【シゴトを知ろう】動物看護士(師) ~番外編~

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【シゴトを知ろう】動物看護士(師) ~番外編~

2019.09.18

提供:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】動物看護士(師) ~番外編~

「【シゴトを知ろう】動物看護士(師) 編」では、クロス動物医療センター葛西の阿片俊介さん、横田静葉さんのお二人に、動物看護師の仕事内容や魅力などについて伺いました。番外編ではより詳しく、動物看護師ならではの「あるある」や今後の目標などについてお伺いします。

この記事をまとめると

  • ペットの病気全般の知識を身に付け、その後に得意分野を磨く
  • 犬・猫、エキゾチックアニマルも来院
  • 動物看護師の国家資格化に向け、専門性を高めていきたい

ペットの病気全般の知識を習得して「先を読む力」をつける

―― 動物看護師は、具体的にどんなことを学ぶ必要があるのですか?
 
阿片:まずは検査の仕方や、カルテ通りに薬をつくる調剤の方法、入院中のペットのお世話など、通常業務に必要なことを学んでいきます。これらをスムーズに行えるようになれば、次に大切になるのが「先を読む力」です。この後に何が行われ、何の準備が必要になるかを想像する力です。例えば飼い主様へ問診をする際にも「どの検査をするのか」「どのような治療で何の薬を出すのか」など先の流れをイメージしながら聞けると、準備がしやすいですし、診療もスムーズに進みます。

ただ、このように先をイメージするためには、ペットの病気に関するさまざまな知識も必要です。つまり、学ぶ順序としては、まず基本となる業務の知識。そして次に病気全般の知識を身に付けていきます。これらの知識がしっかりと身に付いたら、その後は自分の強みとなる得意分野を磨いていくと良いでしょう。

―― 入院中のペットのお世話をする際は、どんな点に注意しているのですか?

横田:長いと1カ月以上入院するペットもいるので、スタッフ全員で連携をとり、些細な変化も見逃さないように注意しています。「お腹が少し緩かった」などの細かなことも、スタッフ間で共有していくことが大切なんです。例えば子犬の場合、体重500gの子が10g痩せてしまっただけでも大問題です。ワンちゃんは人の5倍の速さで歳をとる分、体調が悪くなるのもすごく早いんです。

犬・猫からフクロウ・フェレットまで、さまざまなペットが来院

―― この業界にいるからこそ知ったことはありますか?

阿片:飼い主様のタイプはさまざまであるということです。自ら勉強をしてこまめにペットのお世話をされている方もいれば、お世話の仕方をご存じない方もいます。日々のお世話は、ペットの健康状態に大きく関わってきます。

ブラッシング不足により毛玉まみれになったトイプードルや長毛種の猫が来院することもあるのですが、毛玉が付きすぎるとひどい場合には皮膚がただれたり、はがれたりしてしまいます。飼い始める前に、まずはそのペットのお世話の方法についても知っていただくことがとても大切だと感じています。


―― 一緒に働いている人は、どんな人が多いのですか?

阿片:共通点としては、動物好きであるのはもちろん、全員がペットを飼っています。みんなペットに対する愛が深いですよ。ちなみに私はサビ色のマンチカン(猫)を飼っています。サビ色のペットが病院に来るとすごく親近感が湧きます(笑)。

 
―― この病院にはどんなペットが来るのですか?

阿片:ワンちゃんとネコちゃんがほとんどです。ワンちゃんのなかには動物看護師が大好きで、毎日散歩の途中にクロス動物医療センター葛西へ寄って、私達の顔を見ないと満足して帰らない子もいます。ずっと扉の前で私達を待っている姿は、本当にかわいいです!

また、週に1回エキゾチックアニマルの診療があり、そのときは、いろいろな動物が来院します。亀などの爬虫(はちゅう)類や鳥類、うさぎ、フェレット、デグーが多いのですが、前に一度大きなフクロウが来たときは驚きました。あとは、アフリカに多くいる色鮮やかなインコが来たこともあります。

横田:私は爬虫類や鳥について勉強中なので、エキゾチックアニマルの診療はとても楽しいです。専門の獣医師もいるのですが、勉強したことや気になることを質問して教えてもらうこともでき、とても充実しています。

国家資格となる動物看護師の専門性を高めていきたい

―― この仕事ならではの「あるある」なことはありますか?

阿片:猫に引っ掛かれるので、ケガが多いことです。特に腕のケガは、動物看護師全員一つや二つは持っているのではないでしょうか(笑)。あとは、家に帰ると飼っている猫が僕のにおいをすごく嗅いできます。いろいろなペットのにおいがするみたいですね。

横田:私が好きなエキゾチックアニマル関連の「あるある」で言うと、エキゾチックアニマルの飼い主様には勉強熱心な方が多いと思います。特に爬虫類は飼うと、温度や食事の管理が大変なので、それらを厭わずお世話できる方が多いイメージです。


―― 最後に、今後の目標を教えてください

阿片:私は管理職の立場なので、病院としての目標は、動物看護師が主体的に仕事できる病院づくりをしていくということです。現在、動物看護師は民間の資格なので、獣医師の指示のもとで行う業務がほとんどであり、自分の意志や判断で行える業務はあまり多くありません。また、看護業務以外の雑務も多い状況です。

しかし今後、動物看護師の資格は国家資格に変わるとされています。国家資格となれば、動物看護師が行う仕事の内容もしっかりと定義されます。動物看護師がより主体的にペットを看られるように、さらには、一人ひとりの専門性を高めていけるようにしたいと思っています。例えば皮膚に特化したり、しつけやリハビリに特化したり。専門職としてさらに力を発揮できるように、スタッフ全員で知識も技術も磨いていきたいです。

横田:どんなペットにもしっかり対応できる動物看護師になることです。また、ペットの介護やリハビリに関しての知識もさらに深めていこうと思っています。病気のペットのケアと介護とでは、全く別の視点が必要です。介護の場合は、良くなることを目指すよりも、それ以上悪くならないように今の生活をどれだけ快適にしてあげられるかが大切になります。

クロス動物医療センター葛西には介護やリハビリが必要なペットは少ないですが、そういったペットが来たときには少しでも手助けができればなと思っています。機会があれば、もう一度留学にも行きたいですね。特にペット先進国として知られるスウェーデンは犬のリハビリ療法も進んでいるので、勉強しに行きたいです。
 
 

ペットや飼い主様に寄り添い、そして動物看護師という仕事に真摯に向き合っていらっしゃる阿片さんと横田さん。誠実な姿勢が伝わってくるからこそ、飼い主様は安心して大切なペットの健康を任せられるのでしょう。確かな知識や技術を持つ動物看護師の需要は、今後ますます高まっていきそうです。
 
 
【profile】クロス動物医療センター葛西 阿片俊介(主任)、横田静葉

この記事のテーマ
動物・植物」を解説

ペットなど動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、飼育や栽培など希望する職種に必要な技術を磨きます。盲導犬や警察犬、競走馬、サーカスの猛獣などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。

「動物・植物」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「動物看護士(師)」
はこんな仕事です

獣医師の指示の下で、動物の診療や治療の補助をする仕事。その他にも、入院中の動物の世話をしたり、獣医師と飼い主との間の橋渡しをしたり、受付や薬品の発注などの事務作業も担当するなど、仕事の範囲は広い。勤務先によってはブラッシング、シャンプー、歯・爪・耳の手入れといったグルーミングを行うことも。主な資格に、2011年に設立された一般社団法人動物看護師統一認定機構による「認定動物看護師」がある。これは民間資格だが、公的資格化に向けた活動が進められている。

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