【シゴトを知ろう】DTPオペレーター ~番外編~
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「シゴトを知ろう」DTPオペレーター編では、株式会社タウンニュース社の小倉雅一さんにお話を伺いました。マンガ・アニメ好きが高じてデザイン系の専門学校に進み、DTPオペレーターとしてやりがいを持って仕事をされている小倉さん。今回は番外編として、仕事の裏側や、業界事情についても教えていただきました。
この記事をまとめると
- 同僚たちとのチームワークを大切に、地道に作業できる人が多い
- 日々出合うデザインと向き合い、ヒントを得て制作に生かしている
- 読みやすい紙面をつくるため、「読者目線」を大切にしている
地道にコツコツ、チームワークを尊重
―― 業界内にはどんな性格の方が多いですか?
割り振られた仕事を的確にこなしていく、まじめな人が多いですね。日々さまざまな案件があるなかで、うまくいかないときもあります。それでも「地道にコツコツ」作業できる力は大切です。
また、忙しいときこそ、お互いのサポートが重要。手が空いたら、「サポート必要な人いますか?」と聞いてくれる人も多いです。協調性やチームワークも、この仕事に求められる部分だと思います。
―― 業界内ではどんなキャリアパスがありますか?
私のようにデザイン系の専門学校を出て就職するパターンも多いですが、美大出身の人もいますね。DTPオペレーターの採用では即戦力が求められることが多いので、イラストレーターなど、作業に必要なソフトのスキルをある程度持っていることは前提になります。
日常で触れるデザインを、制作のヒントに
―― 業務をされてから、一番驚かれたことはありますか?
思っていたよりも、筋道や道理が必要な仕事だということです。専門学校では直感的にデザインをしていたのですが、働きはじめてから「なんで余白がないの?」「どうしてこの色にしたの?」と問われることに驚きました。
「これだけ余白を設けると読者が見やすい」「この色を使ったほうが、視覚効果が高い」など、きちんと理解したうえで広告や紙面レイアウトに落とし込まなければなりません。その部分では、編集室に対して私達が提案することも多いです。
―― 業界内で働くにあたって、特に意識したり、制限されることはありますか?
「カッコイイ」「きれい」と思う広告やデザインを見たら、どの部分に対してそう思ったのかを考えるようにしています。フォントの使い方や色の使い方など、アイディアをもらって刺激を受けることは多いですね。
編集室から「ポップに」「きれいめに」などの指示を受けたとき、瞬時に反映するにはそうした蓄積が必要です。電車の中吊り広告やSNSなど、日常のワンシーンに隠されたヒントを逃さないように意識しています。
読者目線を大切に、読みやすい印刷物をつくる
―― 業界や職務内での、一般人が知らない業界用語はありますか?
「下版(げはん)」という言葉はよく使いますが、ちょっと分かりにくいかもしれないですね。紙面制作の最終段階で、編集室が校正を終えると「校了」となります。そのデータを印刷会社に引き渡すのが「下版」です。
最終的なリミットである「下版日」に、レイアウトの大幅な変更などが入ると「ビクッ」となってしまいますね(笑)。
―― 業務を進めるうえで、大切にされているのはどんなことですか?
他の社員とのコミュニケーションは大切にしています。たとえば電話応対。各編集室とは電話でやりとりすることが多いので、顔が見えない分、話し方や言葉の使い方には気をつけています。とくに下版日になると、お互いにどうしてもピリピリしてしまいますが、相手への感謝を忘れず、気持ちよく下版できるように意識しています。
あとは、読者目線を大切にすることですね。新卒社員の指導でもたびたび口にしていますが、第三者の目線を持って制作するようにしています。決して独りよがりにならず、「本当にこのレイアウトで見やすいだろうか」と考えることが、良い紙面づくりにつながると思います。
日々触れるすぐれたデザインをヒントにしながら、読みやすいレイアウトを考えているという小倉さん。「読者目線」をモットーに編集者をサポートしています。伝わってきたのは、DTPオペレーターという仕事に誇りを持っているということ。その思いは、質の高い紙面づくりの大きな支えになっているはずです。
【profile】株式会社タウンニュース社 アドコミシステム課 小倉雅一
この記事のテーマ
「マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説
若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。
この記事で取り上げた
「DTPオペレーター」
はこんな仕事です
DTPオペレーターは紙媒体を印刷するために必要な版下・製版データをパソコン上で制作する職種。編集者やデザイナーの指示を受けて、指定の配置、指定の印刷会社のフォーマットに合わせて正確に文章を流し込んだり、画像を加工したりすることが主な仕事となる。紙面制作の初期段階から、何度も修正や調整を重ねて完成させ、印刷工程に入稿データを納品するところまでが領域となる。印刷物の制作になくてはならないポジションで、オペレーターを経てDTPやグラフィックのデザイナーに転身する人も多い。
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