【シゴトを知ろう】栄養士 ~番外編~
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「【シゴトを知ろう】栄養士 編」では、武蔵野赤十字病院で栄養士として働かれている今野栞さんに、仕事の内容ややりがいについて伺いました。
今回は番外編として、知られざる仕事の裏側や、「栄養士は人のために栄養管理をしているけど、自分の食生活はどうなの?」という素朴な疑問への回答など、本編には載せきれなかった内容をお届けします!
この記事をまとめると
- 患者さんと向き合ううちに、食事が健康を作っているのだと実感できる
- より専門的な栄養指導をするためには、管理栄養士の免許が必要
- 体力・集中力が求められるため、体調には人一倍気を使わなくてはならない
ストレスをためないよう、おやつは好きなだけ食べてます!
―― 栄養士として働いていることが、プライベートで役立ったことはありますか?
仕事をしていく中で、たくさんの野菜を手に取る機会がありましたので、買い物をするときに、どの野菜が新鮮で良いものか見分けられるようになりました。
―― 休日はどんなことをして過ごしていますか?
休日は、ジム・エステ・ネイルサロン・美容院などに行っています。専門時代から続けているキックボクシングで汗を流すことも多いですね。基本的に平日が休みで、仲のいい友人と休みが合わないことが多いので、一人で楽しめることが多くなりがちです。
また、海外旅行も好きで、先日はグアムを満喫してきました。
―― 栄養士ということで、やはりご自分の食生活も、理想的なものにしようと心がけていたりするのですか?
今は実家に住んでいるので、母が作った料理をありがたくいただいていますが、おやつは食べたいときに我慢せず食べているので、理想的な食生活とは言えない感じです(笑)。小まめに運動しているからいいかな、という気持ちと、我慢してストレスを溜めるのは避けたいな、という気持ちがありまして。
ちなみに、調理を専門にしている人間なので、食中毒菌を避けるため、生の魚や貝類などはほとんど食べません。毎月検査があるのですが、そこで引っかかってしまうと仕事ができなくなるので……。
想像以上に体力勝負だった栄養士の仕事
―― 業界内ではどんな性格の人が多いですか?また、ご自身の性格についても教えてください。
業界全体のことはあまり分からないのですが、同じ病院で働いている栄養士は、人に気を配れる、優しい人が多いことが特徴かなと思います。同年代の栄養士が多いので、気軽に相談もできますし、プライベートで飲みに行ったりするなど、穏やかな関係が築けているのではないかと。
私自身は職人っぽい性格かもしれません。調理中はそれだけに没頭して、細部にまでこだわっていきたいタイプです。
―― 仕事を始めてから驚かれたことはありますか?
想像以上に体力勝負だったことです!
ずっと調理場で立ったまま慌ただしく調理していますし、集中力も必要になるので、体力がないと続けていけない仕事かなと感じています。また、勤務時間が非常に不規則なので、体調には人一倍気を配っておかないともたない部分があります。
―― 働く前に抱いていたイメージとギャップはありましたか?
ギャップというと少し違うかもしれませんが、食事をすることが薬になるというか、食事が健康をつくっているのだということを、病院に勤務して、やっと本当の意味で知ることができた点でしょうか。
専門学校の授業は、病院勤務を希望している人だけでなく、保育園や学校などへの勤務を希望している人たちみんなを対象にしているので、特別「患者さんの病気を治すのには食事も大事!」と強調されて教えられたわけではありません。説明されても、なんとなくその言葉を覚えるだけで、そこまで深く考えることはなかったように記憶しています。
しかし、実際に病院で患者さんと接しているうちに、食事を取ることは薬を飲むのと同じで、「栄養士である自分がそれを患者さんに食べさせているのだ」ということを重く受け止め、胸に刻む必要があるなと感じました。
管理栄養士になって、たくさんの人の役に立ちたい
―― 今後の目標はありますか?
管理栄養士免許を取得することです。
栄養士と管理栄養士の違いは、管理栄養士のほうが、より専門的な知識を持って、高度な栄養の指導を行えるという点です。例えば、今私が働いているような病院で患者さんに直接栄養食事指導するためには、管理栄養士の免許が必要になります。
ゆくゆくは管理栄養士として、さらに人の役に立てるようになりたいです。
―― 最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
日常のことになってしまうのですが、働き始めた当初は、目の前にある仕事をとにかくこなしていくことしかできませんでした。しかし、今では少し精神的に余裕ができてきて、1つ1つの作業を大切にできるようになりました。
また病院栄養士は、勤務時間が不規則で生活リズムを崩しやすいこともあり、すぐに仕事を辞めてしまう人も少なくありません。後輩の中には、一人暮らしで周囲に気軽に相談できる人がいないという子もいるので、なるべく一人で悩まないよう声をかけたり、勤務時間以外では仕事のことを考えないように外に誘ってみたりしています。
そういった、自分の仕事以外のプラスアルファのことまで意識を向けられるようになったことからも、自分の成長を感じています。
食事が健康をつくっていること。日常生活ではあまり意識する機会がないかもしれませんが、この当たり前のことを、病院に勤務することで本当の意味で実感できたという今野さん。責任重大なお仕事を精力的にこなしながら、後輩たちに寄り添うことも心がけているなんて、こんなステキな先輩がいる職場、憧れますね。
この記事を読んで、栄養士のお仕事に興味を持った高校生の皆さん。より専門的な指導を行えるようになるという管理栄養士のお仕事も、ぜひ合わせて調べてみてくださいね。
【profile】株式会社LEOC所属 武蔵野赤十字病院勤務 今野栞
この記事のテーマ
「食・栄養・調理・製菓」を解説
料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。
この記事で取り上げた
「栄養士」
はこんな仕事です
給食施設において栄養指導や食事管理を行うのが仕事。業務内容は幅広く、例えば、学校では栄養バランスや予算を考慮した給食の献立を考え、調理担当者への調理指導から食材の仕入れ先の選定まで担当する。病院では、患者の食事管理・栄養指導が主な仕事となり、医師や看護師と相談しながら食事メニューを決めるなどして患者の健康を支える。企業では、社員への給食業務の他、加工食品や飲料の新商品開発に携わることも。食と栄養の知識を駆使し、さまざまな人の健康をサポートするのが役目だ。
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