「シェアハウス型学生寮」ってどんな寮?
共同生活から得られる貴重な体験とは?
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大学や専門学校への進学を機に、親元を離れて生活することを考えている人も多いのではないでしょうか。一人暮らしを楽しみにしている人もいれば、不安に感じている人もいるでしょう。そんな時に選択肢の一つとして挙がるのが学生寮。寮の運営形態は様々ですが、最近は「シェアハウス型学生寮」に注目が集まっています。
今回はシェアハウス型学生寮「チェルシーハウス」に入寮しているKさん(大学3年生・女子)とNさん(大学1年生・女子)にお話を伺いました。「シェアハウス型学生寮」というのは、どのような雰囲気なのでしょうか?
この記事をまとめると
- 「シェアハウス型学生寮」では門限のない自主性に任された生活を送ることができる
- 年によって入寮している人のカラーが違うところが面白い
- 行動力のある人に刺激されて、自分も積極的に動くようになる
名前は寮だけれど、門限も規則もない自由な生活
――どのようなきっかけでチェルシーハウスに入寮したのですか?
K:私の場合は、たまたま母がチェルシーハウスについて紹介しているブログの記事を見つけたことがきっかけでした。最初は大学の寮に入るつもりだったのですが、チェルシーハウスは大学の寮の半分ぐらいの家賃で済むことが分かったんです。結果的に入寮してすごく良かったと思います。
N:私は広告でチェルシーハウスのことを知りました。高校の先輩が入寮していることが分かったので、私も入ろうと思いました。Kさんと同じで家賃が安いところが魅力でしたね。私は高校時代も寮生活を送っていて、チェルシーハウスと提携を結んでいたというのもきっかけの一つになったかもしれません。
――実際に入寮してみていかがですか?
N:高校時代の寮生活に比べると、思っていた以上に自由だなと思いました。高校生の時は門限や点呼がいっぱいありましたし、部屋は4人部屋で、けっこう頻繁にメンバーが入れ替わったりしました。今は2人部屋で、最初に同部屋になった人とずっと一緒ですから、かなり仲良く親密になれるところが楽しいと感じています。
K:私は入寮してから2年以上が経ちましたが、ここの寮生活がすごく楽しいんです。寮と名前がついていますが、門限はありませんし、規則が何もなくて自由なところが良くて、「高校のときもこんなふうに過ごしたかったな」と思って、今楽しんでいます。
――同部屋の人というのは、どうやって決めるのですか?
K:入寮する時に面接があって、それを基に運営側の方たちがいろいろ考慮して「この2人だったら合うかな」とペアリングをしてくれます。それでだいたいうまくいっているみたいです。
N:私は同部屋の子と考え方とかがすごく似ていて、毎日いろいろなことを話しています。どちらかが帰ってくるのが遅い時もありますが、ネタが尽きなくて…ホントにずっと話しています。細かいところ、例えば冷房の設定温度など、好みが合わないところもありますけれど…(笑)。
年によって、入寮している人のカラーが違うから楽しい
――お二人とも「自由」というのをおっしゃっていますが、チェルシーハウスの特徴はどんなところだと思いますか?
K:入寮している人たちの考え方が自由だと思います。海外に行っていた人をはじめとして、価値観が多様な人が多くて、いろいろな人がいるところが魅力の一つだと思います。そういう場だからこそ、沢山のイベントを企画して実行したりできるということがありますね。
――共有スペースにいろいろなイベントの告知がされていますね。月に何回ぐらいあるのですか?
K:今は3ヶ月に1回くらいです。1年に半数はメンバーが変わるので、その年によって入寮している人のカラーが変わるんですよ。昨年はイベントを企画する人が多くて、月に1回ぐらいやっていましたが、今年は「寮をきれいにしよう」と掃除に注力するメンバーがそろっているような気がします(笑)。
――先ほど掃除当番がないとおっしゃっていたので、誰かがやらないと大変なことになりそうですね。
N:共有部分は週に5日くらいの割合でプロの方が来て、水回りなどの掃除をしてくださいます。ただ共有部分の片付けは気付いた人がやっていますね。使ったお皿が何枚も溜まるときがあるのですが、それも気付いた人がやることになっています。でもKさんがおっしゃるように、今年は片付けを頑張ろうという人が多いみたいなので、きちんとできているような気がします。
チェルシーハウスに入寮したことで、自分で行動する力がついた
――チェルシーハウスに入って、自分の人生に大きく影響していると思うことはありますか?
K:チェルシーハウスに入寮した時に、すごくかわいがってくださった2つ年上の先輩がいたんです。同じ大学の先輩だったのですが、その人はいろいろなイベントを企画する人で、何でもチャレンジしようという意気込みで動いている人でした。そういう人と接することで、自分で行動することの大切さを教えてもらいました。私は今、就職活動をしているのですが、何でもチャレンジする精神でやってきたので自己PRができて我ながら強いなと感じています。
N: 私はいろいろなことにチャレンジしたいと考えていて、大学以外のところで活動をしていますが、そういうことをしていると、ちょっと茶化されたように「1年生なのにすごいね」とか「意識が高いね」と言われることがあるんです。でもチェルシーハウスでは、そういう発言をする人が一切いないところが、許容量が大きいと感じますし、良いなと思っています。
――これから進学を控えている高校生に向けて、メッセージをお願いします。
K:私が入寮したきっかけは、家賃が安いからということでしたが、実際に2年間住んでみて学校の友達にチェルシーハウスを勧めたりしています。その一番の理由は、本当にいろいろな価値観に触れられるからです。合わない人がいるときもありますが、合わないからシャットアウトするのではなくて、どうやったらその人のことが理解できるのか、どうやって合わせていくかということを考えることが楽しいんですよね。ここに住んでいる人たちは、みんなゴーゴー!という感じで行く人なので、何でもチャレンジしたいという精神がある人には向いていると思います。
それから自分で行動する力は確実に上がります。自主的に行動する人たちがそろっているので、何もしなければ「まずい。私、何もやっていない」ということが自覚できますし、行動力のある人と一緒にいることで「自分も頑張りたい」と思えるようになります。
N:住む場所というのは、1日の中で過ごす時間が長いので、とても大事だと思います。チェルシーハウスに入寮することも一つの方法だし、一人でいることが好きなら一人暮らしのほうが絶対にいい。チェルシーハウスだったら、同じ大学だけではないつながりができるし、ここに来なかったら出会わなかった人ばかりだと思うので、新しい出会いや刺激を求める人には、いい環境だと思います。ぜひ選択肢の一つとして考えてほしいですね。
二人とも、実際に入寮して得られたものはかなり大きかったようです。「帰ってきた時に必ず『お帰り』と声をかけてくれる人がいるので、寂しがりやの人にはぴったりなのでは?」とのこと。これから親元を離れて進学を考えている人は、選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか?
【取材協力】
NPO法人 NEWVERY
チェルシーハウス国分寺
https://chelseahouse.org/