【シゴトを知ろう】アロマテラピスト ~番外編~
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「【シゴトを知ろう】アロマテラピスト 編」では、グランラフィネ グランデュオ立川店の伊藤愛子さんに、アロマテラピストのお仕事内容や魅力などを伺いました。番外編では、アロマの奥深い世界や、この仕事ならではの「あるある」などについてお伺いします。
この記事をまとめると
- その日の体調などにより、体が求める香りは異なる
- 集中力を高めたい時には、レモンやペパーミントの香りがおすすめ
- 筋肉の張りやコリは、心の疲れによるストレスが原因の時もある
「良い香り」だと感じるのは、体がその香りを求めているから
―― どのようなエッセンシャルオイルを使っているのですか?
グランラフィネで使用しているのは、アロマテラピーが医療として導入されているフランスで作られ、厳しいオーガニック認証を取得したエッセンシャルオイルです。柑橘・お花・ラベンダー・ミントをベースにした4種類の香りをご用意しており、施術前にお客様にお選びいただきます。
体調やお疲れに対して効果的な香りもあり、お客様のお悩みに適した香りをご提案することもありますが、基本的にはお客様に選んでいただいた香りをそのまま使用します。というのも、お客様が「良い香りだな」と感じる香りが、その時にお客様の体が求めている香りであり、お悩みのポイントを理解するヒントとなるのです。人間の嗅覚とは不思議なもので、いつもは大好きな香りでも、体調によって苦手な香りに感じることもあります。
なお、エッセンシャルオイルは非常に濃度が高く肌に直接付けられないため、「キャリアオイル」で薄めてから使用します。このキャリアオイルは、施術によって異なる種類を使い分けています。
そして、施術前にはハイドロゾル(ハーブの水溶性成分を抽出した芳香蒸留水)を、施術後にはスーパーフードとして注目されているアガベシロップにエッセンシャルオイルをブレンドしたものを飲んでいただきます。体の外側だけではなく、内側からもアロマを取り入れていただくんです。
―― アロマはご自宅でも取り入れていますか?
自宅では、アロマポットにエッセンシャルオイルを垂らして香りを楽しんでいます。落ち込んでいる時は気分を上げてくれる香りを、呼吸が浅い時にはリラックスできる香りを、というように気分や体調によって使い分けています。
―― 勉強を頑張っている高校生におすすめのアロマはありますか?
おすすめは、ペパーミントやレモンの香りです。気分をシャキッとさせて、集中力を高めてくれる効果があります。香りには即効性があるので、エッセンシャルオイルのふたを開けて匂いを嗅ぐだけでも効果があります。私も、資格試験の勉強中などに眠気が襲ってきた時はミントの香りを嗅いで助けられました(笑)。
アロマにはさまざまな取り入れ方があります。簡単な取り入れ方であれば、マグカップに熱湯を入れてエッセンシャルオイルを2滴ほど垂らすだけで楽しめます。湯気とともに香りが立ち上ってきます。また、エッセンシャルオイルを垂らしたティッシュペーパーをハンカチに挟んでおくと、ハンカチに香りが移り、外出先でも楽しめます。ぜひ日常に取り入れてみてください。
背中の張りや頭のコリは、ストレスが原因の可能性も
―― どんな症状にお悩みのお客様が多いのですか?
最近は、ストレスからくるお疲れにお悩みの方が多いと思います。筋肉が張っていたり凝っていたりするのは、体の疲れだけではなく、実は心の疲れによるストレスが原因であることも少なくありません。
例えば、背中の張りや頭のコリ。背中は自律神経の影響を受けやすいので、ストレスが溜まり自律神経が乱れてしまうと、背骨の両脇にある筋肉がガチガチになってしまいます。そのような状態の方は大抵、頭の筋肉も背中と連動して硬くなってしまいがちです。
施術をしてもなかなか背中や頭の筋肉がほぐれない方には、気持ちを緩めていただくことも大切とお伝えしています。
―― 仕事中、こだわってやっていることはありますか?
