【WFPチャリティーエッセイコンテスト2019 審査員特別賞】久留米信愛高等学校
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10月15日、東京で『WFPチャリティ―エッセイコンテスト2019』の表彰式が行われました。このコンテストは応募することでチャリティーに参加できるもので、エッセイ1作品が応募されるにつき、飢餓に苦しむ子供たちに給食4日分(120円)が協力企業によって寄付されるという仕組みになっています。
2019年の募集テーマは「私のとっておきごはん」。印象に残るさまざまなごはんの思い出・出来事が表現された計2万1,422通もの作品が寄せられました。
この記事をまとめると
- お母さんのハンバーグの味を通して感じた感謝の気持ち
- 最初は知られたくなかったお母さんの病気も、誇れることだと思えるように
- 小学校の頃から憧れている職業を目標にコツコツ努力
つらく当たってしまったこともある、お母さんへの感謝の気持ちを書いた作品
『WFPチャリティ―エッセイコンテスト2019』で中学生・高校生部門の審査員特別賞を受賞されたのは、久留米信愛高等学校2年の牛島優さん。作品タイトルは「忘れられない味」です。
記憶力が低下するという病気を患ったお母さんに「久しぶりに食べたい」と大好物のハンバーグをリクエスト。料理のレシピを忘れることもある母に期待していなかったものの、出来上がったハンバーグをおそるおそる食べてみると、懐かしい味は変わらず、感謝の気持ちがあふれてきたという内容の感動作品でした。
「本当はこの作品を応募するか迷っていたけど、受賞したことを聞いて、応募してよかった。」と表彰式の壇上で語った牛島さんに、受賞できた思いなどを詳しく伺いました。
受賞したことを聞かされても信じられなかった
―― 今回のコンテストに参加したきっかけを教えてください。
学校で夏休みの宿題として出されたことがきっかけで、今回のコンテストに応募しました。このコンテストを通して、ご飯が食べられない人たちに寄付できると聞いたので、自分も貢献できるといいなと思って参加しました。
―― 審査員特別賞を受賞された感想を教えてください。
受賞できるとは思っていませんでした。先生から受賞のことを聞いたのは10月の頭くらいで、突然職員室に呼ばれて、「おめでとうございます。(表彰式で)東京に行けるよ。」と言われて、「よっしゃ!」と職員室の中で叫びました(笑)。
実は友達には受賞したことを言っていないんです……(笑)。先生からは廊下ですれ違ったときに「牛島さん、おめでとうございます。」と声をかけてもらいましたが、「どんな作品を書いたの?」と聞かれても恥ずかしくて「覚えていないです。」と答えました(笑)。
―― 受賞できた一番の要因はなんだと思いますか?
お母さんとの関係を書いたことが、一番良かったのかなと思います。作品に書いたのは中学2年生頃の出来事。当時はずっと泣いていました。これまではお母さんのことをあまり知られたくないと思っていましたが、こういう形で評価してもらえたので、自慢できるかなと思えるようになりました。
将来は憧れのキャビンアテンダントになって、外国の方とコミュニケーションを取りたい
―― エッセイを作成する上で一番伝えたかったことはありますか?
みんなお母さんとけんかすることもあると思うけど、親に感謝する気持ちを持ってもらいたいなと思って、この作品を書きました。
これまでも授業や宿題で感想文を書くことはありましたが、本当は国語系が苦手。文章を書くことが得意ではないので、受賞できたと知ったときは「自分が? 何でこんな文章が?」と何度もびっくりしました。
―― 今後の進路について、現在考えられていることはありますか?
将来は、キャビンアテンダントになりたいと思っています。小学校の頃からずっと憧れていて、外国の方と英語でコミュニケーションをとってみたいと思っています。将来の夢に向かって、英語の勉強はもちろん、日本語の勉強も頑張りたいと思っています。今は漢字能力検定の勉強などをコツコツ頑張ってます!
今回の受賞をきっかけに、日ごろ料理を作ってくれているお母さんに感謝しつつ、積極的に家事を手伝おうと思っているという牛島さん。最初は自分が経験したつらい体験を多くの人に伝えることに抵抗があったようですが、その経験を通して両親への感謝の気持ちが深まり、周囲の人にも親を大切にする気持ちを持ってほしいと考えるようになったそうです。ご両親への思いやりが詰まった暖かい文章を書く牛島さんが、夢に向かって頑張り、世界中で活躍する日が楽しみです。
【profile】久留米信愛高等学校 牛島優
【取材協力】認定NPO法人 国連WFP協会
『WFPチャリティエッセイコンテスト2019』 https://www.wfpessay.jp/2019/
牛島さんの入賞作品 https://www.wfpessay.jp/2019/essay06.html