【シゴトを知ろう】落語家 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】落語家 ~番外編~

2019.10.25

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】落語家 ~番外編~

「【シゴトを知ろう】落語家 編」では、二ツ目の落語家として全国各地でご活躍中の林家つる子さんに、仕事の内容ややりがいについてお話を伺いました。

今回は番外編として、自作ラップを発表したり、ミスiDに応募したりと、チャレンジャーなつる子さんのプライベートに迫りつつ、知られざる落語家の世界をさらに深掘りしていきます!

この記事をまとめると

  • 落語家の師匠方は、意外とおちゃめ
  • いつでも100%の力を出して、手抜きの落語は絶対にしない
  • 若い世代に、落語は気軽に楽しめるカルチャーと知ってほしい

落語家の師匠方は、意外とおちゃめ

―― このお仕事ならではの「あるある」なことや、「職業病」のようなものがあれば教えてください。
 
誰かと話していて、今風でない言葉遣いになってしまうこと。例えば、「そこをまっすぐ行って」と言いたいときに、「そこ“まっつぐ”行って」と言ってしまうなど、ちょこちょこ江戸弁っぽい言葉が出てくるんです(笑)。日常会話でのツッコミが「な〜に言ってんだい!」になってしまったり……。

プライベートで触れる演劇や映画などを、「落語に生かせるかどうか」という視点で見てしまうこともそうですね。純粋に100%楽しむつもりで見られないというのは職業病だと思います。


―― オンとオフの切り替えで意識していることはありますか?

オンで頑張れるようにオフでは力を充電したいので、落語から離れて別の楽しいことをすることもあります。

実は私、韓国アイドルが大好きで、韓国アイドルの動画を見るのが趣味なんです。最近は「PRODUCE101」というオーディション番組をよく見ていて、そのオーディションで合格した子たちで結成された「X1(エックスワン)」というグループを推しています!

韓国のアイドルのオーディションは、驚くほどレベルが高い。彼らが厳しい審査を勝ち残るために必死に努力している姿に、自分の修行時代を重ねて勝手にシンパシーを感じています。つらいときには、彼らのことを思って勇気付けられることもあるんです。

―― 落語家というお仕事を始めて、働く前に抱いていたイメージとのギャップはどんな部分にありましたか?

もちろん厳しいときはありますが、想像より師匠方は気さくでおちゃめな方が多く、とても親しみやすかったことです。

勝手なイメージで、江戸っ子が好きそうな蕎麦や寿司・漬物なんかが師匠方もお好きなのかなと思っていたのですが、意外にイタリアン大好きという方も多いですし、スイーツが大の好物という方もいらっしゃって。また、ものすごく厳格で真面目そうだなと思っていた方が、話してみるとくだらない冗談ばっかりおっしゃって、そのギャップに「え〜!」となったこともあります。

林家正蔵師匠もとってもおちゃめですよ。師匠は犬を飼っていて、ものすごく溺愛しているんですが、犬をかわいがっているときの師匠の態度が甘々で、犬よりかわいらしく見える瞬間があります(笑)。

いつでも100%の力を出して、手抜きの落語は絶対にしない

男着物で高座に上がっているのですが、夢中で動いていると着崩れてしまうことがあるんです。お客様の前ですからキチッとしなくてはと、毎回、着崩れないように心がけています。

また、もしかしたらお客様の中には、落語を一生でその日しか聞きに来ない方もいるかもしれません。そのたった一度の機会に、まさか手抜きの落語をお聞かせするわけにはいきませんので、いつも全力で、100%を出し切るつもりでやっています。

―― 前座から二ツ目になると、環境はどのように変化しましたか?

本当にガラッと変わりました。前座から二ツ目への昇格のタイミングが、一番環境の変化が大きいんです。

一番の変化は、前座時代は毎日師匠のお宅に通っていましたが、それが毎日ではなく、お呼びがかかったときやご様子を伺うときだけになったこと。二ツ目になると、師匠の指導から離れて、自分で自分のことをするのが許される立場になるわけです。

師匠のお宅の側からも引っ越しまして、自由を満喫できるようになりました(笑)。もちろん、そこで気を抜くのではなく、前座時代にビシバシと指導していただいたおかげで、「二ツ目になったらあれをやるぞ!これをやるぞ!」とモチベーションになっていましたので、より落語に気合いが入りました。

