【シゴトを知ろう】フォトグラファー ~番外編~
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「【シゴトを知ろう】フォトグラファー 編」では、フリーランスのフォトグラファーとして活躍されている忠地七緒さんに、仕事の内容ややりがいについてお話を伺いました。
今回は番外編として、フォトグラファーのお仕事の知られざる一面や、忠地さんの考える「女の子を撮ること」の魅力、今後の目標についてなど、たくさんお話を伺いました。
この記事をまとめると
- 休日は完全に仕事から離れることがパフォーマンスアップにつながる
- クライアントとの他愛のない雑談から、新しい企画が生まれることも
- 今後は女性アイドル好きな女性向けの本や雑誌を作ってみたい
休日は完全に仕事から離れることがパフォーマンスアップにつながる
―― フォトグラファーというお仕事を始めて、働く前に抱いていたイメージとのギャップはありましたか?
想像以上に体力仕事でした。カメラやレンズに加え、ストロボなど10kg以上の重さの機材がザラにあるので、撮影が続くとうれしい反面、体が悲鳴を上げることも……。ロケ撮影は屋外で動くことも多いので、体力づくりは大事だと痛感しています。
あとは、提案力も必要だったという点です。フォトグラファー=ただ目の前の人・モノを撮影すればいいのではなく、プロとしてお金をいただく以上、アングルやカットを自分から提案していく姿勢が必要だと感じています。
――「職業病」のようなものは何かありますか?
フィルムカメラで写真を撮ることが大好きなので、良いフィルムカメラを見つけると値段も見ずに買ってしまう癖があります(笑)。
―― オンとオフの切り替えで意識していることはありますか?
もともと土日でもメールチェックをしていましたが、それだと気が休まっていないことに気づき、ここ最近、休日をきちんと取るように決めました。週末はお休みにして、メールも確認しないし、SNSもログアウトすることで、仕事からあえて離れる時間を取るように心がけています。
また、海が好きなので、仕事に行き詰まったら鎌倉や奄美大島に行ってリフレッシュしています。そういったオフの時間が、より良い仕事のパフォーマンスにつながると信じています。
クライアントとの他愛のない雑談から、新しい企画が生まれることも
―― お仕事で写真を撮る際、心がけていることはありますか?
距離感を大事にしています。友だちのようにフレンドリーに話しかけて良さそうな人ならグイグイ話しかけますが、疲れていそうだったらあまり話しかけないなど。
初対面でいきなり撮影する(しかも撮影時間がたった10分など)ことが非常に多いので、その人との距離感を見極めながら、でも私らしい写真を撮れるよう気を配っています。
―― それでは、クライアントとのコミュニケーションで気をつけていること、心がけていることはありますか?
なかなか難しいのですが、メールなどでコミュニケーションを完結しないこと。今はチャットやビデオ通話など会わなくても仕事を進められる世の中ですが、やっぱり直接会って話すことで齟齬のないコミュニケーションが取れるし、それがいい仕事につながると感じています。
自分が共感する仕事をする、という軸で仕事をしているため、クライアントの担当者さんと仲良くなる機会が多く、プライベートとしてお酒を飲みに行ったりもしています。その飲みの席から、また新しい企画の種が生まれることもありますよ。
―― これまで引き受けたお仕事の中で、「これは驚いた」という依頼は何かありますか?
去年、秋田県からいただいたお仕事で「秋田に1週間滞在して、秋田の女の子を撮影してほしい」という仕事です。もともと旅が大好きなこと、秋田という素敵な場所に1週間も滞在できること、秋田の素朴な女の子をすべてフィルムカメラで撮影できたこと。「こんなに自分にピッタリの仕事をいただけるなんて!」とうれしい驚きでした。
女の子を撮影することはとても深いこと
―― 忠地さんは「女の子を撮る」ことを得意とされていらっしゃいますが、「女の子を撮る」ことの魅力はどんな部分にありますか?
私は、女性は年齢関係なく、みんな「かわいい女の子」の一面を持っていると思っていて、そのかわいい瞬間を写真で切り取れたときが一番うれしく、また魅力を感じます。
とはいえ、女の子を撮るのはと〜〜っても奥深い! 気分によっても見せる表情が違うし、時にはフォトグラファー側のイメージ通りに撮影が進まないことも……。でもそんな難しさを秘めているからこそ「次こうやって撮ろう!」と思えるし、きっとその積み重ねで一生撮り続けるんだと思います(笑)。
―― 今後チャレンジしてみたいこと、目標はありますか?
たくさんあります! 今、女性アイドル誌は男性ファン向けの雑誌がほとんどですが、女性アイドルが好きな女性ファンもたくさんいるんです。だから女性アイドル好きな女性向けの本や雑誌を作りたいですし、私はライターもしているので、撮影とインタビューを自分で手掛けたインタビューマガジンを作りたい。あと、アイドルの写真集を1冊撮り下ろしたいです。
―― 最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
独立1年目に、仲の良いモデルさんと台湾に2泊3日で撮影に行って、そのときの写真を写真集にしたことと、表参道ヒルズで写真展をしたことです。
「旅をしながら女の子のリアルを引き出す」ということをライフワークにしており、台湾という大好きな場所で大好きなモデルさんと撮影できたことがうれしかったし、写真集出版&写真展開催のためにクラウドファンディングに挑戦して、136人から約90万円の応援をいただきました。その結果、目標をどちらも叶えることができたのは、自分の中で大きな自信になりました。
「女の子を撮る」という<好き>が<仕事>になった忠地さん。女の子を撮ることの奥深さ、難しさと、だからこそのやりがいを伺い、本当にこの仕事が大好きなのだということが伝わってきました。そんな忠地さんの作る「女性向けの女性アイドル本」、とっても気になりますよね!
忠地さんの写真からは、女の子の魅力だけでなく、忠地さんの<好き>の気持ちが伝わってきます。見ている人の心を揺さぶるフォトグラファーのお仕事は、人を感動させる仕事に就きたいと考えている人にとって、良い選択肢の一つではないでしょうか。
【profile】忠地七緒
フォトグラファー/ライター。
雑誌、WEBで女優・アイドルのポートレイト撮影・インタビュー取材を中心に活躍。読売新聞などメディア掲載多数。東京・清澄白河で夫と二人暮らし。
Instagram:@naotadachi
HP:naotadachi.com
この記事のテーマ
「デザイン・芸術・写真」を解説
デザインは、雑誌や広告など印刷物を制作する「グラフィックデザイン」、雑貨やパッケージなどの「プロダクトデザイン」、工芸や日用品などの「装飾デザイン」といった職業分野に分かれます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。
この記事で取り上げた
「フォトグラファー」
はこんな仕事です
フォトグラファーは動画なども撮影するムービーカメラクルーと異なり、静止画像のみを撮る職種。撮影する対象はさまざまで、報道、ファッション、スポーツ、食品、建築物、風景と、それぞれ専門分野を持っている人も。写真が使われる媒体は新聞、雑誌、インターネット、広告など。フリーランスのアシスタントとして仕事を始める場合もあるが、スタジオやマネジメント事務所、写真館、ブライダルサロンに入社することも。そこでしばらく経験を積み、後にフリーランスとなって活躍する人も多い。
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