【シゴトを知ろう】和菓子職人 編

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【シゴトを知ろう】和菓子職人 編

2020.01.21

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】和菓子職人 編

日本の時代や文化と深く関わりながら、発展を遂げてきた和菓子。季節感を添えて渡したい手土産や毎日のお茶の時間に気軽に食べたいおやつとして、愛されています。そのような和菓子をつくる職人さんになるにはどのようにしたらよいのでしょうか。東京都大田区にある「wagashi asobi」の職人・稲葉基大さんと浅野理生さんに、仕事の内容ややりがいなどを伺いました。

この記事をまとめると

  • 和菓子づくりは、成形の前の工程で、力仕事がたくさんある
  • 食べたときの感動を何度も体験できるクオリティーを維持する
  • 仕事とは楽しいもの。好きなことをして、働く喜びを見つけることが重要

接客をしてお客さまの声を直接聞けることがうれしい

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
 
稲葉:和菓子職人は、大きく2つのパターンに分けることができます。自分でお店の経営をしている人と、会社に勤めて、和菓子をつくっている人。後者の会社勤めをしている職人さんは、お菓子づくりに集中できますが、私は、前者のお店を自分で経営している職人なので、製造するだけでなく、店先での接客、イベントにも出掛けますし、取引先との商談や地域のことなども幅広くこなしています。

浅野:自分たちでお店の切り盛りを全てやっているので、つくることだけに専念できる環境ではありませんが、お客さまが来ない時間はゆとりを持って事務作業にも取り組めます。幅広い業務を自分たちでマネージメントしながらフレキシブルに対応しています。

<一日のスケジュール>
09:00 出勤。午前中は、ドライフルーツの羊羹やモナカづくり
10:00 開店。接客、包装作業
12:00 昼食
13:00 らくがんづくり。接客、配送品の出荷作業
17:00 閉店。帰宅

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
浅野:自分でつくったお菓子を、自分で売ることができるのは楽しいですね。接客をしていると、お客さまに直接「ありがとう」「おいしい」と言ってもらえることもありますし、「手土産として渡したら喜ばれた」などのエピソードを聞け、とてもやりがいを感じます。

稲葉:私は以前、老舗の誰もが知っているような和菓子の会社に就職して和菓子をつくっていたのですが、いつか独立したいと考えていました。今は独立して夢がかない、毎日楽しく仕事をしています。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
 
浅野:力仕事が多いので、女性は苦労する部分が多い仕事かもしれません。生地をつくるときも、計量も、こねる作業も、力が必要です。砂糖袋だけで30kgあります。若かったときは、がむしゃらに働いていましたが、腰を痛めてしまったこともあります。

和菓子職人は、最後の成形の繊細な手仕事にスポットが当たりがちな職業ですが、大きな会社に勤めていると頂点にいるほんの一握りの人しかやらせてもらえない作業なので、修業時代は、つらいなと感じることがありました。

稲葉:大きな会社に就職して、最初の配属先はあんみつ店でした。新人は最初に店舗に配属されて、いろいろなことを学ぶのですが、正直「この仕事なら、バイトでもできる!」と思ってしまい、上司にはいつも「辞めたい」と言っていました(笑)。

どんな仕事でも、最初からかっこいい仕事を任せてもらえるわけではありません。厳しいようですが、組織にいる限り、修業をして技を身に付けたからといって、上に行けるとも限りません。それでも、頑張ることで、別の面白さを見つけられるかもしれませんね。

私は和菓子づくりがすごく好きだったので、今もこうして続けることができています。また、独立しようという思いも、頑張る動機になりました。自分でお店を始めてからは、勤めているころとだいぶ視点が変わりました。

「近所だから」とか「テレビに出ていたから」とか、さまざまなご縁でお客さまはお店に来てくださいます。せっかく買いに来てくださったお客さまも、一度食べてまずかったら二度と買いに来てはくれません。また、一度目の感動が大きければ大きいほど、二度目に食べるときに同じように喜んでいただけるクオリティーを維持できているかどうかを気にしています。そういった意味で、いつでも油断ができない職業だなと感じます。毎日、同じものをつくって提供していても、見えない部分で常に向上心を持ち続けることが必要とされています。

それから、食品を扱う上で、安心安全・衛生面で事故を起こさないということも徹底しています。「おいしい」とか「良い食材を」という耳障りのいい言葉以上に、当たり前のことをきちんとやることが大切です。どんな職業でもそうかもしれませんが、表には見えない作業や考えというのは、実はお客さまにも伝わるのではないかと思っています。

洗練された和菓子の世界に魅了された学生時代

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
 
浅野:短大時代に、学校の図書館で和菓子の本を見つけて、その洗練された世界観に魅了されたことがきっかけです。採用の募集などはしていないのに、お取り寄せ帳を見て、そのお店に「修業させてください!」と、電話をかけたことが和菓子の世界に踏み出す第一歩でした。

稲葉:私は高校卒業後の進路を決める際、学校の推薦で会社を選ぶことができました。食品化学に関する勉強をしていたので、なんとなく食品会社への就職を考えていたのですが、給料や始業時間、休日などの条件から選び、その会社での仕事が私の和菓子職人としてのキャリアのスタートになりました。

 
Q5. 大学・専門学校では何を学びましたか?
 
