【シゴトを知ろう】システムエンジニア(SE) ~番外編~
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暮らしを支えるさまざまなシステムづくりに携わっているシステムエンジニア(SE)。この「番外編」では、SEになるために必要なスキルや業界の特徴、どんな性格の人がいるのかなどを、フリーランスのSE・武田直樹さんに伺いました。
この記事をまとめると
- 文系の大学出身でもOK。プログラミングはどこかで勉強する必要がある
- システムづくりには技術も大事だが、コミュニケーション力はもっと重要
- 論理的に考える力と、頭の柔軟さを備えている人が多い
プログラミングのスキル習得は必須
―― 業界内ではどんなキャリアパスがありますか?
大学で情報システムを専門的に学ぶこともできますが、あまり多くはないかもしれません。スキルは社会人になってから学ぶことが多く、文系出身者も3割くらいいると思います。
おすすめは、どんな分野でも良いので、大学で研究をすることです。考え方など、学ぶことがとても多いと思います。
いずれにしても、どこかの段階でプログラミングはきちんと学ぶ必要があります。「JAVA」をはじめ、言語はたくさんありますが、どれに取り組んでもOK。最近はプログラミングに取り組んでいる高校生も増えてきていますよね。あとはPCスキルとITリテラシーを身に付けていけば大丈夫です。
SEの仕事の領域はとても広いのが特徴です。プログラミングに特化する人もいれば、アプリケーション開発を専門にする人もいます。中でも、データインフラ(データ基盤)に関わる仕事は、地味ですが将来性がある分野だと思います。
システムづくりには、コミュニケーションが不可欠
―― 業務をされてから、一番驚かれたことは何ですか?
案外「泥臭い」仕事が多いと思いました。システムをつくるときは、テストを何度も何度も繰り返します。そこでバグや故障箇所をたくさん見つけていくことが、良いシステムづくりに欠かせません。
もう一つは、コミュニケーションスキルが必要だということ。システムは設計書をもとにチームでつくるのですが、それだけでは本当に大事なことがメンバーに伝わらないこともあります。バグの発見やプロジェクトの進捗にも影響するので、メンバー間のコミュニケーションの円滑さはとても重要。技術だけでは仕事ができないんです。
―― 業界や職務内での、一般人が知らない業界用語はありますか?
この業界だけの用語ではありませんが、アルファベット3文字の略語を耳にすることが多いですね。目標達成度を評価する指標である「KGI(key goal indicator)」「KPI(key performance indicator)」は代表的です。
Web広告関係の業務では、広告視聴1回あたりのコストという意味の「CPV(Cost Per View)」、全アクセス数のうち商品購入に至った割合を意味する「CVR(Conversion Rate)」などでしょうか。とにかく略語は多いですね。
業界には論理的思考力を持った人が多い
―― 業界内にはどんな性格の方が多いですか?
物事を論理的に考える人が多いです。私たちがつくっているのは、それ自体には形がないものです。だからこそ、順序立てて物事を考える能力が求められます。またこの仕事は、原則や慣例に従いさえすれば良いものではありません。良い現場には、視野が広く、柔軟に取り組む姿勢を持っている人が多いです。
―― 業界内の横のつながりはありますか?
とくに広げているわけではありませんが、横のつながりはありますね。過去に一緒に仕事をした人とは今でもつながっていることが多いです。スキルはもちろん、人間性や仕事ぶりもお互いによく知っているので、仕事を振ったり、逆にいただいたりすることもあります。IT業界は広いので、こうした横のつながりが転職や起業のきっかけになることもありますよ。
専門職のイメージがあるシステムエンジニアですが、文系の大学出身でもなれるのは驚きでしたね。プログラミングの知識などを後からつけていって、仕事をしながら自分の得意分野に進んでいく人も多いようです。そして現場で求められるのは、コミュニケーション力と論理的な思考力。もしこの業界を目指すなら、ふだんの学校生活でも意識してみるといいかもしれません。
【profile】システムエンジニア 武田直樹
この記事のテーマ
「コンピュータ・Web・ゲーム」を解説
デジタル情報をつなぐシステム構築をはじめ、webやゲーム、アニメーション、映画など、メディアやコンテンツを創り出します。コンピュータの設計・開発などを学ぶ情報処理系と、アニメ・ゲームなどの制作を学ぶコンテンツ系があります。また、ビジネスの現場で広く使われているアプリケーションを使いこなすスキルを身につける授業もあります。
この記事で取り上げた
「システムエンジニア(SE)」
はこんな仕事です
コンピューターを使ったシステムを設計する仕事。交通管制システム、銀行のATM、放送システムなど内容は多岐にわたり、規模も大小さまざまである。利用者(顧客)の要望をヒアリングし、内容を分析した上でシステム設計書を作成。それを基にプログラマーがプログラムを設計する。プログラマーへの指示などプロジェクト全体の進行管理を行い、プログラムが導入された後の点検やメンテナンスも行う。常にパソコンに向かっていると思われがちだが、実際は顧客やプログラマーなど人と接することが多い。
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