【シゴトを知ろう】コピーライター ~番外編~

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【シゴトを知ろう】コピーライター ~番外編~

2020.04.10

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】コピーライター ~番外編~

「【シゴトを知ろう】コピーライター 編」では、合同会社コトリ社の代表であり、「毎日広告デザイン賞最高賞」や「カンヌ国際広告祭ゴールド」などを受賞したコピーライターである坂本和加さんに、仕事の内容ややりがいについて伺いました。

番外編では、独立のきっかけや、自分の考えたコピーとの意外な向き合い方、コピーライティングをする際に考えるべきことなど、本編では書ききれなかった気になるQ&Aをたっぷりお届けします。

この記事をまとめると

  • 巨匠のもとで修行したおかげで自分のオフィスを持つ決意ができた
  • コピーライティングには、いかに自分以外の誰かの気持ちになれるかが重要
  • 教え子たちの中からライバルが生まれることを楽しみにしている

大きな組織の一人ではなく、自分の名前で勝負したかった

―― 2016年に独立し、「コトリ社」を立ち上げた坂本さんですが、独立の経緯を教えてください。

独立するまで4社を渡り歩いて修行を積んだのですが、最後は一倉宏さんという、コピーライター界の巨匠の弟子として13年ほど働かせていただいていました。とても有名な方なので、入ってくる仕事という観点からも非常にいい経験になりましたし、その方はオフィスを構えてフリーで働いていたので、コピーライティングの技術だけではなく、フリーランスの働き方というものもしっかり学ぶことができました。

もともとフリーランス思考が強かったので、4社を転々としていた間はずっと「いつかは独立」と考えていました。ときには「会社勤めもいいかも」と揺れることもありましたが、それだと大きな組織の一人になってしまう。せっかく素晴らしい師匠のもとで修行したのだから夢を叶えたいな、という思いが強くなったので、独立の道を選びました。
 
 
―― いいコピーを思いつくためには、どういった心構えや工夫が必要なのでしょうか?

依頼してくださったお客様が喜んでくださり、商品が売れていくことが全てなので、「自分が」という意識はほぼありません。それでもあえて意識的なものを挙げるとしたら、「いかに自分でない誰かの気持ちになれるか」ということでしょうか。コピーライターはある意味でサービス業なので。また年齢を重ねてきているので。経験で書く、というのもとても大事ですよね。

たとえば女子高生向けの商品を売るためのキャッチコピーだったら、「このコピーを見た女子高生はどう思うかな?」とか。もちろん自分が女子高生だった時も思い出します。そのあとこのコピーを見て傷ついたり怒ったりする人がいないかなとか。コピーを見てハッピーな気持ちになる人が一人でも多くなってほしいし、商品のターゲット層でない人もちょっとうれしくなってもらえたら最高ですよね。

答えを探し求めて、遊んでいるときもデートのときもコピーのことを考えていた

―― 街中やテレビなどで、ご自身で考えたコピーを見かけたときどのように感じますか?

意外に思われそうですが、もはや、よく知らない他人のような感覚で、ちょっと不思議になるくらい距離を感じます。コピーを考えてから世に出るまでには1年以上空くこともザラですし、その間にどんどん別の案件も進んでいますから、私にとってはもう昔のことになってしまうんですね。

例えば、ネーミングを担当した電子マネーの「WAON」ですが、もう10年以上同じ名前が使われ続けています。ネーミングしたばかりの頃はまだ「WAON」の案件が手元にある実感がありましたが、もうとっくに「WAON」は自分の手から離れていろいろな人に愛されています。

そうなると完全に他人のような気分で、「長年愛されてよかったね」という穏やかな気持ちだけが残るというか。むしろ、「『WAON』を考えた坂本さんですよね!」みたいに来られると、ありがたいのですが気恥ずかしい(笑)。


―― クリエイティブな職業は、ワークライフバランスが取りづらいイメージがありますが、坂本さんの場合はどうでしょうか?

たとえ退勤しても頭の中では常に案件が動いている状態で、昔は友達と遊ぶときもデートのときも、それこそ寝る瞬間まで、ずっと答えを求めて考え続けていました。答えが見つからなくて徹夜することも度々ありましたよ。

今は経験を積んで、答えにたどり着くまでの時間が短くなったので、本を読もうとか昼寝しようとか、仕事のことを考えない時間も作れる!……はずなのに、忙しいですね今は。

勤務時間的な話でいうと、会社勤めの時代はチームで動いていたので、「先に帰ります」ということがなかなかできません。一方でフリーランスは、稼働時間は長引かないほうがいいわけで「次があるので」と言ってしまえる。まあ、本当に次があるのですが(笑)。フリーでやっていけるなら、ワークライフバランスは調整しやすいかもしれません。

コピーライター人生で一番の幸運は、一倉宏さんの元で働けたこと

―― 坂本さんは小学生向けにコピーライティング教室を開かれていますが、これはどんな思いがあって始められた活動なのでしょうか?

もともとワークショップが好きだったので。若い頃から何かしらやっていて、今は「東京コピーライターズクラブ」の活動の一環としてお手伝いしています。最近では依頼を受けて大学や一般企業に教えに行くこともありますよ。

コピーライティングの技術を身につけるということは、相手の立場になって考えること・相手を思いやることが自然にできるようになるということ。そして、世界や自分の生き方というものを、ポジティブな視点で見られるようになります。コピーライティングの技術を使えたら、世の中から暗い人が減ったり、ギスギスした空気が和らぐ、と信じています。

私が教えた子たちが、人を思いやる気持ちをずっと持ち続けてくれたら私の老後も安心かなと思いますし(笑)、もっと純粋に、教え子たちの中からコピーライターのライバルが生まれたら面白いなと期待してもいます。

大学でコピーライティングのワークショップが行われている様子

大学でコピーライティングのワークショップが行われている様子

―― 最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。

素晴らしい師匠の弟子として仕事をしていた、その時間の全てがかけがえのないものでした。一流の仕事のお作法だったり、「こんなふうにコピーにしちゃうんだ」という数々の驚きを間近で見させていただけたことは、とても感謝しています。

私にとってはコピーのお父さんのような存在ですし、今でもコミュニケーションはとっています。そんな師匠に出会えたことは、私のコピーライター人生で一番の幸運でした。


尊敬できる師匠の元で修行し、さまざまな得がたい経験をさせてもらったと話す坂本さん。
独立してから初めて知った師匠のありがたさというものも多くあったそう。坂本さんのコピーライター人生に多大な影響を及ぼした方なのだということが、言葉の端々から伝わってきました。

コピーライターに興味のある人は、どの会社に入りたいかだけでなく、どのコピーライターのもとに就いてみたいか、という視点で進路を選ぶのもいいかもしれませんね。

 
【profile】合同会社コトリ社 代表 坂本和加
http://cotori-sha.com/

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

「マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「コピーライター」
はこんな仕事です

商品広告上の印象的なフレーズを「コピー」といい、それらを言葉として生み出す専門職種。テレビの企業コマーシャルの文言や商品のキャッチコピー、新聞やチラシに載っている解説コピーなどが作品となる。メーカーや広告代理店から依頼を受け、取材や撮影に参加したり、デザイナーと打ち合わせを重ねながら、訴求力のある「コピー」を考案。単なる文章ではなく、見た人・聞いた人の記憶に残るインパクトが必要で、当然その商品の売り上げを左右する力が期待される。ベテランともなると、新商品のネーミングを手がける人もいる。

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