浅野:栄養士系の短期大学で、食品栄養関係の勉強をしていました。調理・衛生学・生化学などを幅広く学びました。病院食の献立をつくる勉強などもありました。

稲葉:私は、園芸高校で、1年生のときに第一次産業の食について、2~3年生のときは、パンをつくったり、醸造学を勉強したりしました。特に食の加工や理論の授業では、酸味がどう出るのか、甘さが出るまでどんな化学反応が起こるのかなどを学びました。
 
 
Q6. 高校生のときの経験が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
浅野:以前は和菓子業界自体が男性の職人さんばかりで、女性が就職すること自体がかなり稀でした。採用の問い合わせをしてみても「女性は採用していない」と門前払いされてしまったことも何度かあります。

理由は、着替える場所や女性用のトイレなどが準備できないという設備の問題もありました。また、男性ばかりの職場に女性が入ると空気が変わってしまうからと言われたこともあります。それらは、私がいくらやる気を見せてもどうにもならない問題だと感じました。その経験をして「人任せにしていてはダメ。自分で動かないといけない」と思ったのです。あのときの気持ちが、独立した今につながっていると感じています。

稲葉:私は早い時期から大学受験ではなく、就職しようと進路を固めていたので、夏休みには、たくさんのアルバイトをしていました。ファミレス・寿司店・居酒屋・ガソリンスタンド・ビルの解体……。どういう仕事で、いくらくらい稼げるのか、どのくらいキツイのか、実際に体験して感じたことが、その後の進路を選ぶ際に生かせたと思います。休みや給料、朝が早いかどうかなど、現実的な生活についてチェックしておくことは、どんな職業を選ぶ上でも大事だと思います。

独立して改めて感じる、和菓子づくりのおもしろさ

Q7. どういう人がその仕事に向いていると思いますか?
 
浅野:ポジティブな人が向いていると思います。和菓子づくり自体は、継続的に練習する環境があればうまくなりますし、誰でも職人になることができます。その反面、探求心・向上心といったモチベーションを維持できるかどうか、忍耐力が試される場面でもポジティブでいられるかどうかが、成功と失敗の分かれ道になるようにも思います。

稲葉:確かにスキルは誰でも身に付けられますね。和菓子会社に勤めていたときは、材料選びも先輩がやってくれましたし、注文どおりに仕事をしていれば給料がもらえました。でも独立すると、コスト意識を持つ必要が出てきますし、売り上げや保険・税金のことなど、ありとあらゆることを考えなければなりません。会社員より仕事の幅が増えて大変な部分もありますが、その分、和菓子をつくるときの面白さや可能性も広がりますから、常に前向きな人がいいかもしれません。
 
 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
浅野:社会に出ると厳しいこと、つらいこと、いろいろなことがあると思いますが、本来仕事とは楽しいものだと思っています。少しでも好きなことで働く喜びを見つけられたらいいですね。

私は20歳で和菓子の道に入りました。そのとき、師匠からいただいた、中国の孔子の言葉を贈ります。この言葉があったから、さまざまな局面を乗り越えてこられた気がします。

「これを知る者はこれを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。」(意味:物事を理解して知っている者は、それを好んでいる人には及ばない。物事を好んでいる人は、それを心から楽しんでいる者には及ばない。)

稲葉:高校時代から付き合う人の幅をたくさん広げておきましょう。違う学校の生徒や違う世代の人、いろんな職業の人とかかわる時間を大切にしてください。社会に出たときに、誰とでもコミュニケーションをスムーズにとれるスキルはきっと役に立つと思います。

いくら能力があっても、みんなから嫌われてしまう人もいます。一方、どんくさくてもかわいがられる人もいます。叱られることや意地悪されることもあるかもしれませんが、どう対処するのか、またそういう人を見かけたときに、手を差し伸べることができるのかなど、あまり人が見ていないところでの行動が、人柄を形成すると思います。便利で物が豊かになった時代だからこそ、人と人とのつながりをぜひ大切にしてください。
 
 
お店の規模や働き方によって、仕事内容がずいぶんと変わる和菓子職人。稲葉さんと浅野さんがオープンさせた「wagashi asobi」の和菓子は、世界的な有名ブランドからも注文が入るほど人気があります。自分の「好き」という気持ちに誠実に向き合いながら、しっかりと仕事に取り組むことで結果が出る世界なのだと感じました。
 
 
【profile】wagashi asobi 稲葉基大、浅野理生

この記事のテーマ
食・栄養・調理・製菓」を解説

料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。

「食・栄養・調理・製菓」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「和菓子職人」
はこんな仕事です

蒸し・焼き・練り・炊きといった独特な技術を駆使し、上生菓子や干菓子など、美しい色や形の日本伝統の和菓子をつくる職人。茶道とともに発展してきた和菓子は、日本の風土を表現することに重きを置いており、四季折々の季節感や草花を題材とした菓子づくりに大きな特徴がある。現在、特にメーカーなどでは製造の機械化が進んでいるものの、やはり基本は手づくりであり、一人前の職人になるまでには長い修業が必要となる。

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