【シゴトを知ろう】ペットショップスタッフ 編
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ペットの販売、ペットのお世話などを行う「ペットショップスタッフ」。ペットと新たな家族をつなぐ架け橋となる、大切なお仕事です。今回は、ペットの専門店コジマの三郷店で働く田中真愛さんに、ペットショップスタッフのお仕事内容や魅力などを伺いました。
この記事をまとめると
- ペットのお引き渡し後も、継続してペットとお客様をサポート
- 母親のような愛情を込めてペットをお世話することが何よりも大切
- 動物が好きな人や、人の幸せを自分のことのように喜べる人に向く仕事
ペットへの「愛情」が一番大切
Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
主な業務はペットのご提供とペットのお世話です。店内にはさまざまなペットがいますが、私はワンちゃんとネコちゃんを担当しています。ペットのお世話に関しては、ご飯あげ・お水あげ、ブラッシングや爪切りなどのお手入れ、犬舎・猫舎や店内の掃除、トイレシーツの交換などを行っています。トイレシーツの交換は頻繁に行います。トイレが汚れているとワンちゃんもネコちゃんも嫌がって、トイレの中で排泄してくれません。逆に言うと、トイレを常に綺麗にしておけば自然にトイレトレーニングができるようになります。
それから、お世話をする際は手の消毒を徹底しています。子犬や子猫はデリケートなので、病気の発生や感染を防ぐためにはこまめな消毒が必須です。そして、掃除も大切です。衛生管理を徹底することでペットの健康を守れるのはもちろん、きれいなところにいるワンちゃんやネコちゃんは、よりかわいく見えますよね。
ペットのご提供に関しては、お客様にただ単にペットをお引き渡しするだけではありません。ご提供前はもちろんご提供後も継続してお客様からペットに関するご相談を承り、しつけやお世話の方法など飼育上のアドバイスをしています。お客様が安心して新しいご家族を迎えられるように、そしてペットを迎えた後もより幸せに過ごしていただけるように、総合的なサポートをするのが私たちの仕事です。
<一日のスケジュール>
09:00 出勤。ご飯あげ、犬舎・店内の掃除
10:00 開店。接客、ペットのお世話(トイレシーツ交換、水やりなど)
13:00 休憩
14:00 接客、ペットのお世話、HP用の写真撮影、空いた犬舎の消毒
18:30トイレシーツ交換、夜の犬舎準備、サークル内の犬と猫を店の奥へ移動、猫舎の掃除、翌朝の準備
20:00 閉店。帰宅
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
お店に来た当初はポーッとしていた子犬や子猫が、段々と環境に馴染んでいき、日に日に成長していく姿を見守れるのが、この仕事の楽しさの一つです。
また、お客様との会話がどんどん膨らんでいくときも楽しいです。お客様のことをより深く知ることができますし、なんとなくお話しいただいたことが自分の勉強になることもよくあります。
やりがいを感じるのは、やはり大切にお世話してきたワンちゃんネコちゃんに新しい家族が決まった瞬間です。お客様のうれしそうな笑顔を拝見すると、私までうれしくなります。そして、再度ご来店してくださった際にすくすくと成長しているペットを目にしたときも、「この子と、このご家族が出会えて良かったな」と心から思います。
お客様が私に会いに来てくださったり、「あなたから、この子を迎え入れることができて良かった」と仰ってくださったりするのも、大きな励みになっています。
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
お店に来たばかりの子犬は、環境の変化や寂しさなどにより、ご飯が食べられなくなったり、おなかを壊してしまったりすることもあります。そのような姿を見ていると、やはり心が痛みます。このようなときは、ご飯のあげ方を変えてみるなどの工夫を施します。そして、実は子犬が最も必要としているのは「愛情」です。そのため、子犬・子猫とたっぷりスキンシップをとったり、母犬・母猫が子供をなめる感覚に少しでも近づけられるように手を湿らせて子犬・子猫をなでたりします。「今は私があなたのお母さんだよ」という気持ちで、常に心からの愛情を込めてお世話をすることが、何よりも大切なのです。
それから、コジマではお客様に安心してペットをお迎えいただけるよう、ペットの健康状態が万全でないときはお引き渡しをお待ちいただくことがあります。健康体のペットを迎えていただくために仕方のないことではあるのですが、「すぐに連れて帰りたかった」と残念そうにしているお客様を拝見すると、やはり心苦しいです。
ペットショップスタッフになることが夢だった
Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
きっかけは、小学生の頃にコジマの店舗で子犬を見て、家に迎えたことです。対応してくださったスタッフの方がとても素敵で、その方のおかげでペットを飼いたい気持ちがより高まりました。以来、コジマのペットショップスタッフが私にとって憧れの職業になったのです。高校卒業後は迷わずコジマへ就職しました。まさに、小さな頃からの夢が叶った形です。
Q5. この仕事に就くために学んだことはありますか?
この仕事に就くためにいうよりは、もともとワンちゃんやネコちゃんが大好きだったので、動物に関する知識を日々楽しく身に付けていました。テレビを見たり、本を読んだり、勉強をしているという感覚ではなく、ただ単に自分の好きなことをしているという感覚でした。
Q6. 高校生のときの経験が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
高校時代は吹奏楽部に所属しており、部活動の中で挨拶の重要性を学べました。また、部活動はもちろん友人との他愛ない会話を通して、コミュニケーション力も培えました。
この2つは、まさに現在の仕事に役立っています。
動物が好きな人、人の幸せを喜べる人に向いている仕事
Q7. どういう人がその仕事に向いていると思いますか?
まずは、動物が大好きな人です。ペットショップスタッフは、ペットの小さな異変にもすぐに気付けなければなりません。そのためには深い愛情をもって、常にペットの様子を気にかけてあげる必要があります。
また、人の幸せを自分のことのように喜べる人にも向いていると思います。ペットの幸せは飼い主様の幸せであり、飼い主様の幸せはペットの幸せ。そんな幸せをサポートするのがペットショップスタッフの仕事なので、大きなやりがいを感じられるはずです。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
まずは、今を楽しんでほしいです。高校生活を送る上で、悩んだりストレスを感じたりすることもあると思います。しかし、いざ社会に出てみると、今悩んでいることは取るに足りないことに思えるはずです。せっかくの高校生活、悩んでばかりいてはもったいないので、今を精一杯楽しみながら大切に過ごしてください。
また、人への思いやりを忘れずに過ごしてほしいと思います。当たり前のことに思えるかもしれませんが、やはり思いやりの気持ちは社会で生きていく上でとても重要です。
ペット達の幸せを心から願い、あらゆる業務に全力で取り組んでいらっしゃる田中さん。「動物が大好きなので、この仕事が大変だと感じたことはありません」と笑顔でお話ししてくださいました。田中さんのそのような情熱が、お客様からの深い信頼につながっているのかもしれません。
【profile】ペットの専門店コジマ 三郷店 田中真愛
この記事のテーマ
「動物・植物」を解説
ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。
この記事で取り上げた
「ペットショップスタッフ」
はこんな仕事です
動物やペット用品の販売の他、動物の健康管理、トリミング、グルーミングなどを行う。ペットショップの中には犬や猫だけでなく、爬虫類や鳥類、観賞魚など、さまざまな動物を取り扱うところも。各動物の特徴や気性などを種類別に理解し、客の要望に合う一匹をきちんと紹介できる力が必要となる。また、鳴き声やふん便の状態を見て、体調を判断できる知識と観察力も求められる。ペットの病気を防ぐことにもつながる清掃や消毒は、日に何度も行うようにしているショップが多い。
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