お客様に安心して施術を受けていただくために、包容力のある、大らかな雰囲気を持てるように心掛けています。
また、「丁寧さ」もこだわっていることの一つです。施術の仕方や言葉の使い方はもちろん、物音の立て方にも細心の注意を払っています。ドアやカーテンを大きな音で閉めると、自分が対応しているお客様はもちろん、店内にいる他のお客様を驚かせてしまうかもしれません。店内全てのお客様にとって、居心地の良い空間を作っていきたいと考えています。
―― この仕事に就いてから、何か勉強していることはありますか?
スタッフ同士で施術して改善点を指摘し合い、技術を磨いています。また、アロマテラピーはお店によって施術方法が大きく異なるため、他のお店の施術を受けに行くのもすごく勉強になります。
最近、化粧品の成分についても学び始めました。きっかけは、花粉症とアレルギーで過敏になった肌に、あるアロマオイルを含んだ化粧品を使ったことで、一時期肌がボロボロになってしまったことです。菌を増殖させるタイプのアロマオイルだったのです。アロマオイルは化粧品にもよく含まれているのですが、自分の肌状態に合った種類を選ばないと逆効果になってしまうケースもあります。化粧品成分の知識は今の仕事にも役立ちますし、自分自身に合った化粧品を選べるようにもなるので、楽しみながら勉強しています。
―― 一緒に働いている人は、どんな人が多いですか?
どんなことも肯定的に受け入れられる、懐の深い人が多いと思います。それから、みなさん気配りの達人です。例えば、他のスタッフが使った部屋でも率先して片付けたり、施術準備をしておいてくれたりします。スタッフ全員が、常にお互いを思いやりながら働いています。
施術者としても人としても、成長を続けていきたい
―― この仕事ならではの「あるある」なことはありますか?
どんなお店に行っても、つい接客をじっくり見てしまうことです。素敵な接客を受けたら、「真似してみよう」と思います。また逆に残念な接客だった場合は、「自分も気を付けよう」と考えさせられます。
―― 今後の目標を教えてください。
知識も技術もコミュニケーション力も、さらなるレベルアップを図っていきたいです。セミナーに行ったり自分で調べてみたり、常に勉強を続けていこうと考えています。また、仕事を通じて人としても成長を続け、私にしかできないことを追求して、お客様から選んでいただける施術者になりたいです。
「その日の体調によって香りの感じ方が異なる」というのは、とても興味深いお話でした。香りは体調のバロメーターにもなりそうです。普段の生活にも取り入れやすいアロマの香り。アロマテラピストに興味を持った人は、日常にアロマを取り入れて、その奥深い魅力を体感してみてはいかがでしょうか。
【profile】グランラフィネ グランデュオ立川店 伊藤愛子
この記事のテーマ
「エステ・ネイル・リラクゼーション」を解説
ネイルアーティストやエステティシャンなど、美容のスペシャリストを育成したり、アロマセラピストやマッサージ師のように身体のもみほぐしや香りでの癒しに関わる知識と技術を身につけます。あわせて学校では、職業に応じた専門技術と接客能力を磨きますが、新しい技術やトレンドに対応するため、自ら学び続ける好奇心やセンスが求められます。
この記事で取り上げた
「アロマテラピスト」
はこんな仕事です
アロマテラピーとは、植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)を肌に塗り、その香りで心や身体のストレスを取り除く自然療法を指す(『アロマセラピー』ともいう)。専門的知識を持ってアロマテラピーを行う技術者が、アロマテラピストである。アロマサロンで施術を行う他、ショップやカルチャー教室で個人の愛好者への指導を行うなど、活躍の場は幅広い。身体に優しい療法として一般の愛好家も増えているが、精油を取り扱う上で専門的な知識を要する場面もあり、アロマテラピストの需要は高まってきている。
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