「100人いたら100個の個性が全部正解」脳科学者・茂木健一郎さんにインタビュー

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「100人いたら100個の個性が全部正解」脳科学者・茂木健一郎さんにインタビュー

2019.07.02

提供:マイナビ進学編集部

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「100人いたら100個の個性が全部正解」脳科学者・茂木健一郎さんにインタビュー

脳科学者として、さまざまな分野で活躍中の茂木健一郎先生。6月15日に行われたJPIC YOUTH×マイナビ進学 高校生限定特別授業「高校生から思い描く“幸せ”のカタチ」では、「個性を大事に」「できないことはマイナスじゃない、個性だ」「好きなことを見つけて没頭して」と、一貫して参加者たちを励ますような言葉を笑顔で投げかけていました。
そんな茂木さん自身は、いったいどんな高校生だったのでしょうか。高校生へのメッセージもうかがってきました。

この記事をまとめると

  • 「好きなこと」と「勉強」をバランスよく探求することで脳に良い影響が
  • 趣味に没頭する時間の積み重ねは、裏切らない
  • 将来探しは、自分の夢を具現化する道を模索することが第一歩

「好きなことの探求」と「勉強」のバランスが高校生の脳を鍛える

――ご自身はどのような高校生でしたか?

今の僕からは想像できないかもしれないけど(笑)、物静かで友だちとの付き合いも得意な方ではなかったですね。哲学や英語の本を授業の合間に読みあさって、比較的一人で過ごすことの多い高校生活でした。
高校生活で一番思い出に残っているのは、学園祭で仲間とオペラを上演したこと。脚本や照明、音響なども自分たちで考えて、練習から当日の運営までやりました。自分は合唱をやるつもりだったけど、なぜか照明担当になったりして。今でいうシアター・イン・エデュケーション(*)ですよね。

(*) 演劇を通して、考えたり、行動したり、仲間と協力することを学ぶ教育。


――高校生だった当時、どんな夢や目標を持たれていましたか?

当時から科学者になりたくて、その夢を叶える道筋に大学があると思っていました。
偏差値主義の入試のシステムに不平や不満のある高校生もいるとは思うけれど、勉強して知識や理解を深めた方がいいのも事実。勉強しながら、自分の好きな世界を探求する。そのバランスこそが高校生の脳に良い影響があると思います。
僕の高校時代の友だちも、面白い子はみんな「勉強」も「好きなこと」も深掘りして、両方を夢中でやっていました。授業とは関係ないのに中国の文献を原文で読み解いたり、旧字体・旧仮名遣いでしか文字を書かなかったり (笑)。
勉強と趣味のバランスが大事なのは、今も昔も変わりません。夢中になれるなら何でもいいんです。「好きなこと」を見つけて熱中して探求していくことで、地頭が鍛えられていくと思います。

英語は「現代社会のパスポート」、英語力はあって当たり前の時代に

――高校・大学時代の学びや経験で、貴重だったと感じることはありますか?

一番役に立っているのは、実は英語。現代社会におけるパスポートですよね。大学入試においてもウェイトが大きくなって、今後はさらにその傾向が強まるでしょう。英語ができるかできないかで、世界の広がりが全然違ってきます。
「英語を学ぶ意味が分からない」と言う高校生もいるけど、僕からすると英語ができないばっかりに、アクセスできない情報や見えない世界が増えてしまう。これは実にもったいない。
僕らの頃は今と違ってインターネットもなかったので、英語の世界に対する憧れが強かったように思います。タイムマガジンやニューズウィークを本屋で買って、毎号大事に読んでいました。FEN(米軍が基地関係者と家族向けに流したラジオ)を聞いたりし、とにかく自分で工夫して英語に触れるようにしていました。
今はインターネットがあるから、英語の無料教材が無限にあるようなものでしょう。これを使わない手はないですよね。英語力はあって当たり前、ないとかなり困る時代に突入しています。高校生には英語の勉強は特におすすめしたいですね。

好きなことに夢中になって没頭する時間の積み重ねは、裏切らない

―― “脳科学”に興味を持たれたのはいつ頃ですか? 何かきっかけがありましたか? 