―― 落語界にはどういった性格の方が多いですか?また、ご自身の性格についても教えてください。

いろいろな性格の方がいますが、あえていうなら几帳面で、さらに女性はけっこう威勢がいいといいますか、男勝りな方が多いイメージです。

落語の修行は、几帳面に細やかに、という部分を叩き込まれるので、落語家の方々は多かれ少なかれ几帳面な部分があるように感じています。女性はその上で、男性社会で男性と渡り合っていく必要があるので、少し男勝りな部分が出てくるのかもしれませんね。

ちなみに私はマイペースかつ、細かいことにこだわらない性格で、どんなことも笑い飛ばす!というタイプです。おおらかな母の影響をかなり受けていると思います。

若い世代に、落語は気軽に楽しめるカルチャーと知ってほしい

―― ご自身の好きな演目と、好きな理由について教えてください。

江戸っ子のカラッとした気質が感じられる噺(はなし)が好きで、「三枚起請(さんまいきしょう)」と「宿屋の仇討(あだうち)」が特に気に入っています。どちらも3人組の江戸っ子が騒ぎを起こす内容です。特に「宿屋の仇討」のほうは、ちょっと抜けていて憎めない3人組で、下らないことで大笑いしているのが、「馬鹿だな〜楽しそうだな〜」と愛おしい気持ちになるんですよね。

落語に出てくる登場人物の喜怒哀楽を見ていると、今でも理解できる感情がほとんど。「江戸時代を生きていた人たちも、私たちと同じようなことを思うんだな」と感銘を受けたことが落語家を志した理由の一つなので、そういった部分でも、これらの噺は共感できる部分が多くて気に入っています。


―― これまでつる子さんは、自作ラップを発表されたり、ミスiD(※)に応募されたりと、さまざまなチャレンジをされてきましたが、今後挑戦してみたいこと、目標はありますか?

近い未来のお話ですと、もうすぐ新作落語をつくる機会がありまして、そこでラッパーが登場する落語をつくってみたいなと考えています(笑)。ぜひご覧になっていただけるとうれしいです。

長期的な目標の一つとしては、若い人に気軽に楽しめるカルチャーの一つとして落語を認識してもらえるように努力していきたい。実は、ラップを発表したり、ミスiDに応募したりしたのも、若い人に注目してもらいたいという想いがあったからでした。

「ちょっと時間あるし、落語でも聞きにいくか」となる若い人って、残念ながらあまりいないですよね。ハマってもらうまで行かなくても、ライブに行くとか、映画を見に行くとか、そういった選択肢の一つに落語もあるよということを、10〜20代の若い子たちに知ってもらえるようアピールしていくつもりです。

(※)講談社主催、新しい時代にふさわしい、まだ見たことのない女の子を発掘し育てるアイドルオーディション


―― 最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。

やはり、前座から二ツ目になったときのことが印象深いですね。そのとき、地元(群馬県高崎市)で大きい落語会を開いていただいたのですが、300席がいっぱいになるくらいお客様が集まってくださったんです。

ゲスト出演した師匠に、「つる子のことをよろしくお願いします」とお客様に紹介していただいたときは、「ここまでやってきてよかった」と感動で胸がいっぱいになりました。

師匠のお話の最中、私は座ったまま指をついてお辞儀をしていたのですが、涙が目に浮かんで堪えるのに必死でした。そのときの景色が忘れられず、またこんな景色を見られるように頑張っていこうと、気持ちを新たにすることができました。


高校生の皆さんが聞いても、共感できる落語はたくさんあるはず。落語の未来のためにも、若い世代に落語の楽しさを知ってほしいと熱く語る姿からは、落語に対する深い想いがにじんでいました。「落語はお年寄りが聞くもの」という固定観念をまずは忘れて、ぜひ寄席に足を運んでみてくださいね!

 
【profile】落語家 林家つる子
http://tsuruko.jp/

この記事のテーマ
マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説

若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。

「マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「落語家」
はこんな仕事です

寄席などの舞台で落語を演じるプロフェッショナル。落語家は声色、仕草のバリエーション、扇子や手拭いなど、ごく限られた小道具を使用し、老若男女さまざまな登場人物を一人で演じ分け、最後に「オチ」がつく噺(はなし)を縦横無尽に繰り広げていく。東京であれば新宿や浅草などの寄席、大阪では天満宮の寄席が主な活躍の場となるほか、全国各地のホールでも定期的に公演が行われている。プロの落語家になるには、まずは一門の師匠に弟子入りすることが第一歩。見習いから始めて、修業を積むことで少しずつ昇段をしていく。

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