【シゴトを知ろう】ホテルスタッフ ~番外編~
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きめ細やかな気遣いで、宿泊客に質の高いおもてなしを提供しているホテルスタッフ。山梨県の富士レークホテルで働く千葉はる香さんに伺ったお話の中から、なかなか触れられない業界のあれこれや、業務にあたって大切にしていることなどを「番外編」としてご紹介していきます。
この記事をまとめると
- お客さまのニーズを引き出せる「おしゃべり好き」のスタッフが多い
- 海外のお客さまと関わる機会が多く、語学のスキルが役立つ
- 「スタッフの日常も、お客さまにとっては大切な一日」と意識している
言葉を引き出せる、おしゃべり好きが多い
―― 業界内にはどんな性格の方が多いですか?
人と話すことが好き、という人ですね。接客では、お部屋へのご案内や夕食の提供をするときなど、短時間でどれだけお客さまとコミュニケーションを取るかが重要。決まったことを話すのではなく、適度にフランクな雰囲気でお客さまの言葉を引き出していきます。
そうすることで、観光情報や館内サービスなど、お客さまの求めているものを提供することができます。それを自然にできる人が多いと思います。
―― 業界内ではどんなキャリアパスがありますか?
四年制大学を卒業した人が多いですが、短期大学や専門学校、高校を卒業してホテルスタッフになる人もいます。当館に限っては、接客の勉強を専門的にしていたスタッフはあまりいない印象です。
業界に入る前の予備知識というよりは、働きながら現場で学ぶことが重要。そこを積極的に取り組めるスタッフは成長できます。そこからのキャリアについては、大卒でも高卒でもとくに差はないと思います。
さまざまな国のお客さまと接する機会がある
―― 業務をされてから、一番驚かれたことは何ですか?
海外からのお客さまに関わる機会がとても多いことです。スタッフにも外国人がいます。私は大学で比較文化学を専攻し、世界のさまざまな文化に興味を持っていたので、そこは生かせているかもしれません。
ただ、やはり言葉の問題もあり、日本人のお客さまと同じレベルの対応ができないことはもどかしいです。英語のスキルも伸ばして、もっと海外の方にも喜んでいただきたいと思っています。
―― 業務を行ううえで、気をつけなければいけないことはありますか?
接客業ですから、やはり見た目には気を遣います。ホテルスタッフとしてもっとも重視されるのは清潔感です。当然、ピアスやネイルアートなどはできません。時計やメガネも、黒か茶色、金属製のものと決まっており、華美なものは身につけられません。
また、仕事で使うものを購入するときは、ホテルのイメージに合ったものを基準にしています。当館はどちらかというとシックな雰囲気なので、それを考えて選んでいますね。
毎日が、お客さまにとっての大切な一日
―― 業務を行ううえで、大切にしていることはなんですか?
私たちの仕事は、お客さまの思い出の1ページを作ることですが、あまり「出過ぎない」ように心がけています。主役はあくまでお客さま。ホテルスタッフはエンターテイナーではないということに注意しています。
また、お客さまはリフレッシュのためにわざわざ遠出をして、当館においでくださいます。もしかしたら、一年に一回の記念日や、久々に家族で集まれる日かもしれません。その大切な一瞬を壊さないことも意識しています。毎日仕事をしていると、その意識が薄らいでしまう部分があるので、とくに気をつけています。
ホテルスタッフは、身だしなみからお客さまとのコミュニケーションまで、細かな部分にまで注意を払い、サービスを提供しています。その根底にあるのは、「訪れたお客さまにとって、この日は特別な時間」という意識。「お客さまの思い出の1ページをつくる」というゴールのために努力する千葉さんの姿勢は、プロフェッショナルそのものでした。今日も千葉さんの笑顔から、誰かの思い出が生み出されていることでしょう。
【profile】富士レークホテル 接客部アテンダントチーフ 千葉はる香
この記事のテーマ
「旅行・ホテル・ブライダル・観光」を解説
目指す業界の専門知識を学び、パソコンなどのスキルを身につけます。旅行・観光では資格取得や採用試験対策、ホテル・ブライダルでは、現地実習を通して実践力を養う研修が多く含まれます。共通して求められるのは、ゲストに非日常のサービスや空間を提供する接客技術やサービス精神。不規則な勤務に対応できる体力の養成も求められます。
この記事で取り上げた
「ホテルスタッフ」
はこんな仕事です
宿泊客が心地よくホテルを利用できるようもてなすことが仕事。ホテルスタッフと一口にいっても、その職種は実にさまざま。ホテルの従業員の先頭に立って指示を出すホテル支配人をはじめ、ホテルに着いた宿泊客を迎えるドアスタッフ、チェックイン・アウトの管理や会計を行うフロントスタッフ、荷物の預かり役を担うクロークなど多岐にわたる。24時間体制でスタッフが交代しながら営業するのが基本。ホテルの規模によっては職種を兼務することもある。
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