高校の時に物理にも生物学にも興味があって、どちらか選ぶのが難しかった。結局、専攻は物理に進みましたが、生物物理の研究室に入りました。博士号を取得した頃に、理化学研究所に脳科学を研究するチームができるという話があり、縁あって脳科学の道に進んだという経緯です。

実は僕、一度法学部にも進んだことがあるんです。人生、迷うことは大事でね(笑)。迷っている時に活動する神経細胞があるくらい。高校生が考える将来の夢は仮説のようなもの。仮説は変わるからこそ仮説だし、揺れ動くのが青春なんです。
今なら音楽を作りたいと思えば、楽器を弾けなくてもアプリで作れるし、オーケストラのシミュレーションもできてしまう。大事なのは、何かに夢中になって没頭する時間を持つこと。この時間の積み重ねは絶対に裏切りません。好きなことを見つけて、楽しい学びをすること。そして必要であれば進学のための勉強をすること。高校生のための「スタディ・ライフ・バランス」、あるいは「部活・スタディ・バランス」かもしれないけど、これが大事だと思います。

高校生には「世の中の仕組み」「見えない部分の社会の動き」を知ってほしい

―― 高校生が“将来探し”をする上で大事なことは何でしょうか?

世の中にどんな種類の仕事があるのか、社会がどういう仕組みで動いているのか。人に見えないところでどんな企業が動き、人の役に立っているのか知ることだと思います。真の意味の「キャリア教育」ですね。
例えば仕事を選ぶ時、大概の学生が、名前のよく知られたB to C(一般消費者向けビジネス)企業を候補に挙げます。でも世の中では知られていないけれど、社会的意義のある仕事・面白いことをやっているB to B(企業向けビジネス)企業はたくさんある。大学生ですらそういう情報を十分に得ていないと感じるので、企業側ももっとアピールする必要があります。将来探しをする時は、フラットな感覚で世の中の仕事を考えることが大事だと思います。

もう一つは「夢を持つこと」。“人の役に立ちたい”とか“誰もしていない発見をしてみたい”とか、心の奥底から湧き上がるもの。それが現実の仕事とどう接続できるかを考えるのが本来の「キャリア教育」です。興味がある分野を自分で探求学習することも大事ですし、自分の夢につながる可能性のある職業を探すのも、高校生から準備できること。自分の夢を具現化する道を模索することで、世の中の仕組みを知ることにつながると思います。


―― 今、高校時代のご自身へ何かアドバイスするとしたら、どのような言葉をかけますか?

「もっと大人にいろいろ教えてもらったらいいよ」とアドバイスするかなあ。当時は先生とはつながりがあるけれど、一般の大人のことをよく知らなかったしチャンスもなかった。もっと社会に出ている人に、世の中の仕組みについて話を聞けばよかったと思います。大人の方が知っていることも多いですからね。

100人いたら100人が大正解! 自分と相手の個性を大事にしよう

―― 高校生へのメッセージをお願いします。

とにかく声を大にして言いたいのは「個性を大事にしてほしい」ということ。100人いたら100個の個性が全部正解なんです。だから劣等感を持たないでほしい。社会全体をトータルで考えたら、全員の個性が「みんな違ってみんないい」ですよ。

ただ大事なのは、自分と違う個性をもつ人と共同作業をする経験。自分の個性を磨いて、人の個性とぶつかり合い、磨き合い、響かせ合うこと。これを高校生の頃からやっておいてほしい。人とコミュニケーションを取り、一緒に何かをすることで個性を尊重し合いリスペクトすることを覚えます。自分の個性を尊重してほしいなら、相手の個性を尊重しないといけないことも分かりますからね。
インターネットだと相手の個性に対するリスペクトがない言論が多いですよね。これは本当にダメ。自分を大事にできる人は、人も大事にできる。もっともっと人と混じり合って、幅の広い経験をしてほしいと思います。



首尾一貫して「個性を大事に!」と高校生たちにエールを送ってくれた茂木先生。好きなことに没頭する時間を丁寧に重ねていくことが、有意義な人生につながると心強いメッセージもありました。同時に「趣味と勉強」のバランスを取ることで、高校生時代の“脳”が鍛えられるとも。「自分の個性を好きになり、相手の個性も尊重できる社会」。そんな前途洋々の未来が、皆さんの目の前には広がっています!


【profile】脳科学者 茂木健一郎

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