【第72回全日本合唱コンクール・文部科学大臣賞・金賞受賞】清泉女学院高等学校
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岡山県のシンフォニーホールで開催された、第72回全日本合唱コンクール全国大会。高等学校部門 Aグループ(8名以上32名以下の部)に参加した学校の中で2番目に人数が少ない25名のメンバーながら、金賞と文部科学大臣賞を獲得した、清泉女学院高等学校 音楽部の皆さん。少人数にも関わらず金賞に輝いた、その理由とは? 今回は部長の中條理々香さん(2年)と、副部長の吉永好花さん(2年)さんにお話を伺いました。
この記事をまとめると
- 少人数というハンデをプラスに変えて、全国大会で金賞を受賞
- 大切なのは一人ひとりの努力と、みんなの心を一つにすること
- 25人の仲間たちと大きな舞台で歌えたことが、最高の経験に!
例年より厳しい状況の中で挑んだ全国大会
―― 金賞を受賞された感想をお聞かせください。
中條:今大会に出場した部員は25名。参加校の中では人数が少ないこともあり、例年よりも厳しい状況で練習をしてきました。でも途中からは全国大会での金賞を目標にしていたので、発表を聞いた時はとてもうれしかったです。
吉永:金賞だけでなく、まさか文部科学大臣賞までいただけるとは思っていませんでした。驚きもありますが、率直にうれしいです。
―― 受賞できた一番の要因は何だと思いますか?
中條:私たちは高校1年生と2年生のチームですが、みんな個性が強く、最初はバラバラだったように思います。でも関東大会を抜けたあたりから、みんなが同じ方向を向いて一つにまとまってきました。そこで心を一つにすることができたのが、受賞の大きな理由ではないかと思います。
吉永:人数の少なさが、逆にプラスになった部分もあります。たとえば人数が少ないからこそ、部員同士がお互いに改善点を言いやすかったり、指揮者の佐藤美紀子先生から指導を受ける時には、一人ひとりがしっかり吸収できたり。それが金賞をいただけた大きな要因になったかもしれません。
国際合唱コンクールの経験を生かして曲を決定
―― 今回の選曲はどのように決定されましたか?
中條:私たちは今年、ヨーロッパのラトビア共和国で開催された、国際合唱コンクールに出場しました。そのときに宗教曲をたくさん歌って、現地の教会でも歌わせていただいたので、今大会の自由曲でも宗教曲を選びました。
吉永:自由曲は最初、いくつかの候補を先生から提示していただきました。その中から今回選んだのは、ラテン語の曲です。それは、ラトビアの大聖堂で歌わせていただいた時に感じた響きの良さと、そのとき感動したことが忘れられなかったからです。
―― 大会に向けて、どのような練習をされましたか?
吉永:練習は毎日、朝と放課後に行っています。日曜日は活動できないので、休日は土曜日のみ練習しています。
中條:私たちは今年、同時期に開催されるNHK全国学校音楽コンクールの出場を見送りました。その分余裕があって、春先に曲を決めてからは、こちらの大会に集中して練習することができました。
少人数だからこそ、一人ひとりの力を大切に
―― 練習で一番努力したことは何ですか?
中條:私たちは人数が少ないからこそ、一人ひとりの力が必要です。先生からの指導や注意も、全体として受けたりパートリーダーだけが受けたりするのではなく、それぞれが自分のことだと思って受け止めなければなりません。そして学校での全体練習だけではなく、家でも個人練習をするなど、一人ひとりが努力したからこそ金賞を取れたのだと思います。
吉永:個性的な声をどのようにまとめるか、少ない人数でどうやって声をきれいに響かせるか。それが私たちにとって一番の課題でした。関東大会に出場して全国大会への切符を獲得する、そこまでの道のりも本当に大変だったなと思います。
―― 大会全体を通した感想を教えてください。
中條:私たちは神奈川県から来ましたが、岡山というこの緑豊かな土地で、そしてシンフォニーホールという広くて素敵なホールで歌うことができて、本当によかったと思っています。私たち2年生はこれが最後のコンクールとなりますが、この25人のメンバーと一緒に歌えたこと、そして最高の結果で終えられたことを、心からうれしく思います。
吉永:人数が少ない中で全国大会に出場して、しかもシンフォニーホールのような大きな舞台で歌わせていただくというのは、なかなかできない経験だと思います。そんな経験をさせていただけたことが貴重ですし、また、金賞と文部科学大臣賞をいただくことができて、とてもうれしかったです。
今大会が開かれた岡山県のシンフォニーホールは、約2,000席を有する大会場。清泉女学院高等学校の皆さんの歌声は、その広い空間いっぱいに美しく響きわたり、とくに終盤の盛り上がりは人数の少なさをまったく感じさせないほど圧巻でした。少人数であることをむしろ強みに変えて、見ごと手にした金賞。会場で聴かせていただいた素晴らしい合唱の余韻が、今も心に残っています。
【profile】清泉女学院高等学校 音楽部
部長 中條理々香 (2年)、副部長 吉永好花 (2年)