店舗運営に関与することもある。
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