【シゴトを知ろう】ライター ~番外編~
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「【シゴトを知ろう】ライター 編」では、フリーライターの肥沼和之さんに、ライターの仕事について伺いました。さまざまな方にインタビューを行うライターのお仕事。いろいろと気を付けることも多そうです。番外編では、ライターの意外な一面や、長期的なキャリアパスなども含めてご紹介します。
この記事をまとめると
- 業界を問わず、数は少なくても深いつながりを大切にしている
- ライターは不健康になりがちだからこそ、健康管理が重要
- 執筆だけでなく、本の出版や起業など多様なキャリアの可能性がある
業界内のコネづくりより、業界を超えた深いつながり
―― 業界内で横のつながりは多いですか?
業界内で名刺交換をする機会自体は多くありますね。出版業界の交流会や、お取り引きしているメディアの忘年会などに参加することはあります。ただ、私についていえば、交流がその後も続くという意味での「つながり」のある人は、数えられるくらいしかいないかもしれません。ですが、その分付き合いは深くなっていると思います。
仕事で出会った人とプライベートでも食事に行くようになったり、逆にプライベートで仲の良くなった人と一緒に仕事をしたりすることは珍しくないですね。また、業界内で戦略的にコネを増やすというより、業界を超えて、ずっとお付き合いしていきたいという人とつながりを保つことを大切にしています。
―― 業界内にはどんな性格の人が多いですか?
ライター職に関していえば、自分の意見をしっかり持って主張する人が多い印象ですね。特に、我が強い作家的なライターだと、原稿のちょっとした表現にもこだわって、編集者と激論を繰り広げる人もいます。私も、そこまでではありませんが、書いた文章の譲れないこだわりを守りながら、編集者と話し合って折り合いをつけるようにしていますね。
運動不足がライターの悩み。定期的にジム通いも!
―― 業務をされてから、驚かれたことは何ですか?
駆け出しのころは、決められた企画の中で依頼を受けて仕事をすることが多かったのですが、びっくりするような人に取材できることもありました。大企業の社長・人気レストランのシェフ・有名なタレントや俳優・ミュージシャン・スポーツ選手など、日常生活の中ではとても出会えないような方のお話を伺えるのは刺激的でしたね。
―― 働く中で、特に気を付けていることはありますか?
健康管理には気を遣っています。ライターは、取材や打ち合わせ以外は基本的に座りっぱなしの仕事なので、どうしても運動不足になりがちです。腰痛や痔に悩まされているライター仲間も見かけますね。
ライターというと「徹夜で原稿を書いていて不健康」というイメージがあるかもしれません。実際、原稿の締め切りに追われてなかなか睡眠時間が取れないこともあるのですが、体調を崩すと誰も自分の代わりに仕事をしてくれません。運動不足解消と体力づくりのために、私も定期的にスポーツジムに通っていますよ。
本の出版、起業、イベント出演……広がるライターのキャリア
―― 業界内ではどんなキャリアパスがありますか?
最初は、私のように副業としてライターを始める人も多いので、まずはライターの仕事だけで生計を立てられるようになることが目標になると思います。ただし、ライター一本でやっていけるようになっても、しばらくは仕事を選べません。実績を作りながら、関心の高い分野の仕事や原稿料の高い仕事を徐々に優先できるようになってきます。
やがて、自分で記事を企画・執筆するなど、仕事として書きたいことを書けるようになったら、執筆以外にもライターとしての活動を広げていく人が多いです。例えば、私は出版・メディア業界の人やライター志望者が集まる飲食店を開いたり、これまでの経験を活かして本を2冊出版したりしましたし、最近ではライタースクールを開講しました。
ほかにも、自分のメディアを持ったり、イベントに出演してみたり、編集プロダクション(ライティングの仕事を受注して、ほかのライターに発注する会社)を起業したりと、さまざまな可能性が広がっていますよ。
―― 最後に、今後もライターの仕事を続ける中で大切にしたいことを教えてください。
フリーライターは仕事・収入が不安定な面はあります。「出版不況」「WEBライターは原稿料が安い」というイメージもありますが、ライターは稼ごうと思えば稼げる仕事なんです。
それでも、私はお金以上に、楽しく仕事ができることを大切にしたいと思っています。一緒にいい記事を作り上げていこうと思える編集者と、自分自身が本当にやりたいことを実現できる仕事をしていきたいですね。
ジム通いなど運動不足対策が不可欠であること、記事の執筆以外にもキャリアの可能性が広がっていることなど、ライターの思わぬ一面を垣間見られました。また、本当の意味での「つながり」を大切にし、楽しく仕事に取り組む姿勢が、心を動かす文章を生んでいるのだと感じさせられましたね。日常的に接するインターネットの記事や、その記事を書いているライターに対する印象が、少し変わったのではないでしょうか。
【profile】フリーライター 肥沼和之
この記事のテーマ
「マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説
若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。
この記事で取り上げた
「ライター」
はこんな仕事です
出版社や新聞社、Web制作会社などから依頼を受け、さまざまな文章を書く仕事。ルポライター、ノンフィクションライターなど、書く内容によって呼び名が異なる。編集者とともに資料を収集し、記事の構成や取材先も決定。カメラマンを伴って取材に出かけることも多々ある。また、独自に取材や調査を行い、その記事を新聞社や出版社に持ち込むケースもある。政治からスポーツ、科学、エンターテインメントまで、どんな記事でも書けるタイプのライターもいれば、特定の専門分野を得意とするライターもいる。
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